「飛躍の年にする」。関西テレビ・フジテレビ系連続ドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』(4月10日スタート、毎週火曜 後9:00)で初主演を果たす俳優の坂口健太郎(26)は言葉に力を込めた。昨年も多くのドラマに出演していたが、本人にとっては“我慢”もあったという。その真意とは。
■初主演の喜びは「後追いでジワジワ」 役作りで「人の感情を支配」?
同作は、坂口が演じる警察官・三枝健人(さえぐさ・けんと)が、謎の無線機を通じて過去の時間を生きるもう一人の刑事と出会い、協力して未解決事件を解き明かしていくヒューマンサスペンス。これが坂口にとって連ドラ初主演となる。感想を聞くと「意外と『やったー』っていう感じではなかった。『準備はできたのか? 大丈夫なのか、坂口健太郎』と自問のような感じでしたね。主演は1つの目標にしてきたので、喜びの方が先に来るかなと思ったら、後追いでジワジワと」と振り返った。
健人については「すごく危うい男の子。熱量がすごくあるんですけど、行動するエネルギーは憎しみ、悲しみ、憤り。下手すると自分もダメージを受けてしまうような」と話す。警察官ではあるが、健人にとって警察が必ずしも正義ではない。普通の人が信じられるものを信じることができない役柄については「絶対的なものがなくなるつらさは理解できる部分だけでいいと思う。客観的に想像するのが、いつもしている役作りに近いので。でも、大きい傷口を治すには、大きいバンドエイドがいる。どこで変化が出てくるのが楽しみ。まずは台本を理解して、しっかり頭を整理させたいですね」と力を込めた。
役作りも本格的だ。健人はプロファイリングを得意とするため、心理学の本などを読み漁っている。「最初はプロファイリングとか集団心理や犯罪心理学。どんどん広がってきちゃって、人の感情を支配するための方法とか、10秒でわかる感情の読み取り方、みたいな本も読んじゃいました」と苦笑い。見えない人の気持ちに対する学問だけに「難しい。答えが何十個もあるような。僕は文系なんですけど、現代文の答えのような感覚でいいのかなとも思っています。例えば僕が今、腕を組んだとして必ずしも防衛本能からじゃない。知識として、健人の内側の肉付けをしていくためにやっています」と持論を述べた。
■子どものころは桃太郎で鬼役 主役に興味なく「僕は絶対に悪役でした」
俳優としてデビューしてから4年が経過。主役という立場で演じるようになった。「中高のころは役者をやるなんて全く思っていなかった。大学に入ってモデルをやるようになって、もともと映画が好きだったので映画に出たいな、ぐらいにしか思っていなかった」という。また「映画にでることと役者になることはリンクしていなかった」とも語った。
子どものころは主演と無縁だったという。「保育園の学芸会で『桃太郎』とか『三匹のこぶた』とかやるじゃないですか。僕は絶対に悪役でした。しかも親玉をやってました」と回想。誰もやりたがらない中、1人で鬼や狼に立候補した。「戦隊モノも仮面ライダーも通ってこなくて、ヒーローは絶対に勝つことがおかしいと思っていたんです」と考えており、「桃太郎ってみんなやりたがっていて、僕はやりたくなかった。目立つ桃太郎が10人いたら目立たない。どこかで、もう1個、先の目立ち方をしたかったのかな」と懐かしんだ。
その後も“悪目立ち”は続き「小学生のときに僕だけ怒られることが多かった。『おかしい』って母親に言ったら、先生に言ってくれたんです。その先生は『集団の中に坂口くんがいると悪いことしているように見える』って(笑)。子どもながらに『そんなことある?』って思いましたよ。だから、なんとなく目立つタイプだったのかな」と思い出を教えてくれた。
■俳優として感じた見えない壁 『シグナル』では「もっともっとわがままを」
あえて「これだけは必ず」という目標を定めずにやってきた。その理由については「その場、その場で生きてきた人。到達地点を決め過ぎちゃうと真っ直ぐに歩いちゃう気がする。わざとあいまいにした方が、いろんなところで寄り道をする。そうした方が振り返ったときに道が広いような気がする。僕の性に合っているのが、回り道」とする。
大学1年のときに第25回『MEN'S NON-NO モデルオーディション』に合格。ただ、すぐに事務所には所属しなかった。「声をかけてもらえるタイミングが1番いいのかなと思った。もし、声をかけてもらえなかったら、それはそれまでと思っていた」。待つ時間が長くても、それをポジティブにとらえる。22歳で現在の事務所に入ったことについて「タイミングがすごくよかった」ときっぱり。「若さが微妙になくなってきたときに始められたことで、学生ものもやったし、映画『64-ロクヨン-』では、いろんな役者さんとも芝居ができた」と前向きに捉える。
順調に仕事を重ねているように見えるが、「そうでもない」と自分では感じている。「去年は我慢することも多かった。4年しかやっていないですけど俳優人生の中で壁を感じました。あと少しで堂々と主演と胸を張れるような、中間にいるような」ともどかしさを口にした。「作品の中で重要な役回りをさせてもらえるようになりましたけど、作品を引っ張る役ではなかった。そういうときに、くせでバランスを取ろうとしていた。逆に1歩、引き過ぎていた。滞りなく進むようにバカにもなれたし、調整をしてしまった」と素直に打ち明ける。
ただ、本作では、その“壁”を真正面から打ち破る覚悟を見せる。「ブレていたわけじゃないですけど、これでいいのかなと思っていた。主演なら、もっともっとわがままを言っていかないと。作品のために譲れないものがあるなら、もっと明確に出していかないといけない」を秘めた思いを全面に出す。
昨年は飛躍の年と言われることもあったが「そんなことはなかった。バネで言うと縮む年。跳ねるための準備期間だったのかな」と実感を語り「今年は飛躍の年にしたい。『シグナル』で跳ねないと」と前を向いた。さらなる存在感を示すため、坂口健太郎は進化を見せる。
■初主演の喜びは「後追いでジワジワ」 役作りで「人の感情を支配」?
同作は、坂口が演じる警察官・三枝健人(さえぐさ・けんと)が、謎の無線機を通じて過去の時間を生きるもう一人の刑事と出会い、協力して未解決事件を解き明かしていくヒューマンサスペンス。これが坂口にとって連ドラ初主演となる。感想を聞くと「意外と『やったー』っていう感じではなかった。『準備はできたのか? 大丈夫なのか、坂口健太郎』と自問のような感じでしたね。主演は1つの目標にしてきたので、喜びの方が先に来るかなと思ったら、後追いでジワジワと」と振り返った。
健人については「すごく危うい男の子。熱量がすごくあるんですけど、行動するエネルギーは憎しみ、悲しみ、憤り。下手すると自分もダメージを受けてしまうような」と話す。警察官ではあるが、健人にとって警察が必ずしも正義ではない。普通の人が信じられるものを信じることができない役柄については「絶対的なものがなくなるつらさは理解できる部分だけでいいと思う。客観的に想像するのが、いつもしている役作りに近いので。でも、大きい傷口を治すには、大きいバンドエイドがいる。どこで変化が出てくるのが楽しみ。まずは台本を理解して、しっかり頭を整理させたいですね」と力を込めた。
役作りも本格的だ。健人はプロファイリングを得意とするため、心理学の本などを読み漁っている。「最初はプロファイリングとか集団心理や犯罪心理学。どんどん広がってきちゃって、人の感情を支配するための方法とか、10秒でわかる感情の読み取り方、みたいな本も読んじゃいました」と苦笑い。見えない人の気持ちに対する学問だけに「難しい。答えが何十個もあるような。僕は文系なんですけど、現代文の答えのような感覚でいいのかなとも思っています。例えば僕が今、腕を組んだとして必ずしも防衛本能からじゃない。知識として、健人の内側の肉付けをしていくためにやっています」と持論を述べた。
■子どものころは桃太郎で鬼役 主役に興味なく「僕は絶対に悪役でした」
俳優としてデビューしてから4年が経過。主役という立場で演じるようになった。「中高のころは役者をやるなんて全く思っていなかった。大学に入ってモデルをやるようになって、もともと映画が好きだったので映画に出たいな、ぐらいにしか思っていなかった」という。また「映画にでることと役者になることはリンクしていなかった」とも語った。
子どものころは主演と無縁だったという。「保育園の学芸会で『桃太郎』とか『三匹のこぶた』とかやるじゃないですか。僕は絶対に悪役でした。しかも親玉をやってました」と回想。誰もやりたがらない中、1人で鬼や狼に立候補した。「戦隊モノも仮面ライダーも通ってこなくて、ヒーローは絶対に勝つことがおかしいと思っていたんです」と考えており、「桃太郎ってみんなやりたがっていて、僕はやりたくなかった。目立つ桃太郎が10人いたら目立たない。どこかで、もう1個、先の目立ち方をしたかったのかな」と懐かしんだ。
その後も“悪目立ち”は続き「小学生のときに僕だけ怒られることが多かった。『おかしい』って母親に言ったら、先生に言ってくれたんです。その先生は『集団の中に坂口くんがいると悪いことしているように見える』って(笑)。子どもながらに『そんなことある?』って思いましたよ。だから、なんとなく目立つタイプだったのかな」と思い出を教えてくれた。
■俳優として感じた見えない壁 『シグナル』では「もっともっとわがままを」
あえて「これだけは必ず」という目標を定めずにやってきた。その理由については「その場、その場で生きてきた人。到達地点を決め過ぎちゃうと真っ直ぐに歩いちゃう気がする。わざとあいまいにした方が、いろんなところで寄り道をする。そうした方が振り返ったときに道が広いような気がする。僕の性に合っているのが、回り道」とする。
大学1年のときに第25回『MEN'S NON-NO モデルオーディション』に合格。ただ、すぐに事務所には所属しなかった。「声をかけてもらえるタイミングが1番いいのかなと思った。もし、声をかけてもらえなかったら、それはそれまでと思っていた」。待つ時間が長くても、それをポジティブにとらえる。22歳で現在の事務所に入ったことについて「タイミングがすごくよかった」ときっぱり。「若さが微妙になくなってきたときに始められたことで、学生ものもやったし、映画『64-ロクヨン-』では、いろんな役者さんとも芝居ができた」と前向きに捉える。
順調に仕事を重ねているように見えるが、「そうでもない」と自分では感じている。「去年は我慢することも多かった。4年しかやっていないですけど俳優人生の中で壁を感じました。あと少しで堂々と主演と胸を張れるような、中間にいるような」ともどかしさを口にした。「作品の中で重要な役回りをさせてもらえるようになりましたけど、作品を引っ張る役ではなかった。そういうときに、くせでバランスを取ろうとしていた。逆に1歩、引き過ぎていた。滞りなく進むようにバカにもなれたし、調整をしてしまった」と素直に打ち明ける。
ただ、本作では、その“壁”を真正面から打ち破る覚悟を見せる。「ブレていたわけじゃないですけど、これでいいのかなと思っていた。主演なら、もっともっとわがままを言っていかないと。作品のために譲れないものがあるなら、もっと明確に出していかないといけない」を秘めた思いを全面に出す。
昨年は飛躍の年と言われることもあったが「そんなことはなかった。バネで言うと縮む年。跳ねるための準備期間だったのかな」と実感を語り「今年は飛躍の年にしたい。『シグナル』で跳ねないと」と前を向いた。さらなる存在感を示すため、坂口健太郎は進化を見せる。
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2018/03/25