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2016年は洋高邦低? 夏の洋画攻勢で9年ぶり邦洋シェア逆転に注目
2016年上半期、『スター・ウォーズ』『ズートピア』がシーンを席巻
ジブリアニメがない今夏は『ファインディング・ドリー』VS『シン・ゴジラ』本命対決
そんな本命以外にも、今夏の注目作は多い。洋画では、すでにアメリカでヒットしている大作が続々と公開される。そのなかでも伏兵になりそうなのが、『ゴーストバスターズ』(8月19日公開)。全編に渡ってちりばめられる“笑いのツボ”もセンスの良さを感じさせるが、1984年公開のオリジナル作のほか、数々の80年代ヒット映画をいじりながらもリスペクトと愛にあふれた作りは、映画ファンの心をしっかりと掴みそう。映画ファンの間で、今夏No.1の“予想外におもしろかった映画”になりそうな予感がある。
邦画も負けてはおらず、手堅いヒットが確実な夏休みファミリー向けの定番『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」』『ONE PIECE FILM GOLD』(公開中)のほか、生田斗真主演の『秘密 THE TOP SECRET』(8月6日公開)、児童文学の名作を3DCGアニメ化する『ルドルフとイッパイアッテナ』(8月6日公開)、土屋太鳳主演の『青空エール』(8月20日公開)などが続く。
潮目が変わっている? 4年間縮まり続けている邦洋シェア差
邦洋シェアは、2007年の洋画52.3%を最後にこの8年間、邦高洋低の状況が続いている。しかしその差は、この4年間で見ると年々確実に縮まってきている。邦画の占める割合が、2012年の65.7%から、2013年は60.3%、2014年は58.3%、2015年は55.4%。邦画全盛の一時期とは異なる次なる時代を迎えつつあるのかもしれない。
そこには、テレビを始めメディアで大きく取り上げられるような、お祭り感のあるハリウッド大作が続々と公開されることで、若い世代などライトなエンタメファン層と洋画の距離が近くなっている状況もある。世の中の話題になることで興味を覚え、洋画を観に行くようになった人たちも増えているように感じられる。ハリウッドの大作シリーズ続編攻勢は、日本のこれまでの洋画不況の潮目をチカラ技で変えつつある一面があるのではないだろうか。
今年、洋画シェアが9年ぶりに邦画を上回ることになれば、それもまたひとつの話題になってシーンを盛り上げることだろう。それは邦画が低迷しているというわけではなく、大作に引っ張られて洋画のおもしろさに目を向けた人、気づいた人が増えたということであり、そこから映画館に足を運ぶ人たちが増えれば、邦洋関係なくおもしろい作品はよりヒットしていくことにつながる。まだまだ年間の興行結果がどうなるかは不透明な部分が多いが、シェア逆転というトピックからのシーンの活性化にも期待したくなる。