ORICON NEWS
歌手・女優として飛躍する大原櫻子 表現者としての成長感じる2ndアルバム
タイトル『V(ビバ)』 「2」にまつわるタイトルをつけたかった
大原櫻子 まずは2ndアルバムということと、そして20歳になって最初のアルバムということで、2という数字にまつわるタイトルを付けたかったんです。そんな中で指を2本立てる“Vサイン”が思い浮かんだんです。でも、「V」だけだと「5」とも読めてしまうので、Vから始まる読み方をいろいろあげていった中で、シンプルで明るくて、それでいて一番インパクトがあった「VIVA(ビバ)」という読み方に決まりました。
──8月から始まるツアーのタイトル「CARVIVAL」も、アルバムタイトルにかけた造語ですか?
大原櫻子 そうなんです。カーニバルのような楽しくてハッピーな雰囲気と、ニューアルバムの曲もたくさん歌うよ、という意味を込めました。こういう言葉をいろいろと考えるのが好きなんです。
──前作から1年3ヶ月ぶりということで、じっくりと制作にも取り組めたのでは?
大原櫻子 一番早いものでは昨年9月くらいから録っていた曲もあります。そもそもリード曲の「サイン」も、実は2年くらい前に亀田(誠治)さんにいただいていた曲だったんです。
──しっとりと聴かせながら、後半に向かって力強く、かつ希望の光が見えてくる。そんなバラード曲をリードに持ってきたのも、意外で新鮮でした。
大原櫻子 これまでの大原櫻子のイメージにはなかったタイプの曲になったと思います。この曲には本当に思い入れがあって、2年前に聴かせていただいた時に「いつかこんな曲を歌えるシンガーになりたい」と思った曲だったんです。ただ当時はまだ、年齢的にもスキル的にもこういう大人っぽい世界観を歌える自信がなくて──。
──それから2年、充実した経験を積んできた今なら歌える――ということだったのでしょうか。
大原櫻子 もちろんチャレンジにはなるだろうと思いました。ただ、20歳になったということも大きかったですし、声の出し方についても2年前にはできなかったことがつかめている自分なりの手応えがあったので、自分から「あの曲をぜひアルバムに入れたいです」と意見を出させてもらいました。
ショートムービー執筆の姉 友達みたいな関係
大原櫻子 ただ切ないだけでも優しいだけでも、力強いだけでもない、その中間の微妙なところを表現するというニュアンスの出し方はかなり意識しました。この曲を歌えたことは大きな自信になりましたね。アルバム収録曲では他にも「September」という曲でいいチャレンジができたと思っています。声を張るのでもなく裏声を出すのでもない、さまようような歌い方で、歌謡曲っぽいテイストが出せたらとイメージして歌ってみました。
──そう言えば大原さん、意外にも昭和の歌謡曲ファンなんですよね。
大原櫻子 歌謡曲の歌詞が訴えてくる感じが大好きなんです。この曲も胸がキュッと締め付けられるような、どこか歌謡曲っぽいメロディが本当に素敵で、ぜひ今回収録したいと思いました。
──一方で1曲目の「踊ろう」は、爽やかでポップで明るくて、"大原櫻子ソングの王道"といったタイプの曲です。
大原櫻子 やはりこれまでの曲を聴いてくださっているファンの方の期待を裏切りたくなかったですし、アルバムの導入として、まずは安心して聴いていただきたいなと思ったんですね。そこから聴き進めて行って、「サイン」や「September」で、こういう世界も歌えるんだ、と思っていただけたらうれしいです。
──リード曲「サイン」をイメージした30分のショートムービーも制作されていますが、どんなストーリーになりましたか?
大原櫻子 病を患っている男の子と女の子が、ある楽曲を通して絆を育んでいく物語です。曲の「サイン」の歌詞は恋人同士のことを歌っていますが、ショートムービーの二人の関係は、共感だったり友情だったり、恋とはちょっと違う深い結びつきを描いています。金子修介監督が撮って下さったので画もキレイですし、脚本は実は私の姉が書いたんです。姉には基本的に自由に書いて、とお願いしました。編集者で文字や物語には常に触れているので、そこはお任せしようと。「サイン」の歌詞がとても絵的というか、情景が浮かんでくる感じでしたので、世界観も描きやすかったと言っていましたね。
──ちなみにお姉さんとはどんな関係なんですか?
大原櫻子 友だちみたいな感じです。昔からよく二人でお出かけもしますし、すごく仲良し。ただ洋服のテイストがぜんぜん違うんですよ。だから逆に一人でお買い物に行ったりした時も、「これはお姉ちゃんに似合いそうだな」というのがわかるんです。