8月4日より毎年恒例の全国漫才ライブツアー『BANZAI TOUR』に出るお笑いコンビ・トータルテンボス。気がつけば今年でコンビ結成15周年。「あっという間だった」という二人、群雄割拠のお笑い界で今後どこを目指すのか。

【写真】その他の写真を見る

　ツアーは8月4日の二人の地元、静岡のしずぎんホール公演を皮切りに全国15ヶ所を回るが、最終公演の場所だけが現時点で決まっていないという異例の事態。胸に秘めた野望は“海外公演”だ。お笑い芸人によるこれまでの海外公演は米ロサンゼルスのリトルトーキョーや中国、韓国の日本人街など現地に住む日本人に向けられたものが多いというが、藤田憲右は「全然日本人のいないところでお客さんも3人とかで、字幕もなし。俺らの核となる漫才でスベりまくって帰ってくる」と期待を込める。

　「めっちゃ面白いし、それでいいかなって。これまで頑張ったご褒美くださいっていうか、後々どこかでこのことを話せればいい」と笑う藤田。「例えばですけど『フィレンツェ公演』とかって言いたいだけ」。大村朋宏も「響きの面白いところに行きたい」と“出落ち”で構わない。

　それなりに芸歴を重ねてきた。藤田は「もう15年か、そんなにやってるんだって印象」と他人事のように振り返る一方で「浮き沈みの激しいこの業界で15年間やれてるっていうのは大きい」と確かな自信も出てきた。「『M-1』を獲ってから緩やかな右肩上がりで、中途半端な安定感がすごい」と今の立ち位置を確かめつつ「1キャリア上がるのが理想で、満足はしてないし向上心もありますけど、現状で言ったら悪かないかなって感じ」と無理な力みもない。

　「ダウンタウンさんのようになりたい」と芸人を志した頃とは考え方も変わった。「やっていくなかで、トータルテンボスとしてはちゃきちゃきガンガンやっていくことに魅力を感じなくなった」と藤田。大村も「誰かっていうのであれば、さまぁ〜ずさん、バナナマンさん、おぎやはぎさんみたいになりたい。いい意味で、ダラダラと2人でくだらないことをずっとやっていけたらいいなって思う」と脱力的な笑いに魅せられた。

　「いつ世間が評価してくれるんだろう」とファンからよく心配されるという大村だが、「まぁまぁ焦らず待ってろよ。いつか絶対認められる日が来るからって思ってる」と焦りはない。「いつか、気付いたらここまで来てたねって位置にいると思うし、自信がある。見る目は間違ってないから、ゆっくり応援しててください」と笑顔で約束した。