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ORICON NEWS
より快適に個性的に?住宅リフォーム市場が急拡大するワケ 現代の需要の傾向とは?
しかし、一方でいまじつは大きな注目を集めているのが、「住宅リフォーム」市場だ。矢野経済研究所の予測では、2020年には2010年比で35%増の8兆円規模にまで伸長するという。「オリコン日本顧客満足度ランキング2014」のリフォーム部門受賞の「大阪ガス」リビング営業部担当者も、「リノベーション/リフォームに対する需要は年々高まっていることを実感しています。システムキッチン・システムバスなどの リフォームでは、省エネやバリアフリー等の興味が高まっているように感じます」とのこと。
また、株式会社リクルート住まいカンパニーが展開する不動産・住宅情報サイト「SUUMO」編集長の池本洋一氏は、年々リノベーションのニーズが高まってきているといい「ベースとなる中古物件を安く買って リノベーションするということが賢い選択肢として広まるかもしれません。リノベーションというワードがオシャレなワードとして認知されつつあると感じています」と、さらなる市場拡大に期待を寄せている。
背景には、日本の住宅ストック数が全世帯数を上回る状況のなか、既存の建物を有効に活用したいと考える人が増えていることや、食事をするにしてもお酒を飲むにしても、「外より内」という流れが出てきている状況下で、自分の家をより自分に合った快適なものにしたいと思う人が多くなっているなど、様々な 要因が考えられている。またその需要が、リノベーション/リフォーム関連会社の提供するもの、サービスの充実を生み、さらにそれがまた需要を呼んでいるという部分もあるようだ。
リフォーム経験者とこれからの希望者の声を紹介
一方、リノベーション/リフォームを希望する人では、「設備や機器を一新したかったから」が39.7%で 1位となり、経験者と同じだったが、2番目には「生活動線上、より使い勝手を良くするため」が35.3%で 2位(経験者では16.0%で3位)となり、「古くなった見た目を一新するため」は29.7%で3位。希望者は、経験者以上に機能を重視しているようで、未経験者が4番目に多く上げたのも、「スペースを広げるため」が19.0%と、どちらかといえば使い勝手が良くなることをより考えていることがうかがえる。
リノベーション・リフォームしたい場所は「キッチン」「トイレ」が1、2位に
今回の調査から、より機能面を重視してリノベーション/リフォームしたいと思っている人が多く、それは、リノベーション/リフォームしたい場所1位に「キッチン」が輝いたことでもよくわかる結果となった。オリコンでは、さらなる実態を探るべく、昨今の住宅リフォーム事情について、国内で初めてシステムキッチンを発売したクリナップ株式会社の「おいしい暮らし研究所」赤城由佳氏に取材を敢行。とくにキッチンの需要についてお話をうかがったのだが、やはり赤城氏も、「家事の簡便化、時短、外部化」と、現在のトレンドを強く感じているとのこと。
「キッチンに対する需要は増加傾向にあると感じています。その理由として、夫婦ともに仕事をしている、自分のスタイルで家事を行っている、または食事の味を追求するだけでなく、食にまつわる様々なモノ・コトにも目を向けるなど、キッチンや料理の価値観が変化してきています。それに伴い、今までのキッチンでは対応しにくくなる状況が見られ、利便性やデザインセンスなどご自身の生活価値観が表現できるキッチンを手に入れる傾向にあります。」(赤城氏)。
同社の調査では、「家事よりも子供ごとには時間を割く」傾向があることが分かり、実際に30代ではキッチンリノベーション/リフォームで「料理が楽しくなった」「過ごす時間が増えた」「家族があつまる時間が増えた」「ホームパーティーの機会が増えた」などキッチンを中心に暮らし方が変化したというデータもあるそうだ。
人気ランキング上位の話題の商品、会社とは?
■調査対象:全国20代〜40代、持家、既婚者男女、リフォーム経験者&リフォームを予定/興味がある
■サンプル数:リフォーム経験者:200サンプル リフォーム予定/興味あり:300サンプル 合計500サンプル
■調査期間:2015.8.11(金)〜8.17(月)調査手法:インターネット調査 調査機関:オリコン・モニターリサーチ(外部サイト)