NHKで放送中の大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺（ばなし）〜』（毎週日曜　後8：00　総合ほか）のチーフ演出・井上剛氏が22日、同ドラマの番組平均視聴率が2週連続で1ケタを記録したことについて、記者からの質問に答えた（視聴率の数字はすべてビデオリサーチ調べ、関東地区）。

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　同ドラマは、日本が初めて参加した、1912年（明治45年／大正元年）のストックホルムオリンピックから1964年（昭和39年）の東京オリンピックに至るまでを描く“近現代劇”。教科書で習うような歴史上の人物の一生ではなく、オリンピックというスポーツイベントの歴史をひも解いていく異色作だ。それを滑稽談や人情ばなしを聞かせる落語のように、明治から昭和に生きた古今亭志ん生の噺として描いている。

　1月6日の初回放送では前作の『西郷どん』の初回をわずかに上回る15.5％を記録したが、第2回から12.0％→第3回13.2％→第4回11.6％→第5回10.2％と推移し、2月10日放送の第6回で9.9％と1ケタ台に。2月17日放送の第7回は9.5％だった。

　井上氏は「この番組に限らず、テレビドラマのディレクターなので視聴率は気になりますが、これまでの番組でも（視聴率が）高かろうが低かろうが、作品を良くすることしか考えていない。数字に気を取られずに、よりよいものにする、楽しいドラマを作る、という当初からのミッションにまい進しているところ。すごい俳優陣とすごいスタッフが集まって作っていますから、自分たちを信じて、面白いと思うものを出し続けていく。それは、揺らいでないです」と、コメント。

　『いだてん』の作者・宮藤官九郎氏と井上氏は、連続テレビ小説『あまちゃん』（2013年）でもタッグを組み、「海女さん×アイドル」の斬新なストーリーと演出で、当時も「朝ドラの異色作」と騒がせた“前歴”もある。

　次回、2月24日放送の第8回は、日本人選手として初めてオリンピックに出場した2人、このドラマの主人公・金栗四三（中村勘九郎）と三島弥彦（生田斗真）が、開催地・ストックホルムに向けて出発するまでが描かれる。

　大金を携えて上京してきた兄・実次（中村獅童）から、春野スヤ（綾瀬はるか）の働きかけで資金を得られたと知る四三。スヤと無邪気に野山を駆けていた自分が、オリンピックのために海を渡る不思議さを感じつつ、兄に一生懸命戦う事を誓う。四三の壮行会が開かれる頃、スヤは熊本で嫁入りをする。見送る大勢の人々の「敵は幾万」の歌に包まれ、オリンピックに出陣する四三と弥彦。まさに汽車が動こうとした時、弥彦の名を叫ぶ声がする。

　井上氏は「第8回は旅立ちの回です。熊本から上京しただけでもびっくりだった四三が、これからはるか遠いストックホルムへ行こうとしている。見たこともないオリンピックのために。一体、何が待ち受けているんだろう、という心情を思い切り高ぶらせて出発します。四三はお金の問題を、弥彦は家族の問題を、それぞれ解決して旅立つんですが、一つのピークになると思います」と、アピールし視聴を促していた。

■いよいよ日本人初のオリンピックへ！

　第1回から第7回までのハイライトを30分にまとめたダイジェスト版を、きょう23日（後4：10〜4：40）、総合テレビで放送。熊本に生まれ、往復12キロの通学で走りを鍛えた金栗四三は、東京高等師範学校でマラソンに出合い、国内初のオリンピック予選会で優勝。同じく短距離で優勝した文武両道の超エリート・三島弥彦とともにオリンピック出場を決める。対照的な2人が、まだ誰も体験したことのない「オリンピック」に挑むまでの数奇なドラマ。中村勘九郎・生田斗真のトレーニングの日々や大規模なストックホルムロケの様子も紹介する。同番組は放送後、NHKオンデマンドで無料配信も行う。

■『大河ドラマ「いだてん」ハイライト』（総合）放送情報
2月23日（土）　後4：10〜4：40
3月1日（金）　後3：08〜3：38、深2：05〜2：35
※いずれも一部地域をのぞく

■NHKオンディマンド　無料配信予定
配信開始：2月24日　正午
配信終了：3月10日　後11：50
https://www.nhk-ondemand.jp/