俳優の賀来賢人主演で、のりつけ雅春氏による脱力系青春グラフィティの金字塔『アフロ田中』が、WOWOWで連続ドラマ化されることが発表された。賀来は同局のドラマ初主演。金髪ヤンキーで大ブレイクした賀来は、実は「かなりの天パ（天然パーマ）」で、「絶好調の時はアフロなので、田中には共感しかありません」と、気合が入る。

　原作は、『ビッグコミックスピリッツ』（小学館）で2002年から現在まで17年にわたって連載中（コミックス既刊53巻、現在は第6シリーズ「結婚編」を連載中）。どうでも良いような日常や青春の機微を独自のセンスで捉え、ゆる〜いオチで毎話完結していく物語が、サラリーマンや学生をはじめとする全男子、最近では若年女性層まで幅広い支持を獲得している。

　昨年10月期に放送されたドラマ『今日から俺は!!』（日本テレビ）での熱演も記憶に新しい賀来は、金髪ヤンキー・三橋貴志から、アニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の主人公・遊戯にふんしたCMなどで、そのコメディーセンスを遺憾なく発揮。

　本作について賀来は「非常に挑戦し甲斐のある作品だなと。気合いが入りました。脚本も最高なものになっています。現場、間違いなく良い熱量で撮影できております。ぜひ！　期待して下さい！！」と、語っている。

　監督には、庵野秀明総監督『シン・ゴジラ』や大根仁監督『モテキ』などブロックバスターの現場で腕を磨き、音楽ドキュメンタリー映画『ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー』や数々のミュージックビデオ演出、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアトラクション演出までを手がける気鋭の映像作家・石田雄介氏を起用。今回のドラマ化では「上京　アフロ田中」を中心に取り上げる。

　石田監督は「賀来賢人さんと最初に顔合わせをした時のこと。アフロ頭になってもらいビジュアルのチェックをしたのですが、あまりのハマりっぷりに、早くもこの作品の成功を確信した事を覚えています」と、賀来との初タッグに期待を寄せる。

　その時、賀来には「この作品を観ていただく視聴者の皆さんを『ギャグや顔芸で笑わす』のではなく、不器用がゆえに滑稽に見える田中の行動や感情が、どこか視聴者自らにも思い当たる節があり、思わず笑えてしまう、そんな『ほろ苦い笑い』を誘発させたい」と、演出プランを伝えたそう。「彼はその時から、私の意図を的確に汲んでくれて、その器用で繊細な表現力によって撮影中も全くブレずに、主人公・田中広を演じています」と、手応えも十分だ。

　のりつけ氏は、『アフロ田中』の連ドラ化が決まって「うぉー――――!!て感じ。やったー―――!!て感じ」とコメント。主演の賀来に対しては「主人公の田中は『ただ生まれてきたので一生懸命生きてるだけ！』なので、野心も何にもなく、ただただしあわせになりたい、そんな感じが出たらうれしいです」と期待を寄せた。

　同ドラマは、7月、WOWOWプライムで放送スタート（全10話※第1話無料放送）。