俳優・渡辺徹が妻・榊原郁恵と朗読劇『徹 郁恵てづくりライブ ものがたり朗読 いまさらふたりで』(11月28日、東京グローブ座)で結婚30周年にして舞台初共演を果たすことが3日、わかった。渡辺が妻の10年来の夢である朗読劇をかなえるかたちで実現したもの。ORICON NEWSのインタビューに応じた渡辺は「俺からのありがとう、よく支えてくれたなっていう思いが入っています」と語った。
■舞台の夫婦共演を解禁 結婚直後以来約30年ぶり
2人は1987年10月に結婚し、まもなく30周年。記念すべき年に共演を解禁することになった。「あんまり言っていないんですけど結婚して30周年。妻は10年ぐらい前から絵本の読み聞かせみたいなことをやりたいと言っていた。偶然、グローブ座さんのスケジュールが取れたので、女房がやりたがっていたことを実現させてはどうかと思った」と開催理由を説明した。
15年に出演した『さんまのまんま』を除けば、2人の共演は結婚した直後まで遡る。「結婚してすぐぐらいにドラマで共演したことあったんですけど2人で話し合って共演するのをやめようってことになった」と懐かしむ。理由は明白。仕事とプライベートの境目がなくなったからだ。「同じ台本が同じ屋根の下にあるとお互いに口を出したくなる。仕事の話が決して嫌いじゃない2人なので。仕事場でも家でも、そういう空気が流れるのはいかんとキッパリ線を引いたんです」と裏側を明かした。
気恥ずかしさもあったという。「仕事場にお母さんが来ているような。学校でいる時の顔と家にいる時の顔は違うのに、どっちを使っていいかわからなくなる。そういう雰囲気もあったので。いい雰囲気や味が出るまでいいんじゃないかとなった」と照れながら語った。
■妻の夢を実現させるも「結婚30年がゴールじゃない。まだ発展途上」
約10年の間、榊原が持ち続けた熱い思いが渡辺を突き動かした。「ずっと持っていた彼女の夢を実現させたいなと思った。それを語る時の彼女の思いやエネルギーは大したもの。言っているだけで誰もやってあげないのはかわいそうだと思って、実現しようと思った。感謝も尊敬もある。いろんな意味が含まれているような気がしますね」。開催が決まってからというもの、昔に読み聞かせた絵本や渡辺がラジオ番組で読んだ絵本などを協力してかき集め「今の我が家は絵本だらけ」というほどお互いのエネルギーを注ぎ込んでいる。
振り返れば、常に榊原の支えによって仕事もプライベートも万事がうまくいっていると述懐する。「俺の方がいろんな迷惑をかけてきているような気がした。大きな病気もしたし、結婚してすぐのころには浮気がバレたりとか。常に女房に不安や心配をかけてきた。(朗読劇は)俺からのありがとう、よく支えてくれたなっていう思いは相まってますね」と感謝した。
ただ、やるからには内輪で終わるようなものではなく、大きな朗読劇にしたいという。演奏は芳垣安洋氏、高良久美子氏、ゲスト奏者としてアルパの志賀昭裕氏、演出は文学座の鵜山仁氏を迎える本格派。「お客さんに楽しんでいただけるものにする。ちゃんと芸に向き合いたい。郁恵もおれもありがたいことにいろんなジャンルの仕事をしている。無難に幅広くこなせるようになってきつつある。その中でも真剣に立ち向かっている姿を2人で一度見せたい」と力を込める。続けて「結婚30年がゴールじゃない。まだ発展途上で、ここから頑張っていこうねっていうメッセージを送りたい」と意欲を見せた。
■初対面の印象は最悪 それでもいつしか必要な存在に
そんな2人の出会いは、堺正章と榊原が司会、渡辺がゲストで出演した『ザ・トップテン』だ。自宅に榊原のポスターを貼っていたが、初対面の印象は最悪だったという。「渋谷公会堂だったかな。向こうから生の郁恵ちゃんが歩いてきた。『おはようございます!』って言ったら、イメージと違って、そっけない感じだった。テレビと違うじゃねーかと悪い印象を持ってしまった。後からわかるんですけど本番直前の忙しいときだったんです」。一方の榊原も失望していたという。「照れくささもあって、中学、高校のときにやってたギャグみたいなことをやった。後からわかるんですけど『チャラチャラして最低の役者』と思ったらしいです」。
それがドラマ『風の中のあいつ』で共演となった。「印象が最悪ですから下心も何もない。そうすると仲間の1人になっちゃう。終わってみると心にポカンと穴が空いた」と実際の相性はよかったことを確認。「第2シリーズが始まって相手にも『終わった途端に気が抜けた。また集まれて、スゲーうれしい』と言うと『私も、そう』って。そうすると、また仲良くなった。第2弾が終わって余計寂しい。理由は必要な人がいないから。『必要みたいだ』って言ったら『私も必要だ』って。それなら一緒にいる時間が長い方がいいなってことになった」と交際のきっかけを語った。
「だから、そこには好き嫌いとか、恋愛感情じゃなかった。よく言うんですけど好きっていうのは飽きるんですけど、必要ってのは飽きが来ないんです。考えたくもないってときもあるけど必要だから仕方ないみたいな。だから長続きさせてもらっているのかな」と夫婦円満の内情を明かした。仲睦まじい夫婦の象徴とも言われるが自覚はない。「本人たちはおしどりとは思ってない。普通の夫婦と同じように、家の中じゃけんかもしている。よっぽど他の夫婦がすぐにダメになるだけじゃないですか」と豪快に笑った。
■夫婦の危機はやっぱり食べ物 最大の幸せは実父への気遣い
夫婦最初のけんかは渡辺が大好きな赤いウインナーではなく、あらびきウインナーを出されたことが原因なのは有名。やはり、けんかのきっかけは食べ物ばかりだという。朝に夕食の希望を問われて「しょうが焼き」と答えたにも関わらず、野菜の天ぷらで「それはないだろ!」と怒ったことや、逆に榊原が食べかけのまま放置していたアイスを食べられて激怒したことなど枚挙にいとまがない。
「今、聞くとほのぼのしてるけど、やってるときは真剣だよ。もう俺たちはやっていけないというぐらいの思いで、けんかをしている」と苦笑いで話し、2人はいつも真面目に怒りをぶつけ合うという。しかし「あるときは寝室にバリケードを作ったりした。ベッドや椅子で絶対に入れてやるかって思ったんです。ガタガタやっても無視してやろうと思ったら、簡単に入ってきた。笑っているからなんでかなって思ったら、外開きなのに(バリケードを)内側に作っちゃった。それで『バカじゃないの』って言われて…」と熱い気持ちとは裏腹に、どこか抜けていることも多いそうで最後は丸く収まるそう。
夫婦の危機もたくさんあれば、よかった瞬間も多い。結婚してよかった瞬間を問うと「まずは出産でしょうね。女房としての神々しさといったら。宝物でしょうね。あの穏やかな顔は…。普段、穏やかな顔は、ほとんど見せてもらえないから」と2男の子宝に恵まれたことにしみじみ。
また、渡辺の父への対応にも感服しているという。「うちのおふくろが3年前ぐらいに亡くなって、うちの親父も弱ってもきている。東京来いよと言っても、田舎にいたいという思いなので施設にお世話になっているんです。行けるときは行くんだけど地方が続いたりするとずっと行けないときもある。すると妻が全く知らないところで親父のところに行ってくれたりする。それを普通のこととしてやってくれている」と榊原の献身ぶりを明かす。「車で1時間半から2時間かかる。あいつも忙しくて、やっとできた時間は休みたいはずなんです。でも、さっと思い立ってやってくれているのは、ありがたいですね」とかしこまった。
そんな絶妙な関係性の夫婦がついに同じステージに立つ。「僕の我慢大会。恥ずかしいですもん」と話すが「規模は小さいサロンでもいいので定期的にやりたい。地方も行きたいねなんて言っている。どんどんと紡いで広がっていくといいな。そんな公演の第1弾ですね」と今後の展望を語った。
「これが終わりでない」と30年目にして新たな夫婦の境地を見せる渡辺徹、榊原郁恵夫妻。17日には「裏で郁恵も動いているので一家総出」というお笑いライブ『徹☆座公演3 渡辺徹☆プロデュース お笑いライブ2017』も開催する。さらなる夫婦の進化が楽しみだ。
■舞台の夫婦共演を解禁 結婚直後以来約30年ぶり
2人は1987年10月に結婚し、まもなく30周年。記念すべき年に共演を解禁することになった。「あんまり言っていないんですけど結婚して30周年。妻は10年ぐらい前から絵本の読み聞かせみたいなことをやりたいと言っていた。偶然、グローブ座さんのスケジュールが取れたので、女房がやりたがっていたことを実現させてはどうかと思った」と開催理由を説明した。
15年に出演した『さんまのまんま』を除けば、2人の共演は結婚した直後まで遡る。「結婚してすぐぐらいにドラマで共演したことあったんですけど2人で話し合って共演するのをやめようってことになった」と懐かしむ。理由は明白。仕事とプライベートの境目がなくなったからだ。「同じ台本が同じ屋根の下にあるとお互いに口を出したくなる。仕事の話が決して嫌いじゃない2人なので。仕事場でも家でも、そういう空気が流れるのはいかんとキッパリ線を引いたんです」と裏側を明かした。
気恥ずかしさもあったという。「仕事場にお母さんが来ているような。学校でいる時の顔と家にいる時の顔は違うのに、どっちを使っていいかわからなくなる。そういう雰囲気もあったので。いい雰囲気や味が出るまでいいんじゃないかとなった」と照れながら語った。
■妻の夢を実現させるも「結婚30年がゴールじゃない。まだ発展途上」
約10年の間、榊原が持ち続けた熱い思いが渡辺を突き動かした。「ずっと持っていた彼女の夢を実現させたいなと思った。それを語る時の彼女の思いやエネルギーは大したもの。言っているだけで誰もやってあげないのはかわいそうだと思って、実現しようと思った。感謝も尊敬もある。いろんな意味が含まれているような気がしますね」。開催が決まってからというもの、昔に読み聞かせた絵本や渡辺がラジオ番組で読んだ絵本などを協力してかき集め「今の我が家は絵本だらけ」というほどお互いのエネルギーを注ぎ込んでいる。
振り返れば、常に榊原の支えによって仕事もプライベートも万事がうまくいっていると述懐する。「俺の方がいろんな迷惑をかけてきているような気がした。大きな病気もしたし、結婚してすぐのころには浮気がバレたりとか。常に女房に不安や心配をかけてきた。(朗読劇は)俺からのありがとう、よく支えてくれたなっていう思いは相まってますね」と感謝した。
ただ、やるからには内輪で終わるようなものではなく、大きな朗読劇にしたいという。演奏は芳垣安洋氏、高良久美子氏、ゲスト奏者としてアルパの志賀昭裕氏、演出は文学座の鵜山仁氏を迎える本格派。「お客さんに楽しんでいただけるものにする。ちゃんと芸に向き合いたい。郁恵もおれもありがたいことにいろんなジャンルの仕事をしている。無難に幅広くこなせるようになってきつつある。その中でも真剣に立ち向かっている姿を2人で一度見せたい」と力を込める。続けて「結婚30年がゴールじゃない。まだ発展途上で、ここから頑張っていこうねっていうメッセージを送りたい」と意欲を見せた。
■初対面の印象は最悪 それでもいつしか必要な存在に
そんな2人の出会いは、堺正章と榊原が司会、渡辺がゲストで出演した『ザ・トップテン』だ。自宅に榊原のポスターを貼っていたが、初対面の印象は最悪だったという。「渋谷公会堂だったかな。向こうから生の郁恵ちゃんが歩いてきた。『おはようございます!』って言ったら、イメージと違って、そっけない感じだった。テレビと違うじゃねーかと悪い印象を持ってしまった。後からわかるんですけど本番直前の忙しいときだったんです」。一方の榊原も失望していたという。「照れくささもあって、中学、高校のときにやってたギャグみたいなことをやった。後からわかるんですけど『チャラチャラして最低の役者』と思ったらしいです」。
それがドラマ『風の中のあいつ』で共演となった。「印象が最悪ですから下心も何もない。そうすると仲間の1人になっちゃう。終わってみると心にポカンと穴が空いた」と実際の相性はよかったことを確認。「第2シリーズが始まって相手にも『終わった途端に気が抜けた。また集まれて、スゲーうれしい』と言うと『私も、そう』って。そうすると、また仲良くなった。第2弾が終わって余計寂しい。理由は必要な人がいないから。『必要みたいだ』って言ったら『私も必要だ』って。それなら一緒にいる時間が長い方がいいなってことになった」と交際のきっかけを語った。
「だから、そこには好き嫌いとか、恋愛感情じゃなかった。よく言うんですけど好きっていうのは飽きるんですけど、必要ってのは飽きが来ないんです。考えたくもないってときもあるけど必要だから仕方ないみたいな。だから長続きさせてもらっているのかな」と夫婦円満の内情を明かした。仲睦まじい夫婦の象徴とも言われるが自覚はない。「本人たちはおしどりとは思ってない。普通の夫婦と同じように、家の中じゃけんかもしている。よっぽど他の夫婦がすぐにダメになるだけじゃないですか」と豪快に笑った。
■夫婦の危機はやっぱり食べ物 最大の幸せは実父への気遣い
夫婦最初のけんかは渡辺が大好きな赤いウインナーではなく、あらびきウインナーを出されたことが原因なのは有名。やはり、けんかのきっかけは食べ物ばかりだという。朝に夕食の希望を問われて「しょうが焼き」と答えたにも関わらず、野菜の天ぷらで「それはないだろ!」と怒ったことや、逆に榊原が食べかけのまま放置していたアイスを食べられて激怒したことなど枚挙にいとまがない。
「今、聞くとほのぼのしてるけど、やってるときは真剣だよ。もう俺たちはやっていけないというぐらいの思いで、けんかをしている」と苦笑いで話し、2人はいつも真面目に怒りをぶつけ合うという。しかし「あるときは寝室にバリケードを作ったりした。ベッドや椅子で絶対に入れてやるかって思ったんです。ガタガタやっても無視してやろうと思ったら、簡単に入ってきた。笑っているからなんでかなって思ったら、外開きなのに(バリケードを)内側に作っちゃった。それで『バカじゃないの』って言われて…」と熱い気持ちとは裏腹に、どこか抜けていることも多いそうで最後は丸く収まるそう。
夫婦の危機もたくさんあれば、よかった瞬間も多い。結婚してよかった瞬間を問うと「まずは出産でしょうね。女房としての神々しさといったら。宝物でしょうね。あの穏やかな顔は…。普段、穏やかな顔は、ほとんど見せてもらえないから」と2男の子宝に恵まれたことにしみじみ。
また、渡辺の父への対応にも感服しているという。「うちのおふくろが3年前ぐらいに亡くなって、うちの親父も弱ってもきている。東京来いよと言っても、田舎にいたいという思いなので施設にお世話になっているんです。行けるときは行くんだけど地方が続いたりするとずっと行けないときもある。すると妻が全く知らないところで親父のところに行ってくれたりする。それを普通のこととしてやってくれている」と榊原の献身ぶりを明かす。「車で1時間半から2時間かかる。あいつも忙しくて、やっとできた時間は休みたいはずなんです。でも、さっと思い立ってやってくれているのは、ありがたいですね」とかしこまった。
そんな絶妙な関係性の夫婦がついに同じステージに立つ。「僕の我慢大会。恥ずかしいですもん」と話すが「規模は小さいサロンでもいいので定期的にやりたい。地方も行きたいねなんて言っている。どんどんと紡いで広がっていくといいな。そんな公演の第1弾ですね」と今後の展望を語った。
「これが終わりでない」と30年目にして新たな夫婦の境地を見せる渡辺徹、榊原郁恵夫妻。17日には「裏で郁恵も動いているので一家総出」というお笑いライブ『徹☆座公演3 渡辺徹☆プロデュース お笑いライブ2017』も開催する。さらなる夫婦の進化が楽しみだ。
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2017/09/04