『第42回日本アカデミー賞』の授賞式が1日、都内で開催され、女優の安藤サクラ(33)が、映画『万引き家族』(是枝裕和監督)で最優秀主演女優賞を受賞した。受賞のスピーチでは、喜びとともに子育てと女優業との両立への葛藤を涙ながらに打ち明けた。
同作は、東京の下町に暮らす、平凡で貧しい家族の物語。一見どこにでもいそうな彼らは、「犯罪」で生計をたて、ひっそりと暮らしていた。「犯罪」でしかつながれなかった彼らの、不完全だけれど愛すべき「家族のかたち」が描かれた。昨年の『第71回カンヌ国際映画祭』で最高賞の「パルムドール」を受賞している。
安藤は第1子を出産した直後に撮影に臨んだこともあり「ありがたいことに、娘は乳飲み子なんですけど、とても仕事に協力的な赤ちゃんでした。出産してから半年くらいで、赤ちゃんを抱えて映画の現場に来ている。映画も大好きですけど、戸惑いというか、罪悪感を持ってしまっている時もあった」と率直な思いを吐露。「それと母性というものに向き合ったこの役が、今考えると重なっていて、それを是枝監督が拾ってくださったと思うと、この作品にいいタイミングで出合えたなと思っています」とかみしめるように語った。
女優と子育てとの両立に、かなりの苦悩があったようで「正直、これからどうやって子育てをしながら、作品に関わる時間を作ればいいのかずっとわからなくて。私は『万引き家族』で感じたことは、子育ては24時間、映画の現場も24時間。子育ても映画も全力を尽くしていかなければならない。それをどうバランスを取ったらいいのかわからなくて。でも、私の一番の目標は、妻として母として、健やかな日常を送ることです」と複雑な思いをにじませた。
父で俳優の奥田瑛二からの影響から「自分が幼い頃から映画の現場を見させてもらって、自分にとって新しい活力を与えてくれる場所で、それがないっていう時間を過ごしていないので、どう両立したらいいか、今まったくわかりません」と自身の悩みを告白。「やっぱりどうしたって、ものすごい映画の世界の方には憧れをもってしまうんだなと、はっきり自覚しました。この授賞式が始まってから、自分が曖昧な気持ちでいることがすごく嫌で、ずっとモヤモヤしていたのですが、こうやってすばらしい賞をいただくことができて、必ず自分の中で決着をつけて、きちんとまた映画の時間に携われるような環境に自分自身を整えて、また映画の世界に戻ってきたいと思いました」と決意を語っていた。
安藤は、第39回に『百円の恋』で最優秀主演女優賞、第38回に『0.5ミリ』で優秀主演女優賞を受賞している。
優秀主演女優賞はそのほか、黒木華(『日日是好日』)、篠原涼子(『人魚の眠る家』)、松岡茉優(『勝手にふるえてろ』)、吉永小百合(『北の桜守』)が受賞した。
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『第42回日本アカデミー賞』授賞式(全175枚)
同作は、東京の下町に暮らす、平凡で貧しい家族の物語。一見どこにでもいそうな彼らは、「犯罪」で生計をたて、ひっそりと暮らしていた。「犯罪」でしかつながれなかった彼らの、不完全だけれど愛すべき「家族のかたち」が描かれた。昨年の『第71回カンヌ国際映画祭』で最高賞の「パルムドール」を受賞している。
安藤は第1子を出産した直後に撮影に臨んだこともあり「ありがたいことに、娘は乳飲み子なんですけど、とても仕事に協力的な赤ちゃんでした。出産してから半年くらいで、赤ちゃんを抱えて映画の現場に来ている。映画も大好きですけど、戸惑いというか、罪悪感を持ってしまっている時もあった」と率直な思いを吐露。「それと母性というものに向き合ったこの役が、今考えると重なっていて、それを是枝監督が拾ってくださったと思うと、この作品にいいタイミングで出合えたなと思っています」とかみしめるように語った。
女優と子育てとの両立に、かなりの苦悩があったようで「正直、これからどうやって子育てをしながら、作品に関わる時間を作ればいいのかずっとわからなくて。私は『万引き家族』で感じたことは、子育ては24時間、映画の現場も24時間。子育ても映画も全力を尽くしていかなければならない。それをどうバランスを取ったらいいのかわからなくて。でも、私の一番の目標は、妻として母として、健やかな日常を送ることです」と複雑な思いをにじませた。
父で俳優の奥田瑛二からの影響から「自分が幼い頃から映画の現場を見させてもらって、自分にとって新しい活力を与えてくれる場所で、それがないっていう時間を過ごしていないので、どう両立したらいいか、今まったくわかりません」と自身の悩みを告白。「やっぱりどうしたって、ものすごい映画の世界の方には憧れをもってしまうんだなと、はっきり自覚しました。この授賞式が始まってから、自分が曖昧な気持ちでいることがすごく嫌で、ずっとモヤモヤしていたのですが、こうやってすばらしい賞をいただくことができて、必ず自分の中で決着をつけて、きちんとまた映画の時間に携われるような環境に自分自身を整えて、また映画の世界に戻ってきたいと思いました」と決意を語っていた。
安藤は、第39回に『百円の恋』で最優秀主演女優賞、第38回に『0.5ミリ』で優秀主演女優賞を受賞している。
優秀主演女優賞はそのほか、黒木華(『日日是好日』)、篠原涼子(『人魚の眠る家』)、松岡茉優(『勝手にふるえてろ』)、吉永小百合(『北の桜守』)が受賞した。
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2019/03/01