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　演劇界で初めて文化勲章を受章し、今月10日に老衰のため亡くなった俳優・森繁久彌さんの葬儀・告別式が20日、東京・青山葬儀所で営まれ、小泉純一郎元首相、小林桂樹ら各界著名人を含め約1000人が参列した。喪主を務めた森繁さんの次男・建氏は「天皇陛下から祭粢料（さいしりょう）を拝領したことは、日本人として生まれた父にとって無常の喜び。生前の父に対するご厚誼とご参列に、御礼申し上げます」と感謝を述べた。また告別式後には一般参列者約500人が故人との別れを偲んだ。下記は主な著名人のコメント。

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里見浩太朗
「いろいろありがとうございます。ゆっくり休んでくださいという感じです。たくさん（一緒に）仕事をやってくれたから、そのときの顔が浮かびます。ニコニコ笑うときの方が多かった。芝居はファーストインプレッションで、あまり計算するなってことを教えてもらった。喜劇、悲劇、シリアスをリードしてきた人。そういう部分が消えてしまったのは悲しい」

佐野浅夫
「思い出がいっぱい過ぎて…。『佐野ちゃん、水戸黄門にお呼びがないな』って言って出てくれて、『それだけじゃ終わらないよ』ってそのあとお酒を飲んで、それが唯一の楽しみ。お芝居も観てくれて、『佐野ちゃんが一番良かったね』ってお酒を酌み交わして森繁節を聞いた。調布の居酒屋で飲んだことを思い出します」

中村玉緒
「今日はただお礼を言いに参りました。（夫・勝新太郎の）七回忌のときなど先生が『勝ちゃん、かわいそうに』って言っていただいて。本当に主人がよくお世話になった。忘れないです。本当に寂しいです」

樹木希林
「昔若いとき、向田邦子さんと『森繁さんより自分たちの方が先に逝くよ』と予想していました。最近体調が悪いから私が先かと思ったけど、今回は先を越されました」

加山雄三
「『人生っていうのは大変だな。大変じゃないと面白くない』という声が聞こえてくる。最高に尊敬に値する方で、大好き。ああいう俳優になりたいと思っています。存在自体が我々にすべてを教えてくれる。本当に立派な方です」

加藤登紀子
「森繁先生が作ってくれた「知床旅情」が、私にとってのお守りの歌になった。私は満州生まれなんですけど、満州時代の話をよくお話になっていました。いつもしっかり言葉を伝える歌を歌う森繁先生の心をしっかり受け継いでいければと思います」

伊東四朗
「この世界に入る前からファンで観ていた俳優なので、もう60年近くなる。私の体に“森繁久彌”がいっぱい詰まってる。今までもだけど、これからもそれを少しずつ小出しにしてやっていこうと思う。『あ、“森繁久彌”』って言われないように、目立たないようにやっていきたい」

竹脇無我
「お別れはしましたけど、生意気なことを言うと生きてますからね。別れられない。こういう仕事でお会いしたときを思い出そうと思ったら意外と思い出せない。長い間お世話になりました。もう一度会いてぇ」

小林桂樹
「（共演した）『社長シリーズ』は、森繁さんの力があってのもの。いろんな思い出があります。撮影中にカンニングペーパーを書いて、目を盗んで仕事していましたよ。そういう楽しみがもう無くなってしまいましたね。お世話になりました。勉強になりました」

中村メイコ
「素敵な大人がいなくなった。父親の次に長い付き合いの男性だった。あの人ほど、ひけらかさない昭和の男は知りませんね。いつも笑いを忘れずにいた森繁さんを見習っていきたい」

和田アキ子
「私はどっちかっていうと、お仕事よりも個人的にかわいがってもらった。じいと呼んでましたね。じいは偉い方ですけど、役者が敵わないものは3つあるとおっしゃっていた。子供と素人と動物に演技させたら敵わないって。それがお前だって言われたことがありました。96歳、大往生で良かったと思います」

西田敏行
「地平線の彼方までいっていた大先輩でした。なので、亡くなって寂しい感じがある。太陽が沈んで明るい状態をマジックアワーっていうけど、それを仰いでるような感じがする。残された功績を一歩一歩踏襲していきます」


　森繁久彌