映像配信サービスの世界大手「Netflix」のオリジナル映画『ブライト』(22日より配信中)のプロモーションで、主演のウィル・スミスが来日。20日に都内で行われたジャパンプレミアでは、厳しい寒さにも関わらず、集まった報道陣からのインタビューやファンサービスに笑顔で応じていた。翌日の記者会見では、自らマスコミのマイクランナーを務めて会場の笑いを誘い、フォトセッションのためにイスを片付けるスタッフを手伝うなど、ナイスガイぶりを発揮して盛り上げた。あの「ごきげん力」の源は何か。本人に聞いた。
ウィルの来日は、映画『スーサイド・スクワッド』(2016年)以来、1年3ヶ月ぶり、14回目。親日家で知られ、ファンにも、記者にも、その場にいるすべての人に、気さくに接するが、「メン・イン・ブラック」シリーズや『幸せのちから』(06年)、『アイ・アム・レジェンド』(07年)など、ジャンルを問わず出演作がヒットするアメリカ屈指の「ドル箱俳優」、超大物、あえて京ことばでいわせていただくと、「ほんまもん」だ。どうしてそこまでサービス精神旺盛になれて、人を楽しませることを楽しめるのか。ウィルは即答した。
「私のモットーは、人生をより良いものにしていくこと。それが自分の存在意義というか、中枢にある考えです。朝、ベッドで目が覚めてから、1日に25回から30回くらい、自分に問いかけます。自分の人生が、周囲の人たちの人生が、より良いものになるように、良い行いができているか、と。それをより大きな世界に発信できるのかもね」。
それが、きれい事でないことを『ブライト』で共演したジョエル・エドガートンが証明する。「外側から見ていて、ウィルが言ったとおりの行いをしていると思う。そういう考えを持っていたことを知らなかったけれど、そばで彼を見ていたらわかる。現場の雰囲気は、ほかの映画よりもずっと良かった。だってウィルがキャプテンだからね」。
ジョエルのことばがリップサービスでないことも、その後の二人のやりとりを見て納得。ちなみに、ジョエルも「スター・ウォーズ」シリーズでオーウェン・ラーズ役に抜てきされ(02年『エピソード2/クローンの攻撃』、05年『エピソード3/シスの復讐』に出演)、『アニマル・キングダム』(10年)や『華麗なるギャツビー』(12年)、『ゼロ・ダーク・サーティ』(16年)などの話題作に出演。監督・製作・脚本・出演を務めた『ザ・ギフト』(15年)でその才能を見せ付けた“大物”だ。
ジョエルが笑いながら「私はもっと利己的で、自分勝手。モットーは、“私の”人生をどうより良くするかです」と言うと、その場にいた誰よりも大きな声でウィルが笑った。ジョエルが続ける。「冗談はさておき、私の場合は、自分の人生の時間の一部をかけて携わった作品について、何か重要なメッセージが込められたものであれば、そのメッセージを伝えたいと思うし、娯楽映画であれば観客を思いっきり楽しませたい。それを世の中に発信できたらいいな、と思う。ウィルが言っていることよりかなり小さいですが(笑)」。
そこで、ウィルがまた大笑いした。お互いをリスペクトし合っていることが伝わってきたし、成功している人たちの根っこは一緒なんだと改めて思い知らされた。実は彼ら、12月10日のブラジル・サンパウロを皮切りに、米ロサンゼルス、英ロンドン、インド・ムンバイを経て東京と、2週間足らずで地球を一周する強行軍だったにもかかわらず、2人とも疲れをみせることもなく上機嫌でインタビューに応じてくれたのだ。
映画『ブライト』は、超人的な能力を持つエルフ族が階級の頂点に立ち、次に人間、そして過去に魔法を使って反乱を起こした罪と見た目の醜さから忌み嫌われる最下層のオーク族が共存する、もうひとつの世界のロサンゼルを舞台にした物語。ロサンゼルス市警察のベテラン警官で、人間のウォード(ウィル)は、オークで初めて警官になった新人のジャコビー(ジョエル)と嫌々ながらもコンビを組んでいた。ある日、巡回中にどんな願いもかなえてくれるパワーを持つ“魔法の杖(マジック・ワンド)”と謎の少女に遭遇したことで、その杖をめぐる争いに巻き込まれていく。
できれば嫌われ者のオークとは距離を置きたいと願っているが、妻と娘と一緒に暮らす家のローンを払い終えるための退職金目当てに刑事の仕事を続けているウォード。差別する側を演じたウィルは、こともなげに「僕自身いじめのターゲットにされたことがあったので、劇中ではどういじめればいいのかよくわかっていた」と話していたのだ。
「僕が演じたのは黒人の警官で、オークに差別意識を持っている。通常とは違う社会的構造の中で、人種差別や偏見といった辛辣な現実を見ることができるんだ。しかし、ファンタジーというシュガーコーティングができるから、美しい形で観客にメッセージを届けられる」と作品の魅力を語っていた。
魔法の使い手が登場するファンタジックな世界でありながら、ロサンゼルスを舞台にした刑事ものとして、ガソリンスタンドを丸ごと吹き飛ばす大爆破シーンや銃撃戦、ワイヤーを使ったバトルシーンなど、ド派手なアクションが満載。さらに、警官コンビのテンポの良いやりとりと、戦いの中で育くまれていく友情というバディものの魅力も加わって、マルチジャンルの傑作に仕上がった。ウィルが出る映画に(ジョエルもだが)間違いなし。観る者を「ごきげん」にしてくれる。
ウィルの来日は、映画『スーサイド・スクワッド』(2016年)以来、1年3ヶ月ぶり、14回目。親日家で知られ、ファンにも、記者にも、その場にいるすべての人に、気さくに接するが、「メン・イン・ブラック」シリーズや『幸せのちから』(06年)、『アイ・アム・レジェンド』(07年)など、ジャンルを問わず出演作がヒットするアメリカ屈指の「ドル箱俳優」、超大物、あえて京ことばでいわせていただくと、「ほんまもん」だ。どうしてそこまでサービス精神旺盛になれて、人を楽しませることを楽しめるのか。ウィルは即答した。
「私のモットーは、人生をより良いものにしていくこと。それが自分の存在意義というか、中枢にある考えです。朝、ベッドで目が覚めてから、1日に25回から30回くらい、自分に問いかけます。自分の人生が、周囲の人たちの人生が、より良いものになるように、良い行いができているか、と。それをより大きな世界に発信できるのかもね」。
それが、きれい事でないことを『ブライト』で共演したジョエル・エドガートンが証明する。「外側から見ていて、ウィルが言ったとおりの行いをしていると思う。そういう考えを持っていたことを知らなかったけれど、そばで彼を見ていたらわかる。現場の雰囲気は、ほかの映画よりもずっと良かった。だってウィルがキャプテンだからね」。
ジョエルのことばがリップサービスでないことも、その後の二人のやりとりを見て納得。ちなみに、ジョエルも「スター・ウォーズ」シリーズでオーウェン・ラーズ役に抜てきされ(02年『エピソード2/クローンの攻撃』、05年『エピソード3/シスの復讐』に出演)、『アニマル・キングダム』(10年)や『華麗なるギャツビー』(12年)、『ゼロ・ダーク・サーティ』(16年)などの話題作に出演。監督・製作・脚本・出演を務めた『ザ・ギフト』(15年)でその才能を見せ付けた“大物”だ。
ジョエルが笑いながら「私はもっと利己的で、自分勝手。モットーは、“私の”人生をどうより良くするかです」と言うと、その場にいた誰よりも大きな声でウィルが笑った。ジョエルが続ける。「冗談はさておき、私の場合は、自分の人生の時間の一部をかけて携わった作品について、何か重要なメッセージが込められたものであれば、そのメッセージを伝えたいと思うし、娯楽映画であれば観客を思いっきり楽しませたい。それを世の中に発信できたらいいな、と思う。ウィルが言っていることよりかなり小さいですが(笑)」。
そこで、ウィルがまた大笑いした。お互いをリスペクトし合っていることが伝わってきたし、成功している人たちの根っこは一緒なんだと改めて思い知らされた。実は彼ら、12月10日のブラジル・サンパウロを皮切りに、米ロサンゼルス、英ロンドン、インド・ムンバイを経て東京と、2週間足らずで地球を一周する強行軍だったにもかかわらず、2人とも疲れをみせることもなく上機嫌でインタビューに応じてくれたのだ。
映画『ブライト』は、超人的な能力を持つエルフ族が階級の頂点に立ち、次に人間、そして過去に魔法を使って反乱を起こした罪と見た目の醜さから忌み嫌われる最下層のオーク族が共存する、もうひとつの世界のロサンゼルを舞台にした物語。ロサンゼルス市警察のベテラン警官で、人間のウォード(ウィル)は、オークで初めて警官になった新人のジャコビー(ジョエル)と嫌々ながらもコンビを組んでいた。ある日、巡回中にどんな願いもかなえてくれるパワーを持つ“魔法の杖(マジック・ワンド)”と謎の少女に遭遇したことで、その杖をめぐる争いに巻き込まれていく。
できれば嫌われ者のオークとは距離を置きたいと願っているが、妻と娘と一緒に暮らす家のローンを払い終えるための退職金目当てに刑事の仕事を続けているウォード。差別する側を演じたウィルは、こともなげに「僕自身いじめのターゲットにされたことがあったので、劇中ではどういじめればいいのかよくわかっていた」と話していたのだ。
「僕が演じたのは黒人の警官で、オークに差別意識を持っている。通常とは違う社会的構造の中で、人種差別や偏見といった辛辣な現実を見ることができるんだ。しかし、ファンタジーというシュガーコーティングができるから、美しい形で観客にメッセージを届けられる」と作品の魅力を語っていた。
魔法の使い手が登場するファンタジックな世界でありながら、ロサンゼルスを舞台にした刑事ものとして、ガソリンスタンドを丸ごと吹き飛ばす大爆破シーンや銃撃戦、ワイヤーを使ったバトルシーンなど、ド派手なアクションが満載。さらに、警官コンビのテンポの良いやりとりと、戦いの中で育くまれていく友情というバディものの魅力も加わって、マルチジャンルの傑作に仕上がった。ウィルが出る映画に(ジョエルもだが)間違いなし。観る者を「ごきげん」にしてくれる。
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2017/12/23