2015-02-26
冬の終わりも近づいてきた今日この頃だが、日本で春といえば、新生活が始まる季節。年度が改まり、進学、就職、転勤に引っ越しなど、これまでの日常に少し変化が生まれる。こんなときに誰もが気になるのが、家電。真新しい商品とともに、新たなスタートを切るというのは、なんだか想像しただけでワクワクしてくる。もちろん、区切りの時期でなくても、お買いものがとても楽しいものであるのは言うまでもない。
その家電だが、いま市場では、「ハイエンド」「プレミアム」な商品がとても好調と言われているのをご存じだろうか。安さよりも、求めるものをしっかりと備えているかどうか。アベノミクス効果なのかはわからないが、「こだわり」こそが、買う際のいちばんの判断条件になっているようなのだ。
実際、ORICON STYLEで20〜50代の男性500人に家電について調査を行ったところ、62.6%もの人が、「自分のこだわりに合った家電は、多少高くても購入する」と答えた。
しかも商品別に購入可能な最大価格も聞いてみると、テレビは全体の平均が13万200円に対し、こだわりのある人では17万4900円、オーディオでは8万5800円に対し、14万7300円、コーヒーメーカーでは1万8600円に対し、7万8500円などと、いずれも大きく跳ね上がる。本当に気に入った商品なら、お金は出し惜しまないという傾向が如実に表れている。
このような現在のトレンドを、家電の専門家はどのように見ているのか。IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志さんにうかがってみると、「一言でいうと、『価値観の多様化』だと思います」と分析する。
「かつては、テレビに洗濯機に冷蔵庫にと、家の“あるべき姿”がありましたが、いまはそれがなくなり、価値観が多様化しています。たとえば、1人暮らしの若者の家にはテレビがなく、テレビパソコンやワンセグで済ませてしまうという人もいます」
そして、「ないもの」が出てきた一方で、「あるもの」にも変化が出てきているのだと、安蔵さんは言う。
「これまでは『多機能化』『小型軽量化』を中心にブラッシュアップしていけば製品が売れてきたのですが、いまは、例えばインテリアにこだわる人の場合、『デザインの悪い製品は絶対に置きたくない』など、いくら高性能で多機能でも、好みに合わないものは買ってくれません。逆に機能はシンプルでも、高性能でデザインが良ければ、価格は高くても買ってくれるのです」
生活インフラやライフスタイルが成熟してきたことにより、それぞれの人のなかでの必要なもの、欲しいものの取捨選択が進み、お金をかけるべきところと、かけるべきでないところの判断の仕方も、成熟してきたということなのだろう。
そんななか、オリコン編集部が注目している3つの「プレミアム家電」を紹介。安蔵さんが評論してくれた。
安蔵さんは、この掃除機の良さは、「収納時のすっきりとしたデザイン」にあると言う。 「スティック型掃除機は、収納時のスタイルと充電方法が大きな課題で、それを高い次元で解決したモデルだと思います。収納すると塔のような充電台と掃除機が一体になった、今までにないデザインが面白い。また、充電代が空気清浄器として使えるというのが魅力」」
この「おひつ御膳」は「かなり思い切ったモデル」と、安蔵さんは評価する。「一度に炊く量は2合で充分という人が多いそうです。そこで、2台までの少量に特化しておいしく炊くというのが、モデルのコンセプト。さらにおひつ部がセパレートになるため、炊いたご飯をそのまま食卓に持っていけるというのも、新しいライフスタイルの提案」
ブラウンが昨年11月から発売を開始し、2月にフルラインナップが揃う、シリーズ7以来8年ぶりのシェーバー最上位機種。実際に同商品を使ってみた安蔵さんは、やはり第一に、「剃る能力のアップ」について言及する。
「ブラウンのシリーズ9については、従来モデルの最上位機種シリーズ7に比べて、一回のストロークで効率的にヒゲを剃れるようになったことは確かです。さまざまな方向に生えているくせヒゲをしっかりと起こしてカットするところに、新開発の『人工知能デュアル連動刃』が生きているのではないでしょうか」。それにより、相反すると考えられていた“肌への優しさ”と“深剃り”の両立を実現できたのだ。
ブラウンの60年にもわたるシェーバーづくりの経験とノウハウを存分に注ぎ込んだ最高峰モデルだけに、そこに搭載されたテクノロジーはものすごい。従来1つだったトリマーから、世界初の新技術である、高度に特殊化された連動する2つのトリマー、あらゆるくせヒゲをとらえてカットする「くせヒゲキャッチ刃」、寝たヒゲを持ち上げカットする「極薄リフトアップ刃」を搭載した「人工知能デュアル連動刃」の剃り味は、安蔵さんの使用感にも表れているように抜群。
もちろん、シンプルで普遍的なブラウンデザインの確立に貢献した、インダストリアルデザイン界の巨匠ディーター・ラムスから継承したDNAが凝縮した同デザインに加え、持ちやすさと使いやすさをも追求したデザインクオリティも、安蔵さんが感じた剃りやすさにつながっているのだろう。
調査名『家電に関する意識・実態調査』
調査期間:2015年1月28日(水)〜2月2日(月)
調査地域:全国
調査対象:20代〜50代男性500サンプル
調査方法:オンライン調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ(調査企画:株式会社oricon ME)