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藤巻潤、大映時代のギャラ事情を明かす 危険手当は「500円」

 俳優の藤巻潤(81)が9日、東京・新宿の角川シネマ新宿で開幕した『大映女優祭』(来年1月12日まで)で映画『女は二度生まれる』(1961年)の上映前トークイベントに参加。大物の隠されたエピソードを明かすと共に大映時代のギャラ事情を語った。

『大映女優祭』でトークイベントに登壇した藤巻潤 (C)ORICON NewS inc.

『大映女優祭』でトークイベントに登壇した藤巻潤 (C)ORICON NewS inc.

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 同映画祭は長谷川一夫さん、市川雷蔵さん、勝新太郎さん、船越英二さん、京マチ子、山本富士子中村玉緒ら伝説の俳優を数多く排出した映画会社・大映株式会社の設立75周年を記念して同映画館などで開催される。

 藤巻は第11期のニューフェイスとして大映に入社。「映画が好きとか、お芝居が好きというのが、きっかけではない。単純で俳優になればいくらかお金が入るかなと甘い考えだった」と俳優になった経緯を明かした。

 そんな藤巻だったが増村保造監督からは大いに鍛えられたという。新聞記者役を務めた際に「おたまじゃくし」という、たった一言のせりふを100回も繰り返えさせられた。「いろいろ変えるですけど、違うと。それで100回目になって、ようやく『藤巻、58回目が1番よかったよ』と言われる。僕だって、わからなくなりますよ(笑)。そんな苦労があったことが逆にいい思い出ですよ」と懐かしんだ。

 名だたる大女優とラブシーンを務めてきたが「画面を見てると楽しそうにやっているんじゃないかと思う。でも、ラブシーンは相手の顔に影を出しちゃいけないとか考えながらやるんで、ちっとも楽しくない」とぶっちゃけて笑わせた。

 また、当時のギャラ事情も明かした。義理の兄に極真空手の大山倍達さんがいたこともあり、アクションの吹き替えも多く担当。映画『野火』では船越さんの吹き替えをし「この花と木の間を走れ」というアバウトな指示のもと、危険な撮影をこなした。「それをやりますと1000円いただけた。昭和36年ぐらいですから、ラーメンが5、60円の時代。内訳は500円がお風呂代で500円が危険手当。若手の連中はやりたくてしょうがなかった」と当時の懐事情を明かし、観客を楽しませた。

 当時の盟友についても語った。雷蔵さんと勝さんはタイプが全く違ったという。雷蔵さんは仕事人タイプで「9時開始となると15分ぐらい前にセットで腰掛けて待っていた。あとで聞いたら『9時開始だったら9時には仕事ができる状態なんだ』と。遅刻は絶対に許されない」と振り返る。一方の豪放磊落(らいらく)な勝さんは「メイクアップ室にいたら勝さんが撮影に行った。そしたら10分もしないうちに戻ってきた。勝さんに聞いたら『昨日、飲み過ぎたせいもあるんだけど監督が目が赤いから中止だって』と。その撮影は『座頭市』なんで、ほとんど目をつぶっているのに」と勝さんらしいエピソードを明かした。

 観客からの質問コーナーも実施。京マチ子ファンの女性から近況を問われると「うわさですけど、現在はニューヨークに住まれているらしい。元気は元気」と近況を明かした。最後に藤巻は「ものすごい財産だと思います。大映があったことを語り継いでほしい。今は“ダイエー”っていうとスーパーになっちゃいますけど」と呼びかけた。

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  • 『大映女優祭』でトークイベントに登壇した藤巻潤 (C)ORICON NewS inc.
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