昨年、YouTubeにアップされるや瞬く間に拡散されて話題になった大阪府立登美丘高校ダンス部による『バブリーダンス』。バブルをイメージしたキレキレのダンスは、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)をはじめ多くのテレビで披露され、動画公開から半年も経たずに4600万回再生を突破。さらに、同ダンス部は映画『グレイテスト・ショーマン』のPR大使に就任し、主題歌「This Is Me」のMVにも出演。そんな社会的ブームとなった同部を指導するのが振付師のakaneだ。現在25歳の彼女は、部のOGとしてコーチや映像制作を務めるだけでなく、演出家としても活躍。そんな次世代プロデューサーに、“受け身”だった現役女子高生たちと作品を作り上げていくまでの苦悩や指導の秘訣を聞いた。
■厳しい指導も信頼関係があってこそ 「いつも高校生とゲラゲラ笑っている」
――昨年からの活躍は奇跡的な出来事のようですけど、必然性を感じます。そんなプロデュース力を持ったakaneさんは、登美丘高校のOGですよね。現在25歳でコーチとして活躍するまでどのように活動されていたのでしょうか。
【akane】 高校を卒業して日本女子体育大学に進学して、次の年から大会作品を作るようになりました。高校時代から自分が作品を作っていたので、後輩から「助けて下さい!」と言われたので(笑)。大学時代、帰省するたびに教えて、また東京に戻っての繰り返しでしたね。
――大学在学中から振付師を目指していたのでしょうか。
【akane】 大学時代はダンスの道と言ったら踊るという概念しかなかったですが、私が大学を卒業するタイミングで初めて全国大会で優勝できたんです。それで、生徒たちと同じようにだんだんと目標が定まって行きましたね。それに、高校生相手で勉強になることもたくさんあるんですよね。高校生という短い期間の中で「今しかできないことをしよう」と全力で取り組んでくれるので、やりがいを感じる部分かなと思います。
――高校生から教えられることがあるとのことですが、akaneさん自身は指導が厳しい印象があります。きっと強い信頼関係があるんでしょうね。
【akane】 そうですね。テレビでは怒っているところばかり取り上げられがちですが(笑)。世の中で言ったら厳しい方になるのかもしれないですけど、普通に高校生と日常会話とかしてゲラゲラ笑っているので、私自身も割と子どもなのかなとも思います。
――同じ目線だからこそ、akaneさんが真剣に向き合ってくれているのが伝わるんでしょうね。
【akane】 そうですね。それに、厳しいのは部活に限らずどこの現場でも同じです。自分の中で“これでいい”ってなる瞬間までは絶対に譲れないだけなんです。
■『バブリーダンス』で見せる振り切った表現力の裏側 「自発的に踊らせるまでが大変」
――生徒の皆さんもそれがわかっているからこそだと思うのですが、パフォーマンスを見ていても表情など振り切っていますよね。あれは、自発的にやっているものなのでしょうか。
【akane】 自発的にさせるためには労力が必要なんです。やっぱり誰もが最初からダンスをやっていたわけではないし、自分の感情とか表現できるわけではないですよね。やらされているのではなく自分自身で表現するということが大事なので、感情を刺激して内側から出せるようにしないといけないんです。
――感情を出すことで見ている人に伝わっている部分も大きいですね。
【akane】 ただ、自分の感情を出せる子が年々少なくなっているように思うんです。例えば生徒同士でケンカするのも減っているように思うし、誰かがやるまで様子を見ているとか、周りのことを見ながら自由に踊っていないとか…。差がついたり、自分が人と違ったりするのが怖いというような感じがあります。そういう意味では自発的に踊らせるところに行くまでが大変な部分ではありますね。
――それは、部活動はもちろん指導する立場の人だったら皆さん悩む部分だと思います。でも、実際に自発的に表現して全国大会で優勝できるレベルまで導いていますよね。
【akane】 まず全員が同じ気持ちにならないといけないので、ビジョンはどこなのかを確認して、「日本一」という目標を決めたのであれば、私もそれに合わせた指導をしていきます。そして、そこからのプロセスが一番大事ですね。例えば大会だと表面的に見えるのは2分半のダンスですけど、その間に自分たちがどれだけの努力をして、どんな感情になったか。また、協力してくれた人に対してどのように返していくのかというのも一人一人が考えてやっていかないといけないですね。
■“普通の高校生”がテレビ出演で大舞台へ 「『自分でやらないと!』と、顔つきが変わった」
――“協力してくれた人へ返す”という点では、生徒の皆さんのご家族も衣装を作ってくれているんですよね。
【akane】 そうなんです。『バブリーダンス』だと古着屋とかで買ってきた衣装もたくさんあるんですけど、自分で手を加えてほしいと言っています。ただ、生徒たちも授業があって部活があって、また次の日も朝から練習があって…。やっぱり家族の協力なくては絶対に完成しない。だからこそ、その衣装は絶対大切にしますし、それもひとつの作品になりますよね。
――自分だけでやっているわけではない意識は大きな糧ですね。
【akane】 卒業する時には支えてくれた人への感謝は自ずと出てきますね。年頃の子たちなので家族への反抗期が重なってて、やっぱりケンカしながら衣装作っているとか聞きますが、私も実際そうだったから分かるんです。親御さんも「前回は後ろで踊っていたのに、今回は前列で踊っている!」みたいに成長していく姿を見て、応援したい気持ちが強くなっていくんです。ただ、その協力も当たり前のことではないので、チーム一同、慢心しないでもっと向上していかなきゃいけないって常に思います。
――更に、去年の活動で意識が変わった部分はありますか?
【akane】 意識は変わりましたね! 今まではそれこそ普通の高校生で、「やってきてね」ってこともやらないし、「自分の衣装に名前を書きなさいよ」って言っても、書かないで無くして「どうしよう…」って(笑)。
――テレビに出ることでステージに立つ意識がより明確になった感じでしょうか。
【akane】 「自分でやらないと!」という感じになったし、 テレビに映る自分を見て衣装とか「もっときれいにしないとダメだな」って。顔つきは本当に変わりました。
――そんな昨年の活躍と生徒たちの意識の変化があって、映画『グレイテスト・ショーマン』のPR大使としてのパフォーマンス。「This Is Me」という曲自体もakaneさんでしたり、生徒の皆さんにも通じる部分があるのでは?
【akane】 ありましたね。ダンス部と重なる部分がたくさんありましたし、映画のメイキング映像でも自分と重なる部分がありました。
――では、作品のコンセプトとしてはダンス部を表現した感じでしょうか。
【akane】 そうですね。先ほどもありましたけど、自発的に自分自身をこうしたいとか自発的に感情出したいっていうのが難しかった子たちが多いので、ほとんどの生徒たちがそこに共感できたでしょうね。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
■厳しい指導も信頼関係があってこそ 「いつも高校生とゲラゲラ笑っている」
――昨年からの活躍は奇跡的な出来事のようですけど、必然性を感じます。そんなプロデュース力を持ったakaneさんは、登美丘高校のOGですよね。現在25歳でコーチとして活躍するまでどのように活動されていたのでしょうか。
【akane】 高校を卒業して日本女子体育大学に進学して、次の年から大会作品を作るようになりました。高校時代から自分が作品を作っていたので、後輩から「助けて下さい!」と言われたので(笑)。大学時代、帰省するたびに教えて、また東京に戻っての繰り返しでしたね。
――大学在学中から振付師を目指していたのでしょうか。
【akane】 大学時代はダンスの道と言ったら踊るという概念しかなかったですが、私が大学を卒業するタイミングで初めて全国大会で優勝できたんです。それで、生徒たちと同じようにだんだんと目標が定まって行きましたね。それに、高校生相手で勉強になることもたくさんあるんですよね。高校生という短い期間の中で「今しかできないことをしよう」と全力で取り組んでくれるので、やりがいを感じる部分かなと思います。
――高校生から教えられることがあるとのことですが、akaneさん自身は指導が厳しい印象があります。きっと強い信頼関係があるんでしょうね。
【akane】 そうですね。テレビでは怒っているところばかり取り上げられがちですが(笑)。世の中で言ったら厳しい方になるのかもしれないですけど、普通に高校生と日常会話とかしてゲラゲラ笑っているので、私自身も割と子どもなのかなとも思います。
――同じ目線だからこそ、akaneさんが真剣に向き合ってくれているのが伝わるんでしょうね。
【akane】 そうですね。それに、厳しいのは部活に限らずどこの現場でも同じです。自分の中で“これでいい”ってなる瞬間までは絶対に譲れないだけなんです。
■『バブリーダンス』で見せる振り切った表現力の裏側 「自発的に踊らせるまでが大変」
――生徒の皆さんもそれがわかっているからこそだと思うのですが、パフォーマンスを見ていても表情など振り切っていますよね。あれは、自発的にやっているものなのでしょうか。
【akane】 自発的にさせるためには労力が必要なんです。やっぱり誰もが最初からダンスをやっていたわけではないし、自分の感情とか表現できるわけではないですよね。やらされているのではなく自分自身で表現するということが大事なので、感情を刺激して内側から出せるようにしないといけないんです。
――感情を出すことで見ている人に伝わっている部分も大きいですね。
【akane】 ただ、自分の感情を出せる子が年々少なくなっているように思うんです。例えば生徒同士でケンカするのも減っているように思うし、誰かがやるまで様子を見ているとか、周りのことを見ながら自由に踊っていないとか…。差がついたり、自分が人と違ったりするのが怖いというような感じがあります。そういう意味では自発的に踊らせるところに行くまでが大変な部分ではありますね。
――それは、部活動はもちろん指導する立場の人だったら皆さん悩む部分だと思います。でも、実際に自発的に表現して全国大会で優勝できるレベルまで導いていますよね。
【akane】 まず全員が同じ気持ちにならないといけないので、ビジョンはどこなのかを確認して、「日本一」という目標を決めたのであれば、私もそれに合わせた指導をしていきます。そして、そこからのプロセスが一番大事ですね。例えば大会だと表面的に見えるのは2分半のダンスですけど、その間に自分たちがどれだけの努力をして、どんな感情になったか。また、協力してくれた人に対してどのように返していくのかというのも一人一人が考えてやっていかないといけないですね。
■“普通の高校生”がテレビ出演で大舞台へ 「『自分でやらないと!』と、顔つきが変わった」
――“協力してくれた人へ返す”という点では、生徒の皆さんのご家族も衣装を作ってくれているんですよね。
【akane】 そうなんです。『バブリーダンス』だと古着屋とかで買ってきた衣装もたくさんあるんですけど、自分で手を加えてほしいと言っています。ただ、生徒たちも授業があって部活があって、また次の日も朝から練習があって…。やっぱり家族の協力なくては絶対に完成しない。だからこそ、その衣装は絶対大切にしますし、それもひとつの作品になりますよね。
――自分だけでやっているわけではない意識は大きな糧ですね。
【akane】 卒業する時には支えてくれた人への感謝は自ずと出てきますね。年頃の子たちなので家族への反抗期が重なってて、やっぱりケンカしながら衣装作っているとか聞きますが、私も実際そうだったから分かるんです。親御さんも「前回は後ろで踊っていたのに、今回は前列で踊っている!」みたいに成長していく姿を見て、応援したい気持ちが強くなっていくんです。ただ、その協力も当たり前のことではないので、チーム一同、慢心しないでもっと向上していかなきゃいけないって常に思います。
――更に、去年の活動で意識が変わった部分はありますか?
【akane】 意識は変わりましたね! 今まではそれこそ普通の高校生で、「やってきてね」ってこともやらないし、「自分の衣装に名前を書きなさいよ」って言っても、書かないで無くして「どうしよう…」って(笑)。
――テレビに出ることでステージに立つ意識がより明確になった感じでしょうか。
【akane】 「自分でやらないと!」という感じになったし、 テレビに映る自分を見て衣装とか「もっときれいにしないとダメだな」って。顔つきは本当に変わりました。
――そんな昨年の活躍と生徒たちの意識の変化があって、映画『グレイテスト・ショーマン』のPR大使としてのパフォーマンス。「This Is Me」という曲自体もakaneさんでしたり、生徒の皆さんにも通じる部分があるのでは?
【akane】 ありましたね。ダンス部と重なる部分がたくさんありましたし、映画のメイキング映像でも自分と重なる部分がありました。
――では、作品のコンセプトとしてはダンス部を表現した感じでしょうか。
【akane】 そうですね。先ほどもありましたけど、自発的に自分自身をこうしたいとか自発的に感情出したいっていうのが難しかった子たちが多いので、ほとんどの生徒たちがそこに共感できたでしょうね。
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2018/02/16