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芸能イベントの“花型”として重宝される始球式
始球式からブレイクするタレントも登場
先日は、柳沢慎吾が4年連続となる横浜DeNA戦での始球式で、恒例の9分に渡る“甲子園寸劇”を繰り広げた。登板前に柳沢が「今年は淡々とやります」とマイクを通して前フリを入れると、球場の観客からは「え〜」というブーイング。柳沢は「ウソです。今年もやります!」。すると大歓声があがり、日本一長い始球式が野球ファンにも浸透し、恒例イベントとして愛されていることが示されていた。
「ファンキー加藤さんの例がわかりやすいかもしれませんが、彼は例の騒動以来、初めて公の場に出たのが始球式だったんです。だから加藤さんも沈痛な面持ちで登板し、その後、囲み取材で謝罪という、何ともちょっと間の悪い形になってしまったのですが、実はこの始球式は加藤さんの主演映画のプロモーション、いわゆる番宣だったんですね。逆に言えば、騒動以来の初仕事に偶然なってしまうほど、最近では始球式絡みのイベントがメジャー化しているということです。始球式はもはや、企業商品も含めた宣伝の場になっているんです」(イベント会社スタッフ)
予算かからず稼働時間も短い、費用対効果が高いプロモーション
「始球式自体、時間も短いし、予算もそれほどかからない。発表会イベントの記者会見ほどの“宣伝っぽさ”も視聴者には感じさせません。費用対効果はなかなかのものです。それに登板する女性タレントにしても、野球のユニフォームふうのミニスカートやホットパンツを自然に着用できるので、よく見れば過激な衣装でも健康的なイメージになり、それほどエロくなりません(笑)。言ってみれば、“女の子をかわいく見せるコスプレ”みたいなものなんです。かつて、ロンドン五輪で活躍した元体操選手の田中理恵さんが始球式に登板したとき、大きく脚を上げるフォームが話題になりましたが、それもきっかけのひとつで田中さんの人気は全国区になりましたから。始球式は、とくに売出し中のアイドルや女性タレントにとっては“ぜひ出たいイベント”のひとつであることは間違いないでしょう。投球プラスなにをアピールできるか、みんなねらっていると思いますよ」(前出・スタッフ)
ここのところは多少“乱発”されている感もなきにしもあらずだが、芸能界ではすでに“始球式登板枠”の熾烈な争奪戦が繰り広げられているのかもしれない。“一粒で二度おいしい”どころか、球団側も芸能人側も、あるいは宣伝企業側その他各方面“みんなが得するコンテンツ”となっているようだ。