『アナと雪の女王』、『ベイマックス』と日本でも大ヒットしたディズニーの長編アニメーションの新作『ズートピア』が23日より公開される。その舞台は、動物たちが人間のように暮らす楽園。言葉を話す動物たちの映画といえば、ディズニーのお家芸だ。製作総指揮をとるジョン・ラセター氏は、監督のバイロン・ハワードとリッチ・ムーアの両氏に「誰も見たことのない動物映画を作る必要がある」とはっぱをかけたという。
ディズニーは、創業から92年におよぶ歴史の中で、ミッキーマウスが初登場する『蒸気船ウィリー』(1928年)に始まり、『バンビ』(42年)、『ライオン・キング』(94年)など、動物をテーマにした冒険ファンタジーの数々を世に送り出してきた。
「過去の名作に尊敬の意を表しながらも、私たちは新しく、違った形で、さらに深いところへ飛び込むことにしたのです」(ハワード監督)。
しかも、この挑戦は大きな実を結ぶ。3月4日に全米公開された同作は、『アナ雪』『ベイマックス』を上回る全米オープニング興行成績で、公開週末No.1の大ヒットスタートを切り、ディズニー・アニメーション作品としても異例の3週連続1位を獲得。全米のみならず、中国など世界各地で大ヒットしているのだ。
『ズートピア』で描かれるのは、肉食動物も草食動物も、大きな動物も小さな動物も、平和に暮らしている世界。服を着て二本足で歩き、家族を持ち、通勤し、ハイテク機器を駆使するが、“種特有の動物らしさ”も失っていない。
主人公ジュディに抜てきされたのはアナウサギ。ズートピア警察署に勤務するジュディは、サイやカバなどの大きな動物にも負けず、ウサギ特有の俊敏さ、瞬発力を生かして、警察学校をトップの成績で卒業した新米警察官。温和で几帳面な性格で人なつっこく、繁殖力旺盛なアナウサギの特徴は、映画の中にも反映されており、几帳面さが存分に発揮される場面や、ジュディ一家がとんでもない大家族である場面も出てくる。
一方で、頭を上げて近づくものを凝視する習性を持つスイギュウは、眼光鋭く、強烈な威圧感のある警察署長に起用された。小さなウサギに事件捜査はできないと決めつけ、彼女の能力をなかなか認めようとしないキャラクターを見事に演じている。
動物たちの生態、習性などのリアリティを追究して生まれたキャラクターと、ストーリーにも関わってくる絶妙なキャスティングは、これまでのディズニー映画になかったものだ。確かに、「新しくて、違った形」と言える。
さらに深いところは、「あらゆるタイプの動物たちが共生しているズートピアで起きることは、人間社会に置き換えて語ることができます。逆に、扱いづらい題材も動物の姿を借ることで描きやすくなり、幅広い人に伝えることができることもあります。そこに、ファンタジーの力を感じますね」(ハワード監督)。
ズートピアの住人たちの姿を借りて、私たち人間も「性別、年齢、学歴、出身地、見た目…そんな“違い”から生まれるさまざまな偏見の中で生きて」いるということを描いた本作。「もし、その“違い”を個性として認め合うことができたら、私たちの人生はもっと豊かになる」とは、子どもの頃にいじめられた経験を持つ二人の監督の共通の願いでもある。
「映画を観ながらジョークに笑ってもらったり、ジュディたちの大冒険にハラハラ、ドキドキしてもらったり。また、観終わった後には、よりよく暮らすためにどうしていったらいいか議論してもらったり、偏見についてそれぞれの考えをぶつけ合ってもらってもいいですね。生きていればいろいろ悩みも生じるし、困難にぶつかることもあると思います。もし、この映画を観て、この世の中に対して少しでも希望を持っていただけたら、作り手としては何より幸せです」(ハワード監督)。
ディズニーは、創業から92年におよぶ歴史の中で、ミッキーマウスが初登場する『蒸気船ウィリー』(1928年)に始まり、『バンビ』(42年)、『ライオン・キング』(94年)など、動物をテーマにした冒険ファンタジーの数々を世に送り出してきた。
「過去の名作に尊敬の意を表しながらも、私たちは新しく、違った形で、さらに深いところへ飛び込むことにしたのです」(ハワード監督)。
しかも、この挑戦は大きな実を結ぶ。3月4日に全米公開された同作は、『アナ雪』『ベイマックス』を上回る全米オープニング興行成績で、公開週末No.1の大ヒットスタートを切り、ディズニー・アニメーション作品としても異例の3週連続1位を獲得。全米のみならず、中国など世界各地で大ヒットしているのだ。
『ズートピア』で描かれるのは、肉食動物も草食動物も、大きな動物も小さな動物も、平和に暮らしている世界。服を着て二本足で歩き、家族を持ち、通勤し、ハイテク機器を駆使するが、“種特有の動物らしさ”も失っていない。
主人公ジュディに抜てきされたのはアナウサギ。ズートピア警察署に勤務するジュディは、サイやカバなどの大きな動物にも負けず、ウサギ特有の俊敏さ、瞬発力を生かして、警察学校をトップの成績で卒業した新米警察官。温和で几帳面な性格で人なつっこく、繁殖力旺盛なアナウサギの特徴は、映画の中にも反映されており、几帳面さが存分に発揮される場面や、ジュディ一家がとんでもない大家族である場面も出てくる。
一方で、頭を上げて近づくものを凝視する習性を持つスイギュウは、眼光鋭く、強烈な威圧感のある警察署長に起用された。小さなウサギに事件捜査はできないと決めつけ、彼女の能力をなかなか認めようとしないキャラクターを見事に演じている。
動物たちの生態、習性などのリアリティを追究して生まれたキャラクターと、ストーリーにも関わってくる絶妙なキャスティングは、これまでのディズニー映画になかったものだ。確かに、「新しくて、違った形」と言える。
さらに深いところは、「あらゆるタイプの動物たちが共生しているズートピアで起きることは、人間社会に置き換えて語ることができます。逆に、扱いづらい題材も動物の姿を借ることで描きやすくなり、幅広い人に伝えることができることもあります。そこに、ファンタジーの力を感じますね」(ハワード監督)。
ズートピアの住人たちの姿を借りて、私たち人間も「性別、年齢、学歴、出身地、見た目…そんな“違い”から生まれるさまざまな偏見の中で生きて」いるということを描いた本作。「もし、その“違い”を個性として認め合うことができたら、私たちの人生はもっと豊かになる」とは、子どもの頃にいじめられた経験を持つ二人の監督の共通の願いでもある。
「映画を観ながらジョークに笑ってもらったり、ジュディたちの大冒険にハラハラ、ドキドキしてもらったり。また、観終わった後には、よりよく暮らすためにどうしていったらいいか議論してもらったり、偏見についてそれぞれの考えをぶつけ合ってもらってもいいですね。生きていればいろいろ悩みも生じるし、困難にぶつかることもあると思います。もし、この映画を観て、この世の中に対して少しでも希望を持っていただけたら、作り手としては何より幸せです」(ハワード監督)。
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2016/04/17