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任天堂など大手企業からも熱い視線 知られざる“ゲーム実況”の世界
ゲーム実況に影響を与えた『ゲームセンターCX』
「闘会議2015」広報担当者は「実況動画の投稿は、『niconico』のサービスがスタートして1、2年目の2008年頃にはすでにありました」と振り返る。2008年は今に続くカリスマ実況者が数多くデビューした時期で、当時すでに有名実況者も出始めており、ゲーム実況動画が再生回数上位にランクインすることも珍しくなくなっていた。さらに2011年より「ニコニコ生放送」を通してリアルタイムで実況ができるようになったことも勢いを加速させ、『ニコニコ超会議』に設けられた「超ゲーム実況」ステージは、数千人を集めるほどの盛況ぶりとなっている。
そしてその盛り上がりは『niconico』内だけにとどまらなかった。ゲームソフトの動画の配信には原則として著作者の許諾が必要となるため、著作権フリーの自作ゲームの実況動画が人気を集めたが、後に実写映画化された『青鬼』など、動画のヒットをきっかけに商用展開されるソフトも登場。また、ゲーム実況ユニットでありながら、音楽制作ユニットとしても活動していた「M.S.S.Project」は、実況で人気を集めた後の2014年2月に発売した音楽アルバム『M.S.S.Phantom』がオリコン初登場TOP10入り(最高8位/累積1.7万枚)を果たすなど、CDセールスでもその人気ぶりを証明した。
実力よりもトーク力で人気 カリスマ実況者たち
そのため、ファン層はゲーム好きはもちろん、普段ゲームをやらないようなライトな層も目立つという。イベントに女子高生のファンがつめかけるなど、アイドル的な人気を獲得する実況者も。確かに先日、ユーザーを招いて実施された「闘会議2015」の発表会見では、出演者が発表されるたびに女性ファンから歓声が上がっていた。逆に言えば、ゲーム実況を入り口としてゲーム人口自体が増える可能性もあるのだ。
任天堂は自社著作物の動画投稿を許諾
今回初開催となる「闘会議2015」には、特別協賛の任天堂のほか、ソニー・コンピュータエンタテインメント、スクウェア・エニックス、バンダイナムコゲームスといった大手メーカー、さらにデジタル分野で勢いを伸ばしてきたガンホーやコロプラなど、多くの企業が参加。『niconico』ユーザーやゲームファン以外にはまだなじみが薄いジャンルかもしれないが、より幅広い層へと認知が広がることが予想される。ゲーム実況がゲーム業界全体を活性化させる起爆剤となるか、今回の「闘会議2015」が試金石となるだろう。