TBSラジオ夕方ワイド枠が、24年ぶりに改編される。1995年4月に始まった『荒川強啓デイ・キャッチ!』(月〜金 後3:30〜5:50)が今月末で終了することに伴い、4月から新番組『ACTION』(月〜金 後3:30〜5:30)がスタート。パーソナリティーは日替わりで、月曜から順に脚本家の宮藤官九郎、クリープハイプの尾崎世界観、Creepy NutsのDJ松永、作家の羽田圭介氏、ライターの武田砂鉄氏が務め、アシスタントは、元秋田放送アナウンサーで現在はフリーで活動している幸坂理加が月曜から金曜までを担当する。19日に行われた新番組の会見から、今回の改編にかける思いを探った。
番組プロデューサーの長田ゆきえ氏は「5人のみなさんは、活動の幅がバラバラで、どういう感じでお送りするか楽しみです。共通しているのがアイロニカルな視点を持っていて、日々の違和感をうまく言葉で表現できる。知的好奇心もたっぷりで、人の痛みもわかるので、TBSラジオが好きなリスナーの方にも楽しんでいただけると思います」とパーソナリティーの魅力を紹介。そこから、各曜日のパーソナリティーがあいさつを始めた。
宮藤が「最終的に大沢悠里さんみたいになりたいなと思っているので、その第一歩かなと(笑)。今、自分で言って自分で一番びっくりしている」とレジェンドの名前を出すと、尾崎も「本当にうれしいですね。いつかTBSラジオでやりたいというのが目標だったので、こんなに早くかなうと思ってなくて、戸惑ってもいるんですけど、せっかくのチャンスなので、思い切ってやりたいなと思っています」と意気込み。松永は「『デイ・キャッチ!』という、すごく格も歴史もある番組の後番組のパーソナリティーが、20代のヒップホップDJというのは、デイ・キャッチの一番リスナーが拒否反応を示すのかなと思うので、そこの気持ちも理解して、歩み寄りつつ、愛していただけるような形になれば」と呼びかけた。
続く羽田氏は「順を追って説明しますと、小5から中学受験のための勉強を始めて、近所の塾に母に車で送ってもらっていた。それが1996年くらいで、車の中で『デイ・キャッチ!』が流れていたんです。それがTBSラジオの原体験でした。それから中3になる頃に、『コサキンDEワァオ!』にハマって、そこから『UP'S〜Ultra Performer'S radio〜』とか『JUNK』といった深夜枠にハマって、TBSラジオを能動的に聞くようになりました」と自身のラジオ歴を紹介。武田氏は、自身の物書きとしてのスタンスにTBSラジオが影響を与えていると語った。
「実家がラジオのつまみが(TBSラジオの)『954』に固定されていたので、リスナーというか聞かざるを得なかった環境だったんですけど、さっきプロデューサーさんが『アイロニーが得意な人が多い』とおっしゃっていて、確かに僕の個人的な物書きの傾向としては非常にアイロニカルなことを日々書いているんですけど、そのアイロニーを誰が培ったかと言えば、TBSラジオをずっと聞いていたことだと思っています。自分が子どもの頃から聞いていたTBSラジオが、自分が書いていることの芽生えみたいなところに影響していて、そこでやれることは非常に光栄ですし、自分が子どもの頃、学生の頃に聞いていたあの感覚を、自分の頭の中に、どこかに置きながらできればいいかな」。
同局は、新番組の内容について「パーソナリティーやゲスト、リスナーたちが『やってみた/やってみたい』というさまざまなACTIONを持ち寄り、呼びかけ、連鎖していくプラットフォーム。なんでも受け身じゃつまらない! 『やってみたい』を『やってみる』。情報エンタテインメントプログラムです」と説明。パーソナリティーの顔ぶれと、内容を眺めていて気になるのは、やはり「聴く夕刊」をコンセプトに時事問題、スポーツ、芸能とあらゆるジャンルの情報を提供してきた『デイ・キャッチ!』との毛色の違いだろう。
これから産声を上げる番組であることに加え、パーソナリティーの顔ぶれがガラリと変わったことから、『デイ・キャッチ!』を聞くことで世の中の出来事が見えてきたというリスナーの中には、大きな戸惑いを覚えるという意見もあるだろう。そんな中、記者が「プロデューサーの方が『日々の違和感をうまく言葉にできる』とみなさんを紹介されましたが、パーソナリティーのみなさんが今抱いている違和感は何でしょう?」との質問を投げかけると、尾崎が「いい人と悪い人がどう決まっていくのか、すごく興味があって、同じようなことをしている人でも、褒められる人もいれば、けなされる人もいて。何となくみんなが決めたことに従って、それが固まっていくような気がしているので、そこを見極めて、流されずに、いいものと悪いものを決めていきたい」と言葉に力を込めた。
武田氏は金曜日にパーソナリティーを務めるという点に注目して、番組でやりたいことを語った。「最近、いろんなニュースに関しても、わかりやすく、シンプルに伝えようということが割と多いですが、起きている物事をいちいち考えたり、わざわざ考えたり、それがある種グダグダになるかもしれないんですけど、じっくり考えることができるメディアだと思って、僕はラジオを聞いてきました。『デイ・キャッチ!』を聞いて、今日本でどういうことが起きているだろうかっていうことをずっと聞いてこられた方たちがたくさんいると思うので、たまたま金曜日ということもあるので、自分で能動的に行動を起こすこともそうですが、この1週間何があったのか、世の中がどうなっているのかを振り返る時間を作れたらいいなと考えています」。
この日の会見で、宮藤が「『デイ・キャッチ!』ずっと聞いて、そこできょうの出来事とかニュースとかを聞くことでバランスが取れていたので、いきなりガラッと変わるは変わるんですけど、その中でも自分でやりやすいようにやっていてもしょうがないので、やっぱり『ACTION』っていう番組の中で自分も学べるといいなと思っています」と抱負を語っていたが、一方でradikoの普及や最近行われているさまざまなキャンペーンを見ると、若年層リスナーの獲得がラジオの命題のひとつとなっていることも確かだ。1995年という社会を揺るがせた事件や災害が発生した年に誕生した『デイ・キャッチ!』が、日々の情報を伝えてきて24年。新元号のスタートを1ヶ月前に控えたタイミングで、これまで情報を受け止めてきたリスナーたちが新たなパーソナリティーとともにアクションを起こす時が来た。
番組プロデューサーの長田ゆきえ氏は「5人のみなさんは、活動の幅がバラバラで、どういう感じでお送りするか楽しみです。共通しているのがアイロニカルな視点を持っていて、日々の違和感をうまく言葉で表現できる。知的好奇心もたっぷりで、人の痛みもわかるので、TBSラジオが好きなリスナーの方にも楽しんでいただけると思います」とパーソナリティーの魅力を紹介。そこから、各曜日のパーソナリティーがあいさつを始めた。
宮藤が「最終的に大沢悠里さんみたいになりたいなと思っているので、その第一歩かなと(笑)。今、自分で言って自分で一番びっくりしている」とレジェンドの名前を出すと、尾崎も「本当にうれしいですね。いつかTBSラジオでやりたいというのが目標だったので、こんなに早くかなうと思ってなくて、戸惑ってもいるんですけど、せっかくのチャンスなので、思い切ってやりたいなと思っています」と意気込み。松永は「『デイ・キャッチ!』という、すごく格も歴史もある番組の後番組のパーソナリティーが、20代のヒップホップDJというのは、デイ・キャッチの一番リスナーが拒否反応を示すのかなと思うので、そこの気持ちも理解して、歩み寄りつつ、愛していただけるような形になれば」と呼びかけた。
続く羽田氏は「順を追って説明しますと、小5から中学受験のための勉強を始めて、近所の塾に母に車で送ってもらっていた。それが1996年くらいで、車の中で『デイ・キャッチ!』が流れていたんです。それがTBSラジオの原体験でした。それから中3になる頃に、『コサキンDEワァオ!』にハマって、そこから『UP'S〜Ultra Performer'S radio〜』とか『JUNK』といった深夜枠にハマって、TBSラジオを能動的に聞くようになりました」と自身のラジオ歴を紹介。武田氏は、自身の物書きとしてのスタンスにTBSラジオが影響を与えていると語った。
「実家がラジオのつまみが(TBSラジオの)『954』に固定されていたので、リスナーというか聞かざるを得なかった環境だったんですけど、さっきプロデューサーさんが『アイロニーが得意な人が多い』とおっしゃっていて、確かに僕の個人的な物書きの傾向としては非常にアイロニカルなことを日々書いているんですけど、そのアイロニーを誰が培ったかと言えば、TBSラジオをずっと聞いていたことだと思っています。自分が子どもの頃から聞いていたTBSラジオが、自分が書いていることの芽生えみたいなところに影響していて、そこでやれることは非常に光栄ですし、自分が子どもの頃、学生の頃に聞いていたあの感覚を、自分の頭の中に、どこかに置きながらできればいいかな」。
同局は、新番組の内容について「パーソナリティーやゲスト、リスナーたちが『やってみた/やってみたい』というさまざまなACTIONを持ち寄り、呼びかけ、連鎖していくプラットフォーム。なんでも受け身じゃつまらない! 『やってみたい』を『やってみる』。情報エンタテインメントプログラムです」と説明。パーソナリティーの顔ぶれと、内容を眺めていて気になるのは、やはり「聴く夕刊」をコンセプトに時事問題、スポーツ、芸能とあらゆるジャンルの情報を提供してきた『デイ・キャッチ!』との毛色の違いだろう。
これから産声を上げる番組であることに加え、パーソナリティーの顔ぶれがガラリと変わったことから、『デイ・キャッチ!』を聞くことで世の中の出来事が見えてきたというリスナーの中には、大きな戸惑いを覚えるという意見もあるだろう。そんな中、記者が「プロデューサーの方が『日々の違和感をうまく言葉にできる』とみなさんを紹介されましたが、パーソナリティーのみなさんが今抱いている違和感は何でしょう?」との質問を投げかけると、尾崎が「いい人と悪い人がどう決まっていくのか、すごく興味があって、同じようなことをしている人でも、褒められる人もいれば、けなされる人もいて。何となくみんなが決めたことに従って、それが固まっていくような気がしているので、そこを見極めて、流されずに、いいものと悪いものを決めていきたい」と言葉に力を込めた。
武田氏は金曜日にパーソナリティーを務めるという点に注目して、番組でやりたいことを語った。「最近、いろんなニュースに関しても、わかりやすく、シンプルに伝えようということが割と多いですが、起きている物事をいちいち考えたり、わざわざ考えたり、それがある種グダグダになるかもしれないんですけど、じっくり考えることができるメディアだと思って、僕はラジオを聞いてきました。『デイ・キャッチ!』を聞いて、今日本でどういうことが起きているだろうかっていうことをずっと聞いてこられた方たちがたくさんいると思うので、たまたま金曜日ということもあるので、自分で能動的に行動を起こすこともそうですが、この1週間何があったのか、世の中がどうなっているのかを振り返る時間を作れたらいいなと考えています」。
この日の会見で、宮藤が「『デイ・キャッチ!』ずっと聞いて、そこできょうの出来事とかニュースとかを聞くことでバランスが取れていたので、いきなりガラッと変わるは変わるんですけど、その中でも自分でやりやすいようにやっていてもしょうがないので、やっぱり『ACTION』っていう番組の中で自分も学べるといいなと思っています」と抱負を語っていたが、一方でradikoの普及や最近行われているさまざまなキャンペーンを見ると、若年層リスナーの獲得がラジオの命題のひとつとなっていることも確かだ。1995年という社会を揺るがせた事件や災害が発生した年に誕生した『デイ・キャッチ!』が、日々の情報を伝えてきて24年。新元号のスタートを1ヶ月前に控えたタイミングで、これまで情報を受け止めてきたリスナーたちが新たなパーソナリティーとともにアクションを起こす時が来た。
コメントする・見る
2019/03/23