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アラフォーだけじゃない “イケメン枠”にとらわれない20代若手俳優たちの活躍
◆出演作が続くことで 絶え間ないメディア露出
ドラマ『MOZU』(TBS系/WOWOW)で猟奇的なキャラクターを怪演し、独特な存在感が観るものを惹きつけた池松壮亮も、今年『紙の月』や『バンクーバーの朝日』『ぼくたちの家族』『春を背負って』などの大作のほか、『愛の渦』『海を感じる時』といったシリアスな個性派作品にも出演。やはりドラマへの出演が大きいが、映画ファンだけでなく一気に一般層に名前が知られる存在になった。池松も子役から活躍してきた俳優だ。2001年、10歳のときにミュージカル『ライオン・キング』のヤングシンバ役でデビュー。その後は、ハリウッド映画『ラストサムライ』やNHK大河ドラマ『風林火山』などに出演。子役としてキャリアを積むが、近年は、『横道世之介』や『上京ものがたり』、『愛の渦』など、そのときどきに演じられる等身大の役と出会ったことで、自然と大人の俳優へと変化できている。ちょっとダメな人間を自然に演じられるということも、子役からの脱皮には有利だったのだろうか。今では自身の立ち位置をしっかりと確立しつつある。
『海月姫』が12月27日から公開される菅田将暉も池松と同じく、ダメな役で一皮むけた俳優だろう。ジュノンスーパーボーイのファイナリストで仮面ライダーシリーズにも主演という、イケメン俳優のエリートコースを通ってきた菅田だが、2013年に出演した『共食い』で、女性に暴力をふるう父と同じ血が自分にも流れているのではないかと恐れる高校生・遠馬を演じたことで、“イケメン”の殻をうまく破った。その後も『そこのみにて光輝く』のようなシリアスな作品と、『海月姫』のようなポップな作品を縦横無尽に駆け巡っている。演技への評価も高く、この先の進む道が楽しみな俳優。
◆日常からはみ出た役に挑み 役者の階段を上る
『Nのために』(TBS系)のほか、映画出演も続いている窪田正孝もオーディションを経て芸能界入りした。その後、『チェケラッチョ!! in TOKYO』(フジテレビ系)で主演デビューを果たし、『ケータイ捜査官7』(テレビ東京系)では三池崇史にその才能を見込まれ、『十三人の刺客』でも仕事をしている。その後もNHK大河ドラマ『平清盛』で松山ケンイチ演じる清盛の嫡男・重盛を凛々しく演じるなど注目を集める。単発のドラマでは犯人などアクの強い役を演じることもあるが、朝ドラ『花子とアン』の朝市のような善良な男の子にもなれる。どちらの役を演じても、見る人にインパクトを与え、印象に残ることができるのが彼の特徴だろう。
この5人に共通するのは、普通の男の子を演じることもできれば、鬱屈した暗さやダメさも表現できるところだろうか。学生役から大人の役へと変化をとげる年齢にある彼らだが、日常からはみ出た役に挑むことで、大人の役者への階段を着実にかけ上ることができているのかもしれない。ほかにも目を引く俳優はドラマ、映画シーンに数多くいるが、そのなかでもとくに一歩を踏み出して目立った活躍をみせた彼ら。次なるスターを目指して今まさに躍進中。そんな成長まっただなかの若手俳優シーンも今年は熱かったのだ。