映画『バットマン』、『シザーハンズ』、『チャーリーとチョコレート工場』、『アリス・イン・ワンダーランド』などで知られ、鬼才ティム・バートン監督(60)の最新作、ディズニー映画『ダンボ』の劇場上映が29日よりはじまった。
東京ディズニーランドのアトラクション「空飛ぶダンボ」でもおなじみの「ダンボ」は、もともと1941年、ウォルト・ディズニーが贈りだしたアニメーション映画で知られ、ほかのゾウよりも大きな耳をしていたため仲間はずれにされてしまった子ゾウのダンボが、その耳で空を飛べることがわかり、成長する物語。バートン監督はこのディズニー・アニメーションが大好きで、実写映画化の監督を引き受けた。
「アニメーションの『ダンボ』を通して伝えようとしていることに、とても共感した。周りと違うってことで、仲間外れにされたり、短所や欠点とみなされたりすることもあるけれど、違っていることを肯定的にとらえれば、自分にしかない美点になる。実写映画では、それをシンプルに表現しようとインスピレーションが湧きました。ゾウが大きな耳で空を飛んでいる姿がすべてを現してくれています」。
アニメーション版は、“他者との違いを受け入れ、夢と希望を取り戻す”というメッセージをシンプルに描いたストーリー。悲しみに沈むダンボを勇気づけるネズミのティモシーとの友情や、母の愛情にささえられながら、ありのままの自分を信じて大空を舞う姿は全世界で共感を呼び、現在でも愛され続ける不朽の名作となった。
『バットマン』や『アリス・イン・ワンダーランド』など、既存作品を改めて映画化して大ヒットを飛ばしてきたバートン監督。「誰もが知っている作品を映画化するのは、リスクもある。皆さん、それぞれに作品への思いがあるので、僕の解釈をよく思わない、残念に思う人もいるかと思う。それでも『ダンボ』を映画化しようと思ったのは、アニメーション映画の『ダンボ』から僕が受け取ったものを新たな作品として皆さんに伝えることで、新たな観客とつながれたり、鼓舞することができたらいいと思うんです」と、その意義を語った。
ティム・バートン監督による新たな『ダンボ』の物語は、サーカスの新しい看板と期待された子ゾウが、“大きすぎる耳”のため、“ダンボ”と呼ばれ、観客から笑いものにされてしまうが、羽根を吸い込んでくしゃみをした拍子に、その大きな耳で飛べるようになる。空飛ぶ子ゾウのうわさは瞬く間に広がり、大都会ニューヨークの巨大テーマパーク「ドリームランド」へ招かれる。しかし、金儲けを企む興行師によって母ゾウと引き離されてしまうダンボ。ダンボの姿に勇気付けられたサーカス団の仲間たちは、母ゾウの救出作戦に挑む。
本作でバートン監督は、ずっと抱いてきたひとつの夢を実現させている。それは「自分の遊園地を作りたい」。それが、映画後半のメイン舞台となる「ドリームランド」だ。
未来や科学をテーマにしたパビリオンがあったり、動物たちがいるエリアがあったり、1930年代の世界博覧会の建造物があるコニーアイランドを思い起こさせつつ、ちょっと奇妙な感じがする「ドリームランド」。「自分のスタイルで遊園地を作ったら、ああなった」と、バートン監督らしさがよく表れている場面だ。
監督自身、とくにこだわったのが、主人公であるダンボのショーをはじめとするサーカスシーン。かつて飛行船を造っていた巨大な格納庫の中に、全方位を客席が囲む円形ステージをフルサイズで“建設”して撮影が行われた。
劇中で「ドリームランド」を経営しているやり手の興行師ヴァンデヴァーを演じるマイケル・キートンは「撮影現場の建物があまりに大きくて本当に驚いたよ。まるで“球場”だ」と、3、4階建てのビルに相当する高さのある巨大なセットにびっくり。ダンボを助けその運命を握るキーマンとなる曲芸乗馬の元看板スター、ホルトを演じたコリン・ファレルも「セットに足を踏み入れた時、僕の目は涙で満たされた」と男泣きしたという。
巨大セットだけではない。撮影に参加したエキストラは最大で1日850人。世界中から本物のサーカス・パフォーマーが集められ、本気のパフォーマンスを繰り広げた。空中ブランコの女王のコレットを演じたエヴァ・グリーンも「魔法みたいなセットで楽しく演じられたわ。現場で時々思ったの。“これって夢?”とね」と、文字通りの“ドリームランド”に魅了されていた。
サーカスが登場するバートン作品は過去にもあって、『バットマン・リターンズ』、『ビッグ・フィッシュ』、そして『ダンボ』で「サーカス3部作は完結する」とバートン監督。3作品すべてに出演しているダニー・デヴィ―ト(『ダンボ』では、ホルトの所属するサーカス団の団長メディチ役)は、「色鮮やかで夢のような空間だった。映画の壮大なスケールと監督の芸術性を大画面で楽しんでほしい」と、『ダンボ』のサーカスシーンに太鼓判を押す。
さぞかし、バートン監督はサーカス好きなのだろうと思っていたら、「子どもの頃からサーカスは好きじゃなかった」と言うので、拍子抜けした。「動物たちが捕らわれの身となっているのが嫌だったし、ピエロも怖かった。ただ、『こんな家は飛び出してサーカス団の一員になるんだ!』というフレーズがとても好きでね。居場所がないと思っていた人たちに居場所や仕事、夢を与えるという発想が魅力的だと思っていたんだ」。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
東京ディズニーランドのアトラクション「空飛ぶダンボ」でもおなじみの「ダンボ」は、もともと1941年、ウォルト・ディズニーが贈りだしたアニメーション映画で知られ、ほかのゾウよりも大きな耳をしていたため仲間はずれにされてしまった子ゾウのダンボが、その耳で空を飛べることがわかり、成長する物語。バートン監督はこのディズニー・アニメーションが大好きで、実写映画化の監督を引き受けた。
「アニメーションの『ダンボ』を通して伝えようとしていることに、とても共感した。周りと違うってことで、仲間外れにされたり、短所や欠点とみなされたりすることもあるけれど、違っていることを肯定的にとらえれば、自分にしかない美点になる。実写映画では、それをシンプルに表現しようとインスピレーションが湧きました。ゾウが大きな耳で空を飛んでいる姿がすべてを現してくれています」。
アニメーション版は、“他者との違いを受け入れ、夢と希望を取り戻す”というメッセージをシンプルに描いたストーリー。悲しみに沈むダンボを勇気づけるネズミのティモシーとの友情や、母の愛情にささえられながら、ありのままの自分を信じて大空を舞う姿は全世界で共感を呼び、現在でも愛され続ける不朽の名作となった。
『バットマン』や『アリス・イン・ワンダーランド』など、既存作品を改めて映画化して大ヒットを飛ばしてきたバートン監督。「誰もが知っている作品を映画化するのは、リスクもある。皆さん、それぞれに作品への思いがあるので、僕の解釈をよく思わない、残念に思う人もいるかと思う。それでも『ダンボ』を映画化しようと思ったのは、アニメーション映画の『ダンボ』から僕が受け取ったものを新たな作品として皆さんに伝えることで、新たな観客とつながれたり、鼓舞することができたらいいと思うんです」と、その意義を語った。
ティム・バートン監督による新たな『ダンボ』の物語は、サーカスの新しい看板と期待された子ゾウが、“大きすぎる耳”のため、“ダンボ”と呼ばれ、観客から笑いものにされてしまうが、羽根を吸い込んでくしゃみをした拍子に、その大きな耳で飛べるようになる。空飛ぶ子ゾウのうわさは瞬く間に広がり、大都会ニューヨークの巨大テーマパーク「ドリームランド」へ招かれる。しかし、金儲けを企む興行師によって母ゾウと引き離されてしまうダンボ。ダンボの姿に勇気付けられたサーカス団の仲間たちは、母ゾウの救出作戦に挑む。
本作でバートン監督は、ずっと抱いてきたひとつの夢を実現させている。それは「自分の遊園地を作りたい」。それが、映画後半のメイン舞台となる「ドリームランド」だ。
未来や科学をテーマにしたパビリオンがあったり、動物たちがいるエリアがあったり、1930年代の世界博覧会の建造物があるコニーアイランドを思い起こさせつつ、ちょっと奇妙な感じがする「ドリームランド」。「自分のスタイルで遊園地を作ったら、ああなった」と、バートン監督らしさがよく表れている場面だ。
監督自身、とくにこだわったのが、主人公であるダンボのショーをはじめとするサーカスシーン。かつて飛行船を造っていた巨大な格納庫の中に、全方位を客席が囲む円形ステージをフルサイズで“建設”して撮影が行われた。
劇中で「ドリームランド」を経営しているやり手の興行師ヴァンデヴァーを演じるマイケル・キートンは「撮影現場の建物があまりに大きくて本当に驚いたよ。まるで“球場”だ」と、3、4階建てのビルに相当する高さのある巨大なセットにびっくり。ダンボを助けその運命を握るキーマンとなる曲芸乗馬の元看板スター、ホルトを演じたコリン・ファレルも「セットに足を踏み入れた時、僕の目は涙で満たされた」と男泣きしたという。
巨大セットだけではない。撮影に参加したエキストラは最大で1日850人。世界中から本物のサーカス・パフォーマーが集められ、本気のパフォーマンスを繰り広げた。空中ブランコの女王のコレットを演じたエヴァ・グリーンも「魔法みたいなセットで楽しく演じられたわ。現場で時々思ったの。“これって夢?”とね」と、文字通りの“ドリームランド”に魅了されていた。
サーカスが登場するバートン作品は過去にもあって、『バットマン・リターンズ』、『ビッグ・フィッシュ』、そして『ダンボ』で「サーカス3部作は完結する」とバートン監督。3作品すべてに出演しているダニー・デヴィ―ト(『ダンボ』では、ホルトの所属するサーカス団の団長メディチ役)は、「色鮮やかで夢のような空間だった。映画の壮大なスケールと監督の芸術性を大画面で楽しんでほしい」と、『ダンボ』のサーカスシーンに太鼓判を押す。
さぞかし、バートン監督はサーカス好きなのだろうと思っていたら、「子どもの頃からサーカスは好きじゃなかった」と言うので、拍子抜けした。「動物たちが捕らわれの身となっているのが嫌だったし、ピエロも怖かった。ただ、『こんな家は飛び出してサーカス団の一員になるんだ!』というフレーズがとても好きでね。居場所がないと思っていた人たちに居場所や仕事、夢を与えるという発想が魅力的だと思っていたんだ」。
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2019/03/30