「1億総タレント時代」と呼ばれるようになって久しいが、インスタグラムをはじめとするSNSの台頭も相まってその勢いは日を追って加速の一途にある。まさに「個性の時代」と言ってもいい状況だ。そして、それは音楽の世界においても成否を大きく分けるポイントとなる。ニューカマーにとっては、個性がなければ早々とエンターテインメントの荒野に埋没してしまいかねない。
いま、ミュージックシーンにおいて、人々に注目されている「個性」を発揮しているのはどんなアーティストなのか。最近1年間にメジャーデビューした新人バンドを対象に「個性」をキーワードにアンケート調査を行ったところ、「独特な世界観」で強烈なインパクトを放つバンドとして、<ヤバイTシャツ屋さん><神様、僕は気づいてしまった><魔法少女になり隊>の3組が上位にランクされた。
■強烈なインパクトで注目を集めるバンド3組
<神様、僕は気づいてしまった>は、ドラマ『あなたのことはそれほど』(TBS系)の主題歌「CQCQ」(この曲で2017年5月にメジャーデビュー)で大きく注目されたものの、どこのだれか(ボーカル、ギター)、東野へいと(ギター)、和泉りゅーしん(ベース)、蓮(ドラム)の4人というメンバー構成以外の個々のプロフィールは明かされておらず、ミュージックビデオにも覆面姿で登場するなど謎の多い存在だ。
<魔法少女になり隊>は、ラウドでポップ、ファンタジーなRPG系バンドというコンセプトで16年9月にメジャーデビュー。ボーカルの火寺バジルがしゃべれなくなる呪いをかけられたため、火寺バジル(ボーカル)、gari(VJ、ボーカル)、ウイ・ビトン(ギター)、明治(ギター)の4人が、歌という魔法を使ってライブ活動を行っているという設定は「ドラクエ」に熱狂する人々にも“刺さる”に違いない。
そんないずれ劣らぬ“猛者”を向こうにまわして、1位に輝いたのが<ヤバイTシャツ屋さん>だ。キラキラネームよろしく、インパクトに満ちたバンド名が生み出される風潮の強い昨今のバンドシーンだが、その中でも周囲の耳目を引きつけるという点では屈指の響きを持っているバンド名だといえるだろう。「名前からして独特。メンバーの個性も強烈」(10代/女性/愛媛)というように、まずはバンド名のユニークさに惹かれて楽曲を聴き、世界観にハマったというコメントが目立った。
■中毒性のある楽曲にハマるファン続出
もちろん、名前だけがインパクトを持っていても肝心の“作品”にそれに見合う独自性がなければ話にならないことは言うまでもない。あくまでバンド名は、人々に“振り向いてもらう”“見つけてもらう”ための手段であり、その入り口の向こうにある世界観、作品力が、足を踏み入れた人を逃がさない魅力に溢れていることが重要だ。しかし、その点でも彼ら(以下ヤバT)は十分に個性的なようだ。
「名前がインパクトあるので名前先行かなと思ったけど、曲も中毒性があっていい」(40代/女性/神奈川)、「綺麗事だけでなくて、リアルな人間くさい、学生あるあるを綴った曲がたくさんあって共感する。演奏も上手いので気分がアガる」(20代/女性/愛知)、「1つも役に立たない歌詞と癖になるリズムとメロディー」(30代/男性/新潟)、「歌詞の面白さとロックな演奏のギャップがすごい」(10代/女性/愛知)、「愛とか恋とかナルシシズムを歌わない…という個性。存在感も独特」(20代/女性/埼玉)など、コメントの多くは名前のそれよりも音楽性、世界観について触れたものが多い。単に“旬”だから乗っかったというのではない、聴き続けられるメロディーライン、自分たちの世界を作り上げている歌詞に注目しているファンの多さを裏付けるものだ。
また、「歌詞やミュージックビデオ(以下MV)が独特」(20代/女性/北海道)、「MVがとっても面白い。楽曲もにぎやか」(10代/女性/長崎)、「独創的なMV」(20代/女性/神奈川)など、MVに彼らの魅力を見出しているファンも多い。あらゆる角度からその個性を際立たせているスタンスに隙はなく、これらを総合して他とは一線を画す存在ということなのだろう。
■リスナーの実感としてはすでにブレイク
大阪芸術大学に在学していたメンバーによって結成されたアート的な視点、自主制作でCDをリリースしながら数々の大型ロック・フェスティバルに出演して鍛え上げたパフォーマンスと音楽性。16年のメジャーデビューに至ってもブレることなく突き進んできたコンセプトの強さが融合して、ヤバTは次代を担うバンドへと成長を遂げた。
16年11月に発売したメジャー1stアルバム『We love Tank−top』(累積売上2.6万枚)はコンスタントに売上を伸ばし、初動売上の2倍以上に伸長。今回の調査の「2017年上半期にブレイクしたと思う新人バンド」1位にも輝いており、リスナーの実感としてはすでにブレイクしている。それだけに、9月20日にリリースされるニューシングル「パイナップルせんぱい」が、どんな結果を残すのか、大いに気になるところである。
【調査概要】
調査対象:全国10〜50代男女
サンプル数:758人
調査期間:2017年6月26日〜7月4日
調査手法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ
※エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』掲載の「2016年上半期新人パーフェクトリスト」(2016年9/26号)、「2016年下半期〜」(2017年3/27号)から対象バンド23組をピックアップして調査を実施
いま、ミュージックシーンにおいて、人々に注目されている「個性」を発揮しているのはどんなアーティストなのか。最近1年間にメジャーデビューした新人バンドを対象に「個性」をキーワードにアンケート調査を行ったところ、「独特な世界観」で強烈なインパクトを放つバンドとして、<ヤバイTシャツ屋さん><神様、僕は気づいてしまった><魔法少女になり隊>の3組が上位にランクされた。
■強烈なインパクトで注目を集めるバンド3組
<神様、僕は気づいてしまった>は、ドラマ『あなたのことはそれほど』(TBS系)の主題歌「CQCQ」(この曲で2017年5月にメジャーデビュー)で大きく注目されたものの、どこのだれか(ボーカル、ギター)、東野へいと(ギター)、和泉りゅーしん(ベース)、蓮(ドラム)の4人というメンバー構成以外の個々のプロフィールは明かされておらず、ミュージックビデオにも覆面姿で登場するなど謎の多い存在だ。
<魔法少女になり隊>は、ラウドでポップ、ファンタジーなRPG系バンドというコンセプトで16年9月にメジャーデビュー。ボーカルの火寺バジルがしゃべれなくなる呪いをかけられたため、火寺バジル(ボーカル)、gari(VJ、ボーカル)、ウイ・ビトン(ギター)、明治(ギター)の4人が、歌という魔法を使ってライブ活動を行っているという設定は「ドラクエ」に熱狂する人々にも“刺さる”に違いない。
そんないずれ劣らぬ“猛者”を向こうにまわして、1位に輝いたのが<ヤバイTシャツ屋さん>だ。キラキラネームよろしく、インパクトに満ちたバンド名が生み出される風潮の強い昨今のバンドシーンだが、その中でも周囲の耳目を引きつけるという点では屈指の響きを持っているバンド名だといえるだろう。「名前からして独特。メンバーの個性も強烈」(10代/女性/愛媛)というように、まずはバンド名のユニークさに惹かれて楽曲を聴き、世界観にハマったというコメントが目立った。
■中毒性のある楽曲にハマるファン続出
もちろん、名前だけがインパクトを持っていても肝心の“作品”にそれに見合う独自性がなければ話にならないことは言うまでもない。あくまでバンド名は、人々に“振り向いてもらう”“見つけてもらう”ための手段であり、その入り口の向こうにある世界観、作品力が、足を踏み入れた人を逃がさない魅力に溢れていることが重要だ。しかし、その点でも彼ら(以下ヤバT)は十分に個性的なようだ。
「名前がインパクトあるので名前先行かなと思ったけど、曲も中毒性があっていい」(40代/女性/神奈川)、「綺麗事だけでなくて、リアルな人間くさい、学生あるあるを綴った曲がたくさんあって共感する。演奏も上手いので気分がアガる」(20代/女性/愛知)、「1つも役に立たない歌詞と癖になるリズムとメロディー」(30代/男性/新潟)、「歌詞の面白さとロックな演奏のギャップがすごい」(10代/女性/愛知)、「愛とか恋とかナルシシズムを歌わない…という個性。存在感も独特」(20代/女性/埼玉)など、コメントの多くは名前のそれよりも音楽性、世界観について触れたものが多い。単に“旬”だから乗っかったというのではない、聴き続けられるメロディーライン、自分たちの世界を作り上げている歌詞に注目しているファンの多さを裏付けるものだ。
また、「歌詞やミュージックビデオ(以下MV)が独特」(20代/女性/北海道)、「MVがとっても面白い。楽曲もにぎやか」(10代/女性/長崎)、「独創的なMV」(20代/女性/神奈川)など、MVに彼らの魅力を見出しているファンも多い。あらゆる角度からその個性を際立たせているスタンスに隙はなく、これらを総合して他とは一線を画す存在ということなのだろう。
■リスナーの実感としてはすでにブレイク
大阪芸術大学に在学していたメンバーによって結成されたアート的な視点、自主制作でCDをリリースしながら数々の大型ロック・フェスティバルに出演して鍛え上げたパフォーマンスと音楽性。16年のメジャーデビューに至ってもブレることなく突き進んできたコンセプトの強さが融合して、ヤバTは次代を担うバンドへと成長を遂げた。
16年11月に発売したメジャー1stアルバム『We love Tank−top』(累積売上2.6万枚)はコンスタントに売上を伸ばし、初動売上の2倍以上に伸長。今回の調査の「2017年上半期にブレイクしたと思う新人バンド」1位にも輝いており、リスナーの実感としてはすでにブレイクしている。それだけに、9月20日にリリースされるニューシングル「パイナップルせんぱい」が、どんな結果を残すのか、大いに気になるところである。
【調査概要】
調査対象:全国10〜50代男女
サンプル数:758人
調査期間:2017年6月26日〜7月4日
調査手法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ
※エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』掲載の「2016年上半期新人パーフェクトリスト」(2016年9/26号)、「2016年下半期〜」(2017年3/27号)から対象バンド23組をピックアップして調査を実施
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2017/08/29