2016-11-04
「週刊少年ジャンプで連載中の『僕のヒーローアカデミア』(ヒロアカ)が超おもしろいんですよ」と熱く語る人気モデルのmamの発言に、「1巻しか読んでいないんですが、僕もハマりそうなんです」と追随する同じくモデルでタレントのこんどうようぢ。そんなふたりが、最新11巻発売の激アツのタイミングで集英社の週刊少年ジャンプ編集部を突撃訪問!多忙を極める『ヒロアカ』担当編集者の門司健吾さんに、最新11巻のおすすめポイントやキャラクター作りの秘話などを徹底取材!ここだけの話を聞き出しちゃいました!!
人気モデルとして活躍中のmamとこんどう。ファッション誌の編集部は訪問したことがあるが、漫画雑誌、しかも数々のヒット作を世に送り出している週刊少年ジャンプの編集部を訪れるということで、やや緊張気味。期待と不安が入り交じるなか『ヒロアカ』担当編集者の門司さんをたずねると、「汚いですよ」と照れ笑いを浮かべながら編集部内を案内してくれた。熱烈な『ヒロアカ』ファンであり、集英社に到着する前からそわそわしていたmamは満面の笑み!門司さんに連れられてやって来た編集部を見るなり、こんどうとともに思わず「おー」とテンションが上がっていた。
続いてデスク周りに案内されると、そこはネームやゲラ、完成した単行本など、ふたりにとって好奇心をくすぐられる玉手箱のような世界が広がる。「全部気になる〜」というこんどうの発言を皮切りに、矢継ぎ早に「漫画家さんとの原稿のやりとりって今はどうやっているんですか?」「ジャンプって人気作品から順番に並んでいるんですか?」「雑誌の紙の色はどうやって決めているんですか?」などふたりで門司さんを質問攻めに。
さらに、実際に『ヒロアカ』の生原稿を見せてもらうという超貴重な体験に、ふたりの興奮度はMAX!製本前のページを初めてみせてもらい、ジャンプが完成するまでの流れを教えてもらうと、より漫画誌への興味が深まったようだ。
編集部の見学を終えると、場所を会議室に移していよいよ『ヒロアカ』の魅力に迫る人気モデルVS担当編集者のディープなトークが始まった。まずmamもこんどうも気になるのは門司さんの作品評。どこに一番魅力を感じているのだろうか。
門司 最初に読んだときは、熱量がすごいって感じましたね。魂込めて描かれた画というのですかね、圧倒的な迫力に驚きました。こういうのを描いたらウケるんだろうという気持ちではなくて、作家の内側から出てくるものを身を削って描いている感じがひしひしと伝わってきます。
こんどう わかります!画にも物語にも、本当に勢いがありますよね(目の前に並んでいる1〜10巻の単行本をめくりながら)。男子なら誰もが憧れるヒーロー物語なんですけど、ちょっと変わったキャラクターたちがたくさん出てきて。“能力系”って少年漫画の王道かもしれませんけど、男の子の夢がいっぱい詰まっていますよね。そのなかで、個性がない主人公がひとつのことに対して一生懸命がんばっている姿や、バカが付くぐらい真面目に取り組む姿勢に感動しました。
mam 私も画がすごく好きなんです。力強くて迫力があって、ヒーローの熱い気持ちが伝わってくるようで。キャラクターは一人ひとりみんな個性が強くて、考えるのって大変なんだろうなって思っていました。どうやってキャラクターは生まれてくるんですか?
門司 堀越(耕平)先生が、連載を始める前からけっこうストックしていたのですが、新キャラについては、基本的にこちらから言うのは「こういうキャラが見たいです」とか「展開に合わせてライバルを出しましょうか?」という相談ぐらいですね。ネームで初めてデザインを見て「なるほど!」となることが多いです。
担当編集者から直接聞いた『ヒロアカ』の魅力に大いに頷くこんどうとmam。そんななかでも、ディープなファンのmamが気になるのが、作り手である門司さんの推しキャラだ。
門司 いや〜難しいですよね。みんな思い入れがあるので……。でも、あえていうなら梅雨ちゃんが好きですね。
mam (興奮気味に)私も梅雨ちゃんが一番好きなんです!ヒーローネームもかわいいですよね。たしか「梅雨入りヒーロー《フロッピー》」。自分の売り出し方がわかっていて、とってもキュート。女の子も男の子も好きになれると思います。
こんどう どれどれ?(単行本を開いてmamに教えてもらう)あー、1巻で50メートル走を走っていたキャラクターか!ビジュアルもかわいいよね〜。この先活躍するの?(単行本をパラパラめくる)
門司さんの推しキャラを教えてもらったものの、mamのキャラクター愛は尽きず、単行本をめくりながら次々と推しキャラの話が続く。つられるように、こんどうも単行本を手に取り、その世界観を満喫する。第1巻から熱量MAXの展開が続く『ヒロアカ』だが、ふたりのなかにある疑問が生じた。それは「ぶっちゃけ、門司さんが『これはヒットする』と確信したのはいつなのか」。
門司 連載開始当初から「これは来るぞ」とは思っていましたが、2巻の爆豪(勝己)との戦闘訓練でやり合う話を見て間違いないなって思いましたね。あそこが初期の一番の盛り上がりかなって。作家が魂を込めたと言いましたが、そこに込められた熱量が異次元で、ネームを見てヤバいって思いました。
mam あの回はやばいですね!!
門司 おもしろいネームを見たときって「ウォー」ってテンション上がるんですね。打ち合わせした内容よりおもしろいネームをあげてくれるのがすごい作家さん。力のある人ってこちらの予想をいつも超えてくるんです。
担当編集者の生の声を聞いて『ヒロアカ』の世界観に心酔し始めてきたこんどう。mamはさらに作品愛を深めている様子で「ここだけでしか言えないトリビア的な話」を門司さんにおねだりする。
門司 すごくどうでもいい話なんですが(笑)、第3話で、雄英高校ヒーロー科の卒業生は、オールマイトやエンデヴァー、ベストジーニストなどになっているという下りがありますが、あれはネームだとベストジーニストが違うキャラクターになっているんです。確かもともとは力士っぽいキャラクターだったのですが、ちょうどその時期に『火ノ丸相撲』が始まっていい感じになっていたので、それを揶揄していると思われたら嫌だからって堀越先生が気にして変更したんです。
mam やっぱりそういう配慮とかもあるんですね。いいお話聞きました!
門司 僕は考えすぎかなって思いつつも、先生の気持ちを優先させました。
こんどう けっこうそういうことってあるんですか?
門司 堀越先生は、ネームを出したあと、上がってきた原稿のセリフとかコマの構図が変わることがよくありますね。それって、最後まで作品をより良くしようという気持ちの表れだと思うんです。当たり前ですけど、気が緩むことなく常に本気でやっている、決して手を抜かないということですよね。
作家のこだわりと熱量が良作を生む……。そんなことを感じ取ったふたり。巻数が進むにつれ、どんどん作品の世界観に引き込まれていく。10巻まで何度も読み返しているというmamにとって当然気になるのが11月4日発売の11巻の門司さんが注目するポイントだ。
門司 11巻はとんでもない巻になる予感がしています。オール・フォー・ワンという悪の権化と、オールマイトというナンバー1ヒーローが激突する話なのですが、アクション、ストーリー展開、ドラマもグッとくる話が続くんです。正直、ここで物語が終わっちゃうんじゃないのっていうぐらいテンションが高い巻になっています。初版限定にはピンナップもついてくるので、そこにも注目してほしいですね。
mam すごい楽しみです。絶対初版で買います!
こんどう 発売までに10巻まで読まないと!
『ヒロアカ』キャラ話や最新11巻のおすすめポイントまで聞くことができ、大満足のこんどうとmam。とくに作品に登場する個性豊かなキャラクターに魅了されたふたりは、恐れ多くも『ヒロアカ』に「こんなヒーローを登場させたい」という直談判に出た!
mam 私は双子の姉妹モデルなのですが、双子のヒーローとかどうですか?ふたりが対になる能力を持っていて。例えば闇の能力と、光の能力を持つ双子が、それぞれの個性をカバーしながら一緒に戦うことで力を発揮するっていう……。本当に登場したら嬉しいです!
門司 それはおもしろい発想ですね。使われるかはわからないですが(笑)。
こんどう 僕は歌うのが好きなので音が武器になるヒーローとか。
門司 実は……音で戦うキャラクターはもういます(笑)。
こんどう そっかー。じゃあ、メンズのファッションモデル系とか……。戦う能力ってなんだろ!? SNSのフォロワーさんたちが助けてくれる(笑)?やっぱりキャラクターを考えるのって難しいですね。
門司 出会いなんですよね。ずっと考えていてもいいアイデアがまったく浮かばないこともあるし、思い付きでぱっと出てきたキャラクターがおもしろくなっていったりもします。
門司さんは、堀越先生の魅力を「画がうまいのはもちろんなのですが、ただ単に画力が高いというだけではなく、その熱い物語とともに感情を揺さぶる表現を伝えられる画なので、その熱量が読者に伝わる」と解説。作品の大ファンであるmamも「主人公の(緑谷)出久のキャラクターの芯の強さに心を打たれ全巻そろえました」と熱量あるキャラクターに惚れ込んでいる。門司さんとmamの熱いトークに負けじと『ヒロアカ』初心者のこんどうも「濃いキャラクターたちがどう成長していくか早く知りたい」とすっかりファンになってしまったようだ。
緊張しました〜。11巻の話も聞けましたし、今後の展開にも期待が膨らみました。私は自分が興味あることや好きなことだと、テンションが上がりすぎて緊張してしまって、突然「パン」って頭の中が空っぽになってしまうタイプなんです。今回もうれしすぎてそうなってしまいました(笑)。
普段見ることができないような編集部の雰囲気を感じとることができて、大好きな『ヒロアカ』編集者さんと漫画家さんとの関係を垣間見ることができて、作品の裏話を知ることもできて、興奮し過ぎてあまりしゃべれませんでした(笑)。今でも女の子ファンは多いと思うんですけど、読んでみたらハマってしまうという私みたいな人も多いと思うんですよ!
mam(まむ)
1993年12月7日生まれ。
姉・mam(まむ)と妹・mim(みむ)のリアル双子ユニット・mimmam(みむまむ)として2013年8月デビュー。モデル、タレント、アーティストとして幅広く活動中。パーソナルブック『mimmam』発売中。
https://twitter.com/mam_11_11
漫画の編集部に入れていただいたのは初めてで、僕が大好きな『HUNTER×HUNTER』や『バクマン。』も担当されていた門司さんとお話しできてすごくいい体験になりました!昔は少年漫画はけっこう読んでいたのですが、ここ10年ぐらい遠ざかっていたんですね。でも『ヒロアカ』は1巻読んでいい漫画だなって思っていて、今回いろいろな話を聞かせていただいて「絶対全部読むぞ!」って意を強くしましたし、もっともっと作品のことを知りたいと思いました!
自分はなかなか一歩を踏み出せないタイプなので、主人公がこの先、どう成長していくのか楽しみです!この漫画から勇気をもらおうと思いました。
こんどうようぢ
1992年12月25日生まれ。大阪府出身。
ジェンダーレス系男子と呼ばれる独自のファッションセンスが女子中高生を中心に人気を集めている。4月22日自身のブランド『DINGラフォーレ原宿店 OPEN』。歌手、デザイナー、タレントとしても活動中。
https://twitter.com/yohdiworld
(文:磯部正和/撮り下ろし写真:逢坂 聡)
誰もが何かしらの超常能力“個性”を持つようになった世界。だが、その力は必ずしも正義のためのものではなかった。避けられぬ悪は存在する。そんな世界で、個性を悪用する者を圧倒的な力で取り締まるヒーローは世の中の憧れの存在となっていた。
主人公・緑谷出久もまたヒーローになることを夢見る少年だったのだが……!?
僕のヒーローアカデミア【11】
堀越耕平
定価:本体400円+税
発売:11月4日(金)
公式サイト>>
©『僕のヒーローアカデミア』堀越耕平/集英社
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