「げつく」と聞けば、たいていの人は「月9」と脳内変換し、フジテレビ系で毎週月曜午後9時から放送しているドラマを思い浮かべるに違いない。現在につながる「月9」の歴史は、1987年『アナウンサーぷっつん物語』(主演は岸本加世子)にはじまり、今年で30周年。若者を中心にムーブメントを起こしてきた「月9」はこれからどこへ向かうのか。また、10月改編で「日9」のドラマ枠が終了し、フジテレビ制作のドラマは「木10」と2本になった。連続ドラマはテレビ局の“顔”。フジテレビの第一制作室 企画担当部長・保原賢一郎氏に方針を聞いた。
7月期に「月9」で放送された『コード・ブルー−ドクターヘリ緊急救命−3rd season』は、初回と最終回で16.0%超を記録、10回の平均も14.0%超えで、夏ドラマで一番のヒット作となった。23日スタートの10月期『民衆の敵〜世の中、おかしくないですか!?〜』は、市議会議員を目指す子育てママが主人公で、篠原涼子が主演する。
前作から7年ぶりの『コード・ブルー』は、メインキャストの続投と若手俳優の投入で幅広い視聴者層に支持された。『民衆の敵』では篠原のほか、高橋一生、石田ゆり子などをキャスティングし、内容的にも40代・50代のかつての「月9」に熱中した世代にリーチしそう。「月9」といえば、「若者向け」「恋愛もの」といったイメージを抱いている方がもう古いのか。
保原氏は「社内的にも月9はフジテレビのフラッグシップ、“顔”みたいなところがあります。月9が元気なら、全体が活気づく。10月期の『民衆の敵』もオールスターキャストに集まっていただき、どのカットを見てもスターが出ている。月9感という言葉がまだ生きているならば、それは失われていないと思います」と話す。
過去の月9ラインナップを振り返ってみると、『ガリレオ』や『HERO』のように“恋愛もの”以外の作品もあるが、どれも“豪華キャスト”であることには違いない。
「週の頭の月曜よる9時台、若い人からお年寄りまで、1週間を明るく元気に過ごせるように、キラキラしたエンターテインメントを視聴者の皆さんに届けたいというのは、一貫しています。『民衆の敵』もオールターゲットで観られる、爽快で痛快なエンターテインメントを楽しんでいただけるように企画した作品です」(保原氏)。
「木10」はどうだろう。女性が主人公のドラマが多いイメージだが、「月9はより話題性を、木10はより見応えのある作品性を重視した作品のラインナップになっています」と保原氏が語るように、10月期は浅野忠信と神木隆之介が出演する『刑事ゆがみ』を放送中だ。かつて話題をさらった『昼顔〜平日 午後3時の恋人たち〜』のような不倫を描いた作品を面白いと思っていた視聴者層にも訴求できるように、捕物帳だけにこだわらず、刑事と犯人の内面に特化した人間ドラマを描き、見応え感に厚みを持たせるように意識しているという。
「いまは地上波で放送されるドラマだけでなく、有料チャンネルや配信サービスにも魅力的なコンテンツがあり、海外ドラマという選択肢も増えている中、視聴者に選んでもらえる作品を作っていこうと考えるのであれば、企画・発想の幅は広げたほうがいいでしょう。テレビを視聴する環境が変わってきている中で、若い世代に新たなドラマファンを作る努力をしながらも、ずっとドラマを見続けてくださっている人たちの年齢変化も考慮した、オールターゲットで観られるエンターテインメントを提案していく必要があると考えています」(保原氏)
10年ひと昔というが、20年、30年と時が経てば、社会情勢も人もそれぞれ置かれている状況は大きく変化する。スマートフォンの普及が与えた影響は計り知れないし、その変化に合わせていかなければならないのは、ドラマづくりに限ったことではない。それでも変わらないのが、やはり連続ドラマがテレビの看板であるということだ。それを踏まえて、これまで視聴してくれていた層と、新たな層を取り込めるように「枠」についたイメージを生かしながらも、捉われずにエンターテインメント作品を訴求して、「結果、翌日の活力にしていただければ。『フジのドラマを見ると元気になるね』と言われたい、という思いはずっといままでも、これからも変わらずにやってきたい」と、保原氏は思いを語った。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
7月期に「月9」で放送された『コード・ブルー−ドクターヘリ緊急救命−3rd season』は、初回と最終回で16.0%超を記録、10回の平均も14.0%超えで、夏ドラマで一番のヒット作となった。23日スタートの10月期『民衆の敵〜世の中、おかしくないですか!?〜』は、市議会議員を目指す子育てママが主人公で、篠原涼子が主演する。
前作から7年ぶりの『コード・ブルー』は、メインキャストの続投と若手俳優の投入で幅広い視聴者層に支持された。『民衆の敵』では篠原のほか、高橋一生、石田ゆり子などをキャスティングし、内容的にも40代・50代のかつての「月9」に熱中した世代にリーチしそう。「月9」といえば、「若者向け」「恋愛もの」といったイメージを抱いている方がもう古いのか。
保原氏は「社内的にも月9はフジテレビのフラッグシップ、“顔”みたいなところがあります。月9が元気なら、全体が活気づく。10月期の『民衆の敵』もオールスターキャストに集まっていただき、どのカットを見てもスターが出ている。月9感という言葉がまだ生きているならば、それは失われていないと思います」と話す。
過去の月9ラインナップを振り返ってみると、『ガリレオ』や『HERO』のように“恋愛もの”以外の作品もあるが、どれも“豪華キャスト”であることには違いない。
「週の頭の月曜よる9時台、若い人からお年寄りまで、1週間を明るく元気に過ごせるように、キラキラしたエンターテインメントを視聴者の皆さんに届けたいというのは、一貫しています。『民衆の敵』もオールターゲットで観られる、爽快で痛快なエンターテインメントを楽しんでいただけるように企画した作品です」(保原氏)。
「木10」はどうだろう。女性が主人公のドラマが多いイメージだが、「月9はより話題性を、木10はより見応えのある作品性を重視した作品のラインナップになっています」と保原氏が語るように、10月期は浅野忠信と神木隆之介が出演する『刑事ゆがみ』を放送中だ。かつて話題をさらった『昼顔〜平日 午後3時の恋人たち〜』のような不倫を描いた作品を面白いと思っていた視聴者層にも訴求できるように、捕物帳だけにこだわらず、刑事と犯人の内面に特化した人間ドラマを描き、見応え感に厚みを持たせるように意識しているという。
「いまは地上波で放送されるドラマだけでなく、有料チャンネルや配信サービスにも魅力的なコンテンツがあり、海外ドラマという選択肢も増えている中、視聴者に選んでもらえる作品を作っていこうと考えるのであれば、企画・発想の幅は広げたほうがいいでしょう。テレビを視聴する環境が変わってきている中で、若い世代に新たなドラマファンを作る努力をしながらも、ずっとドラマを見続けてくださっている人たちの年齢変化も考慮した、オールターゲットで観られるエンターテインメントを提案していく必要があると考えています」(保原氏)
10年ひと昔というが、20年、30年と時が経てば、社会情勢も人もそれぞれ置かれている状況は大きく変化する。スマートフォンの普及が与えた影響は計り知れないし、その変化に合わせていかなければならないのは、ドラマづくりに限ったことではない。それでも変わらないのが、やはり連続ドラマがテレビの看板であるということだ。それを踏まえて、これまで視聴してくれていた層と、新たな層を取り込めるように「枠」についたイメージを生かしながらも、捉われずにエンターテインメント作品を訴求して、「結果、翌日の活力にしていただければ。『フジのドラマを見ると元気になるね』と言われたい、という思いはずっといままでも、これからも変わらずにやってきたい」と、保原氏は思いを語った。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
コメントする・見る
2017/10/22