ドラマ&映画 カテゴリ
ORICON NEWS

7月期新ドラマ『サマーレスキュー』実話を基に描く群像劇〜ドラマスタッフインタビュー

 これまで『たったひとつのたからもの』(04年)、『筆談ホステス 〜母と娘、愛と感動の25年。届け!わたしの心〜』(09年)など実話を基にした単発ドラマでヒット作を生み出した志村彰プロデューサーが今回手がけるのは実在する、高地にある診療所を舞台にした群像劇。志村氏はサスペンスに流れがちだった医療というテーマと真剣に向き合うドラマを作りたいと語る。

数々のヒット作を生み出した志村彰プロデューサー

数々のヒット作を生み出した志村彰プロデューサー

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


■「サスペンスに流れがちな医療というテーマに対して原点から向き合う」

 数々の名作ドラマを送り出してきたTBSの日曜劇場の枠で、7月から温もりに満ちたヒューマンドラマ『サマーレスキュー〜天空の診療所〜』が放映される。標高2000メートルを超える高地にある診療所と、隣接する山荘を舞台に、医師、医学生、ナースたちが、それぞれに悩みを抱えながら、医療とは何かを体感していく、ひと夏の群像ドラマ。実話から題材を採った内容で、向井理の主演も話題になっている。

「以前、あるドキュメンタリー番組を見たのが企画の発端です。それは40年以上も高地で医療活動をしている診療所に焦点を当てたもので、是非ドラマにしたいと思い、去年の2月にTBSにお話をしたのがきっかけです」(チーフプロデューサー ジ・アイコン代表 志村彰氏/以下同)

 企画を立ち上げた直後に東日本大震災が発生し、日本人全員が生命の大切さを再認識したことがドラマ実現のための大きな力になったという。

「最近は、医療を題材にするとサスペンスに流れがちですが、もう一度、原点に戻って、医術とは何かを考え、真剣に医療と向き合うドラマを作りたいと考えました。企画自体は1年半前に上がっており、その時点ですでに向井理さんを主演にしたいと考えました。ただ当時は大河ドラマ『江〜姫たちの戦国』に出演していたので、彼のスケジュールから、放映も必然的に今年の7月となりました」

 志村プロデューサーは、向井理と仕事をするのは初めてだったが、これまでの演技を見て、役柄が彼の個性にぴったりはまると考えていた。

「向井さんの素直さ、透明感がドラマのメッセージを嫌味なく沁みこませます。彼のストレートなアプローチと都会的な雰囲気は、ひと夏を過ごして成長するキャラクターにきっちりシンクロしています」

 初のTBS連続ドラマ主演となる向井理。その個性と化学反応を起こせる俳優たちを共演者に選んだ。NHK連続テレビ小説『カーネーション』での演技が話題を集めた尾野真千子との顔合わせに加えて、ベテランの域に達した時任三郎、さらに小池栄子などが見事なアンサンブルを繰り広げる。

■人間をきっちり描き込める実話に惹かれる

 1年半という準備期間を取ったことで、ドキュメンタリーの舞台になった診療所を訪れるなど、じっくりと取材をすることが可能になった。そうしたリサーチが、脚本を担当した秦建日子氏の手でリアルなドラマ世界として構築されている。『悪女たちのメス』など、多くのドラマでチームを組んでいることもあり、個性を知り抜いているのでやりやすいと志村氏は語る。

「秦さんはフレキシビリティがあって引き出しが多い。連続ドラマの場合、展開の変更が少なくないのですが、彼は易々と書き替え、前よりもいいものに仕上げます。こういう存在は貴重です」

 本作をはじめ、04年の『たったひとつのたからもの』に『筆談ホステス 〜母と娘、愛と感動の25年。届け!わたしの心〜』など、これまで志村氏の手がけた作品には実話を基にしたストーリーが多い。

「ドキュメンタリーが好きなことも影響しているのでしょうね。漫画や小説に比べて、実話は人間の奥深いところが描けることに惹かれます」

 大学時代に映画に魅せられ、演出の道に進んで多くの作品を経験後、上司からプロデューサーを勧められて現在に至る。脚本家の市川森一氏と組んで生んだ『面影橋・夢いちりん』がプロデューサーとして仕事をしていく決心を固める分岐点となった。

「ドラマは人間を描くことだと考えています。どれだけ共感してもらえる世界を生み出せるかが鍵となります。プロデューサーは俯瞰の眼をもち、スタッフ・キャストを導いていく。これが醍醐味ですね」

 本物の感動をドラマにもたらす、日本のテレビ界に貴重な存在である。(オリジナルコンフィデンスより)

関連写真

  • 数々のヒット作を生み出した志村彰プロデューサー
  • 向井理が主演するTBS日曜劇場『サマーレスキュー〜天空の診療所〜』

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索