昨年、“月9”ドラマ2作品(『コンフィデンスマンJP』『SUITS/スーツ』)に連続出演し、7月期のテレビ朝日系木曜ドラマ『ハゲタカ』ではナレーションも務めるなどして、一般層の認知度が急上昇した俳優・小手伸也(45)。現在、テレビ朝日系金曜ナイトドラマ『私のおじさん〜WATAOJI〜』(毎週金曜 後11:15〜深0:15※一部地域で放送時間が異なる)にもレギュラー出演中。4月スタートの『なつぞら』で連続テレビ小説初出演も決まるなど、45歳にしてブレイク中。それでも本人は「ブレイクしている実感がない」という。
そもそも小手は、劇団「innerchild」を主宰し、「作家・演出家・俳優・声優の何でも屋」として、演劇界では名の知れた存在だ。
「おかげさまで昨年からずっとお仕事が続いて、ひと月の間で純粋な休みが1日、2日あるかないか、という状況。いままで休みが多すぎたというのがあるんですが(笑)。ドラマのレギュラーが続いていること、ドラマの撮休の日にはバラエティー番組に呼んでいただいたり、こうして取材を受けたり。これまでの人生で、“休みがない”という日々が、長期間にわたって続くことがなかったので、疲れはないといったらうそになりますが、毎日が刺激的で、一つひとつの仕事を楽しくやらせていただいています」。
仕事が急増したのは、やはり『コンフィデンスマンJP』以降だが、これほどブレイクするとは本人にとって「青天の霹靂」であったと同時に、「覚悟みたいなものはあった」と言う。その「覚悟」とは?
「2016年の大河ドラマ『真田丸』(大阪冬・夏の陣で豊臣方についた塙団右衛門役)で三谷幸喜さんと縁できて、翌年の夏、三谷さん作・演出の舞台『子供の事情』に呼んでいただいたんです。その当時、『コンフィデンスマンJP』の話も何も一切なく、正直、公演後のスケジュールは真っ白。僕としては『真田丸』、そして『仮面ライダーエグゼイド』(16年〜17年)に出演して、ちょこちょこ話題にはしていただいていたんですが、憧れの三谷さんの舞台で、ほかの出演者も第一線で活躍しているものすごい顔ぶれだったので、ここで誰の目にも留まらなかったら、この業界にいることを考え直さなければいけない、とまで思っていたんです。結果的に、その舞台を観てくださった方々からお仕事をいただけて。その中で、後の月9出演の決め手となったのが、テレビ朝日の『オトナ高校』でした」。
■僕自身としては、毎回ブレイクしているつもり
17年10月期に放送された『オトナ高校』は、性体験がない30歳以上の男女が入学させられる「オトナ高校」を舞台にした学園ドラマで、斬新な設定や主演の三浦春馬のコミカルな芝居が話題になった。その第1話にゲスト出演していたのが小手。「デブでブサイク、低学歴、低収入、おまけに毛深い」とひどい言われようだった生徒を怪演していた。それを観た『コンフィデンスマンJP』の脚本家・古沢良太氏が、小手の『真田丸』からの役の振り幅に確信を得て、直々の推薦により五十嵐役が決まったという。
「僕としてはその前にやったことが今につながっている、その連続なので、青天の霹靂ではあるんですけど、ちゃんと自分がやったことをどこかで誰かが見てくれていた結果でもあり、それがわかりやすい形で日の目をみることができてうれしい限りです。毎回どの作品でも自分の限界を突破しようと思って取り組んできたので、僕自身としては、毎回ブレイクしているつもりなんですよね。だから、去年から仕事が増えた、休みが減った、というイメージしかなくて。どこが下積みですか?と聞かれると、どこだろうって感じでもあるんです。まだ積んでますしね(笑)。急に有名になってどうですか?ともよく聞かれますが、僕としてはどうもこうも、今だってフツーに満員電車で押しつぶされてますから(笑)」。
努力しても報われないことは多々あるけれど、一生懸命、誠心誠意やってきたことは、どこかで誰かがきっと見ている。シンプルに「芝居が好き」なのと、「人の何かに応えたいという気持ち一つで突き進んできた」ということ。「何でも屋」を自称するのは、そんな理由からもしれない。
「人に求められ、それに応じることができたからこそ、今があると思えば、これからもいろんな人の何かに応じていきたい。その上で、僕の名前を覚えていただいたり、認知していただければうれしいです。いまだに、『五十嵐』って呼ばれたり、最近では『デブチーフ』って(笑)。役名で人に記憶されるのが一番うれしいです。ひたすら今後もそうありたいです」。
「デブチーフ」は、『私のおじさん〜WATAOJI〜』で小手が演じているAD出渕輝彦のあだ名。「デブチーフ役が決まってから、役作りでいたずらに不摂生を心がけてみたら、4キロ太りました(笑)。だいぶ肥えてしまったので、この春はやせたいです」。
「方向性の違った人たちが集まったサファリパークみたいなチーム」と小手が例える『私のおじさん〜WATAOJI〜』はいよいよクライマックス。バラエティー番組の制作会社を舞台にしたドラマは、主人公の新人AD・一ノ瀬ひかり(岡田結実)が、彼女にしか見えない「妖精」を名乗るおじさん(遠藤憲一)と繰り広げる珍妙なお仕事ライフを描く。おじさんの正体も気になるところだが、3月1日放送の第7話では、週刊誌のスクープにより、ひかりたちの番組『限界MAX★あなたも私もヤッテミー!!』に突如ヤラセ疑惑が浮上する。
さらには、ひかりと番組に出演するタレント・パウダー(JP)の15歳差淫行疑惑も報じられ、世間から大バッシング。事実無根であるにも関わらず、ひかり自身も自宅や経歴を特定され、街を歩くだけでスマホのカメラを向けられたり、一般人に罵倒される事態に…。
フェイクニュースに踊らされる世間に苛立つひかりに、おじさんは「じゃぁ君は、今までこういうゴシップで楽しんだこと、一度もないの?」と冷たく言い放つ。ホントかウソか、それを決めるのは”世間“なのか? 面白ければ、盛り上がれば、たとえ誰かの人生が壊れてもかまわないのか? デマ記事により、無念の打ち切りを迎える『ヤッテミー!!』、その末路は?
そもそも小手は、劇団「innerchild」を主宰し、「作家・演出家・俳優・声優の何でも屋」として、演劇界では名の知れた存在だ。
「おかげさまで昨年からずっとお仕事が続いて、ひと月の間で純粋な休みが1日、2日あるかないか、という状況。いままで休みが多すぎたというのがあるんですが(笑)。ドラマのレギュラーが続いていること、ドラマの撮休の日にはバラエティー番組に呼んでいただいたり、こうして取材を受けたり。これまでの人生で、“休みがない”という日々が、長期間にわたって続くことがなかったので、疲れはないといったらうそになりますが、毎日が刺激的で、一つひとつの仕事を楽しくやらせていただいています」。
仕事が急増したのは、やはり『コンフィデンスマンJP』以降だが、これほどブレイクするとは本人にとって「青天の霹靂」であったと同時に、「覚悟みたいなものはあった」と言う。その「覚悟」とは?
「2016年の大河ドラマ『真田丸』(大阪冬・夏の陣で豊臣方についた塙団右衛門役)で三谷幸喜さんと縁できて、翌年の夏、三谷さん作・演出の舞台『子供の事情』に呼んでいただいたんです。その当時、『コンフィデンスマンJP』の話も何も一切なく、正直、公演後のスケジュールは真っ白。僕としては『真田丸』、そして『仮面ライダーエグゼイド』(16年〜17年)に出演して、ちょこちょこ話題にはしていただいていたんですが、憧れの三谷さんの舞台で、ほかの出演者も第一線で活躍しているものすごい顔ぶれだったので、ここで誰の目にも留まらなかったら、この業界にいることを考え直さなければいけない、とまで思っていたんです。結果的に、その舞台を観てくださった方々からお仕事をいただけて。その中で、後の月9出演の決め手となったのが、テレビ朝日の『オトナ高校』でした」。
■僕自身としては、毎回ブレイクしているつもり
17年10月期に放送された『オトナ高校』は、性体験がない30歳以上の男女が入学させられる「オトナ高校」を舞台にした学園ドラマで、斬新な設定や主演の三浦春馬のコミカルな芝居が話題になった。その第1話にゲスト出演していたのが小手。「デブでブサイク、低学歴、低収入、おまけに毛深い」とひどい言われようだった生徒を怪演していた。それを観た『コンフィデンスマンJP』の脚本家・古沢良太氏が、小手の『真田丸』からの役の振り幅に確信を得て、直々の推薦により五十嵐役が決まったという。
「僕としてはその前にやったことが今につながっている、その連続なので、青天の霹靂ではあるんですけど、ちゃんと自分がやったことをどこかで誰かが見てくれていた結果でもあり、それがわかりやすい形で日の目をみることができてうれしい限りです。毎回どの作品でも自分の限界を突破しようと思って取り組んできたので、僕自身としては、毎回ブレイクしているつもりなんですよね。だから、去年から仕事が増えた、休みが減った、というイメージしかなくて。どこが下積みですか?と聞かれると、どこだろうって感じでもあるんです。まだ積んでますしね(笑)。急に有名になってどうですか?ともよく聞かれますが、僕としてはどうもこうも、今だってフツーに満員電車で押しつぶされてますから(笑)」。
努力しても報われないことは多々あるけれど、一生懸命、誠心誠意やってきたことは、どこかで誰かがきっと見ている。シンプルに「芝居が好き」なのと、「人の何かに応えたいという気持ち一つで突き進んできた」ということ。「何でも屋」を自称するのは、そんな理由からもしれない。
「人に求められ、それに応じることができたからこそ、今があると思えば、これからもいろんな人の何かに応じていきたい。その上で、僕の名前を覚えていただいたり、認知していただければうれしいです。いまだに、『五十嵐』って呼ばれたり、最近では『デブチーフ』って(笑)。役名で人に記憶されるのが一番うれしいです。ひたすら今後もそうありたいです」。
「デブチーフ」は、『私のおじさん〜WATAOJI〜』で小手が演じているAD出渕輝彦のあだ名。「デブチーフ役が決まってから、役作りでいたずらに不摂生を心がけてみたら、4キロ太りました(笑)。だいぶ肥えてしまったので、この春はやせたいです」。
「方向性の違った人たちが集まったサファリパークみたいなチーム」と小手が例える『私のおじさん〜WATAOJI〜』はいよいよクライマックス。バラエティー番組の制作会社を舞台にしたドラマは、主人公の新人AD・一ノ瀬ひかり(岡田結実)が、彼女にしか見えない「妖精」を名乗るおじさん(遠藤憲一)と繰り広げる珍妙なお仕事ライフを描く。おじさんの正体も気になるところだが、3月1日放送の第7話では、週刊誌のスクープにより、ひかりたちの番組『限界MAX★あなたも私もヤッテミー!!』に突如ヤラセ疑惑が浮上する。
さらには、ひかりと番組に出演するタレント・パウダー(JP)の15歳差淫行疑惑も報じられ、世間から大バッシング。事実無根であるにも関わらず、ひかり自身も自宅や経歴を特定され、街を歩くだけでスマホのカメラを向けられたり、一般人に罵倒される事態に…。
フェイクニュースに踊らされる世間に苛立つひかりに、おじさんは「じゃぁ君は、今までこういうゴシップで楽しんだこと、一度もないの?」と冷たく言い放つ。ホントかウソか、それを決めるのは”世間“なのか? 面白ければ、盛り上がれば、たとえ誰かの人生が壊れてもかまわないのか? デマ記事により、無念の打ち切りを迎える『ヤッテミー!!』、その末路は?
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2019/03/01