先月26日に2nd写真集『独白』(徳間書店)を発売した人気アイドルグループ・乃木坂46の高山一実(25)。フィンランドで撮影され、高山自身も「全ページ大好きで、すべての写真を撮影されたときの気持ちを説明できる」というほど思い入れの強い本作について、本人に話を聞いてみた。
●憧れのフィンランドは「どこを見ても好きが詰まっていました!」
――前作『恋かもしれない』から2年半ぶりの写真集のロケ地にフィンランドを選んだ理由は?
フィンランドとの最初の出合いは、数年前にグラビア撮影を書店でやった時です。そこで「好きな本を手に取っていいよ」と言われて、パッと手にした本がフィンランドのヘルシンキの雑貨の本でした。パラパラとめくったらかわいくて本が欲しくなったら、プレゼントしてくださって。それを家でも眺めながら「いつか行きたいなぁ」と思っていました。
その後、たまたま母親と話していて「フィンランドに行きたい」と言ったら、「お母さんもずっと行きたいと思っていた」って言われてビックリして。ほかにも、大好きな村上春樹さんの『色彩を持たない田崎つくると、彼の巡礼の年』にもヘルシンキが出てきたので、自分の中でフィンランド行きたいという思いが強まっていきました。そういうなかで写真集のお話をいただき、撮影場所の希望を聞かれたので提案させていただいたんです。
――実際に行ってみたフィンランドはいかがでしたか?
感動でした! いろいろ調べてから行ったつもりだったんですけど、ネットで見られる画像は一場面を切り取っただけで、実際にフィンランドに降り立ってみたら「空からステキ!」って思うくらい。同じ地球だから空はどこから見ても一緒のはずなのに(笑)。街の中のどこを見ても好きが詰まっていました。
ヘルシンキは石畳の感じなど建物の色使いが落ち着いているのですが、トラムという路面電車は緑と黄色でかわいかったり。ニューヨークやパリのような華やかな街も行ったことがあるのですが、そういう大都会とは違う品のある街並みに引かれて、着いた瞬間に「大正解だな」って思いました(笑)。
――写真もレイアウトもすごくオシャレな印象です。撮影の時からそこもこだわった?
それは私は全然思っていなくて。カメラマンの蔦村吉祥丸さんがとてもおしゃれな写真を撮られる方ですし、事前の打ち合わせでも「1冊目の写真集『恋かもしれない』というタイトルだったので、今回のテーマは“愛”にしましょう」ってみんなで話して、イメージを共有できていたのが良かったのかもしれないですね。具体的には、写真家の藤代冥砂さんの『もう、家に帰ろう』という作品をイメージして、作り込まない素の感じが出る写真集にしたいと思っていました。
すごくオシャレな誌面になっているのは、撮影スタッフさんや編集スタッフさんなど、いろんな方のご協力のおかげです! 本当にありがたいですね。自虐的ですけど、乃木坂46にたくさんのメンバーがいて、まだ写真集を出していなくても私より魅力的な子もいるなかで、高山の写真集を作ってくださるっていうだけで、みなさん素晴らしいスタッフさんです(笑)。
●撮影時は“スーパームーン”状態「全部が“素の高山一実”です」
――ストーリー性のある作品で、写真を見るだけで高山さんの素の表情から心模様が伝わってきます。
そう思っていただけると、とってもうれしいです。今回の写真集には、無理に作った笑顔が一つもないんです。たまに取材の撮影で「大きな笑顔でお願いします!」と言われることがあるのですが、そう言われるたびに笑顔が下手になってしまうと感じることがありました。でも、この写真集はまったくウソがない笑顔で、「自分にもこんな種類の笑顔があったんだ」って気づくことができました。自分の中で固定化されていた笑顔が崩れた感じがして、これが素の表情なんだなって。
カメラマンさんも、私が顔を作っているとシャッターを押さなかったんですよ。見透かされてるのかなって思ったけど、撮影後に聞いてみたら「特に意識していなかった」って言われて。不思議な感じでしたけど、それが最初のコンセプトだったので、ちょっとのウソもないですよね。素っぽい写真じゃなくて、この写真集では本当に全部が“素の高山一実”です。
――撮影は去年の9月でしたが、当時のどんな心境で撮影に臨まれたんでしょう?
すごく良く言えば、数年に一度しかない“スーパームーン”のような心境でした。小説『トラペジウム』を書き終わって、乃木坂46の夏の全国ツアーが終わって、本当にスッキリした状態でフィンランドに出発したんです。これまでの全部を脱ぎ捨てて、新しい何かを吸収しようという感じだったので。今までの24年間の自分を入れ替える感じでした。なので、高山一実の人生において分岐点がここだったらうれしいな、という感じです。もし小説を書き終わっていなかったら、ぜんぜん違う表情になっていたと思います。力が入って焦った感じになって、素が出せなかったかも(笑)。
――撮影の1週間で成長を実感できた部分は?
何事も「ネットで調べればいいじゃん」と思っていたのですが、初めてフィンランドに行って、いろんなものを自分の目で見たことで「ネット情報がすべてではない」と気づけたことが良かったです。実際に体験することの素晴らしさを知ることができて、うれしかったですね。
80歳になるおじいちゃんが北欧に興味を持っているのですが、飛行機が苦手なので行くのにずっと躊躇(ちゅうちょ)しているんです。でも私が実際に行ったことで「行って損な場所じゃないよ」って、おじいちゃんに説得力を持って言うことができました。フィンランド旅行をプレゼントしたいから「おばあちゃんと一緒に行ってくれば」って提案したら、すごく頑固なおじいちゃんなのですが、怖いと言いながらちょっと揺らいでましたね(笑)、
●ベストの内容&タイミングで発売「これが人生最後の写真集になってもいい」
――メンバーから写真集の感想を聞きましたか?
発売直前がバースデーライブでバタバタしていて、まだ見てもらえてなくて…。あす(齋藤飛鳥)は「早く見たいけど、まだ出ないの?」って言ってくれているので(笑)、最初に渡します。見たらなんて言ってくれるかなぁ……、優しいから褒めてくれるかな。あすはイギリスが好きで、フィンランドの雰囲気がちょっとロンドンに近い気がするから、写真を気に入ってくれると思います。あと、フィンランドといえば生ちゃん(生田絵梨花)はフィンランド民謡が得意なので、写真集で街の魅力を感じてもらって、いつか一緒に行って現地で歌ってもらいたいです(笑)。
――乃木坂46メンバーの写真集の大ヒットがニュースになっていますが、プレッシャーを感じますか?
この写真集に携わってくれた方のことを思うと“売れてほしい”と思いますけれど、私自身は正直、あまり考えていないです(笑)。小説もたくさんの方が手にとってくださり本当にうれしいのですが、“売れてほしい”と思って書いたものではなくて。高山一実ってどんな人間かっていうことが現れているので、たくさんの人に読んでいただきたいとは思っています。風景の写真もオシャレなので、高山の顔が嫌いっていう人も風景だけでも見ていただきたいですし(笑)。
正直、自分としてはこれが人生最後の写真集になってもいいなと思えるくらい、思い残すことがない作品になっています。売り上げっていうのは比べられると思うけど、今まで人と比べられることはあっても、自分が人と比べたことはなかったので、見た人に良さが伝わればいいな、と。表紙の素材とか、ネット情報だけでは伝わりづらいと思うので、書店で手にとっていただけるとうれしいです。
自分的には、作品の内容としてベスト、時期も『トラペジウム』の流れがあるのでベスト、撮影時期もベストのタイミングだったので、これが今の自分ができる最高のものだから、悔いはないです。人生最高の一番ピークのタイミングで撮っていただけたと言い切れます。
【卒業した西野七瀬への思いはインタビュー後編にて】
◆高山一実(たかやま・かずみ)1994年2月8日生まれ。千葉県南房総市出身。乃木坂46の1期生として、2011年デビュー。1stシングル「ぐるぐるカーテン」から全シングルで選抜入りを果たしている。16年に短編小説『キャリーオーバー』を執筆、18年に長編小説『トラペジウム』を発売し、グループ初の小説家デビューを果たした。
★写真集カットはこちら
『高山一実写真集 独白』ほぼすっぴんも披露(全25枚)
●憧れのフィンランドは「どこを見ても好きが詰まっていました!」
――前作『恋かもしれない』から2年半ぶりの写真集のロケ地にフィンランドを選んだ理由は?
フィンランドとの最初の出合いは、数年前にグラビア撮影を書店でやった時です。そこで「好きな本を手に取っていいよ」と言われて、パッと手にした本がフィンランドのヘルシンキの雑貨の本でした。パラパラとめくったらかわいくて本が欲しくなったら、プレゼントしてくださって。それを家でも眺めながら「いつか行きたいなぁ」と思っていました。
その後、たまたま母親と話していて「フィンランドに行きたい」と言ったら、「お母さんもずっと行きたいと思っていた」って言われてビックリして。ほかにも、大好きな村上春樹さんの『色彩を持たない田崎つくると、彼の巡礼の年』にもヘルシンキが出てきたので、自分の中でフィンランド行きたいという思いが強まっていきました。そういうなかで写真集のお話をいただき、撮影場所の希望を聞かれたので提案させていただいたんです。
――実際に行ってみたフィンランドはいかがでしたか?
感動でした! いろいろ調べてから行ったつもりだったんですけど、ネットで見られる画像は一場面を切り取っただけで、実際にフィンランドに降り立ってみたら「空からステキ!」って思うくらい。同じ地球だから空はどこから見ても一緒のはずなのに(笑)。街の中のどこを見ても好きが詰まっていました。
ヘルシンキは石畳の感じなど建物の色使いが落ち着いているのですが、トラムという路面電車は緑と黄色でかわいかったり。ニューヨークやパリのような華やかな街も行ったことがあるのですが、そういう大都会とは違う品のある街並みに引かれて、着いた瞬間に「大正解だな」って思いました(笑)。
――写真もレイアウトもすごくオシャレな印象です。撮影の時からそこもこだわった?
それは私は全然思っていなくて。カメラマンの蔦村吉祥丸さんがとてもおしゃれな写真を撮られる方ですし、事前の打ち合わせでも「1冊目の写真集『恋かもしれない』というタイトルだったので、今回のテーマは“愛”にしましょう」ってみんなで話して、イメージを共有できていたのが良かったのかもしれないですね。具体的には、写真家の藤代冥砂さんの『もう、家に帰ろう』という作品をイメージして、作り込まない素の感じが出る写真集にしたいと思っていました。
すごくオシャレな誌面になっているのは、撮影スタッフさんや編集スタッフさんなど、いろんな方のご協力のおかげです! 本当にありがたいですね。自虐的ですけど、乃木坂46にたくさんのメンバーがいて、まだ写真集を出していなくても私より魅力的な子もいるなかで、高山の写真集を作ってくださるっていうだけで、みなさん素晴らしいスタッフさんです(笑)。
●撮影時は“スーパームーン”状態「全部が“素の高山一実”です」
――ストーリー性のある作品で、写真を見るだけで高山さんの素の表情から心模様が伝わってきます。
そう思っていただけると、とってもうれしいです。今回の写真集には、無理に作った笑顔が一つもないんです。たまに取材の撮影で「大きな笑顔でお願いします!」と言われることがあるのですが、そう言われるたびに笑顔が下手になってしまうと感じることがありました。でも、この写真集はまったくウソがない笑顔で、「自分にもこんな種類の笑顔があったんだ」って気づくことができました。自分の中で固定化されていた笑顔が崩れた感じがして、これが素の表情なんだなって。
カメラマンさんも、私が顔を作っているとシャッターを押さなかったんですよ。見透かされてるのかなって思ったけど、撮影後に聞いてみたら「特に意識していなかった」って言われて。不思議な感じでしたけど、それが最初のコンセプトだったので、ちょっとのウソもないですよね。素っぽい写真じゃなくて、この写真集では本当に全部が“素の高山一実”です。
――撮影は去年の9月でしたが、当時のどんな心境で撮影に臨まれたんでしょう?
すごく良く言えば、数年に一度しかない“スーパームーン”のような心境でした。小説『トラペジウム』を書き終わって、乃木坂46の夏の全国ツアーが終わって、本当にスッキリした状態でフィンランドに出発したんです。これまでの全部を脱ぎ捨てて、新しい何かを吸収しようという感じだったので。今までの24年間の自分を入れ替える感じでした。なので、高山一実の人生において分岐点がここだったらうれしいな、という感じです。もし小説を書き終わっていなかったら、ぜんぜん違う表情になっていたと思います。力が入って焦った感じになって、素が出せなかったかも(笑)。
――撮影の1週間で成長を実感できた部分は?
何事も「ネットで調べればいいじゃん」と思っていたのですが、初めてフィンランドに行って、いろんなものを自分の目で見たことで「ネット情報がすべてではない」と気づけたことが良かったです。実際に体験することの素晴らしさを知ることができて、うれしかったですね。
80歳になるおじいちゃんが北欧に興味を持っているのですが、飛行機が苦手なので行くのにずっと躊躇(ちゅうちょ)しているんです。でも私が実際に行ったことで「行って損な場所じゃないよ」って、おじいちゃんに説得力を持って言うことができました。フィンランド旅行をプレゼントしたいから「おばあちゃんと一緒に行ってくれば」って提案したら、すごく頑固なおじいちゃんなのですが、怖いと言いながらちょっと揺らいでましたね(笑)、
●ベストの内容&タイミングで発売「これが人生最後の写真集になってもいい」
――メンバーから写真集の感想を聞きましたか?
発売直前がバースデーライブでバタバタしていて、まだ見てもらえてなくて…。あす(齋藤飛鳥)は「早く見たいけど、まだ出ないの?」って言ってくれているので(笑)、最初に渡します。見たらなんて言ってくれるかなぁ……、優しいから褒めてくれるかな。あすはイギリスが好きで、フィンランドの雰囲気がちょっとロンドンに近い気がするから、写真を気に入ってくれると思います。あと、フィンランドといえば生ちゃん(生田絵梨花)はフィンランド民謡が得意なので、写真集で街の魅力を感じてもらって、いつか一緒に行って現地で歌ってもらいたいです(笑)。
――乃木坂46メンバーの写真集の大ヒットがニュースになっていますが、プレッシャーを感じますか?
この写真集に携わってくれた方のことを思うと“売れてほしい”と思いますけれど、私自身は正直、あまり考えていないです(笑)。小説もたくさんの方が手にとってくださり本当にうれしいのですが、“売れてほしい”と思って書いたものではなくて。高山一実ってどんな人間かっていうことが現れているので、たくさんの人に読んでいただきたいとは思っています。風景の写真もオシャレなので、高山の顔が嫌いっていう人も風景だけでも見ていただきたいですし(笑)。
正直、自分としてはこれが人生最後の写真集になってもいいなと思えるくらい、思い残すことがない作品になっています。売り上げっていうのは比べられると思うけど、今まで人と比べられることはあっても、自分が人と比べたことはなかったので、見た人に良さが伝わればいいな、と。表紙の素材とか、ネット情報だけでは伝わりづらいと思うので、書店で手にとっていただけるとうれしいです。
自分的には、作品の内容としてベスト、時期も『トラペジウム』の流れがあるのでベスト、撮影時期もベストのタイミングだったので、これが今の自分ができる最高のものだから、悔いはないです。人生最高の一番ピークのタイミングで撮っていただけたと言い切れます。
【卒業した西野七瀬への思いはインタビュー後編にて】
◆高山一実(たかやま・かずみ)1994年2月8日生まれ。千葉県南房総市出身。乃木坂46の1期生として、2011年デビュー。1stシングル「ぐるぐるカーテン」から全シングルで選抜入りを果たしている。16年に短編小説『キャリーオーバー』を執筆、18年に長編小説『トラペジウム』を発売し、グループ初の小説家デビューを果たした。
★写真集カットはこちら
『高山一実写真集 独白』ほぼすっぴんも披露(全25枚)
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2019/03/02