日本の映画・ドラマ界では、高い演技力で脇役を務める“おじさま俳優”が脚光を浴びているが、ハリウッド映画超大作の『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』(7月1日公開)でも脇を固める“おじさま俳優”の活躍に注目したい。本作の悪役である“海の死神”サラザール役のハビエル・バルデム(48)と過去の4作品すべてに出演しているキャプテン・バルボッサ役のジェフリー・ラッシュ(65)。両者ともオスカー俳優だ。インタビュー取材では、話し好きなジェフリーと話し上手なハビエルの掛け合いが面白く、演技とのギャップに魅了された。
ハビエルは、スペイン、カナリア諸島ラスパルマス出身で、おじさまと呼ぶにはまだ若いのだが、『ノーカントリー』(2007年)で冷酷な殺人者を演じてアカデミー賞、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞の助演男優賞に輝き、『007 スカイフォール』(12年)での強烈な悪役ぶりも印象深い。本作では頭部の一部が欠け、伸びっぱなしの髪の毛はワカメのお化けみたいなビジュアルのサラザールを怪演している。
ジェフリーも、実在のピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットを演じた『シャイン』(1995年)でアカデミー賞およびゴールデングローブ賞の主演男優賞を受賞。出身国のオーストラリアの舞台からキャリアをスタートさせ、ハリウッドやブロードウェイに進出した。映画『恋におちたシェイクスピア』(98年)、『クイルズ』(2000年)、『英国王のスピーチ』(10年、製作総指揮も)でもアカデミー賞ノミネート。09年、舞台『瀕死の王』でトニー賞演劇部門主演男優賞も受賞している。12年には、映画芸術への貢献によりオーストラリアン・オブ・ザ・イヤーにも輝いた。
――ジャック・スパロウは好きですか?
【ジェフリー】僕らは彼が嫌いさ!(笑)
【ハビエル】やはりこの役をジョニー・デップが演じているところが気に入っています。彼こそが、ジャック・スパロウを愛すべき存在にしており、1作目から観客の印象に残るキャラクター像を構築したのは素晴らしいと思います。
――ハビエルは映画『夜になるまえに』(2000年)でジョニー・デップと共演していますが、今回、何か新たな発見はありましたか?
【ハビエル】ジョニーはとても寛大で素晴らしい共演者であり、優れた俳優です。あるライターが、彼がコメディーの分野のギネスブックに載り、人々からコメディー映画を象徴する俳優として知られていくだろうと話していました。私も同感ですし、共演しているといかに彼が才能にあふれ、有能であるだけでなく、度量の広い人物であるかに気づかされます。
――ジェフリーは『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊』(03年)から長い付き合いになりました。
【ジェフリー】ジョニーは1作目から、非常に優れた俳優であり、私に『バルボッサは猿と帽子が象徴的なように、僕はロックスターを役のアイデンティティーにしようと考えてるんだ』と言いました。そして『人生の半分を船上で過ごしているのだから、しっかり地に足を着けて歩けないというアイデアを取り入れたい』とも話していました。 船に乗った後に、地面に立つとまだ波の動きが感じられてフラフラしますからね。それだけでなく、『飲み水は汚いだろうから、大半の海賊はラム酒を飲んでるはずだ』とも口にしていました。
彼はこういったアイデアを寄せ集めて、完璧にオリジナルな役を作り上げていったのです。ジャック・スパロウが酔っ払っているのか、それとも実はすごく賢いのか、その両方なのかどうかも全く不明ですからね。彼は風変わりな人物であり、実存する真のヒーロー、そしてチャプリンのような道化者でもあるのです。これらすべてを持ち合わせ、ここぞという瞬間に勇気を見せ、『海賊だからしょうがない』とつぶやくところは、ささやかな賛辞と尊敬の念が込められているように思います。
――いつも意表を突く登場で驚かせてくれるバルボッサですが、今回は?
【ジェフリー】彼は裕福になりましたが、悪趣味で、お金の使い方についてはまるで無知。部屋にiPodを置く代わりに宮廷音楽家を乗船させ、ハンス・ジマー(『ライオン・キング』、『パール・ハーバー』、『レインマン』などの映画音楽を制作)のサウンドトラックのような音楽を聴いているのはどうかと、提案したのは私です。バルボッサは何か課題に出くわすまでは巨大な猫のように怠け者ですが、気まぐれで、欲望のままにかつて敵だった王の下でも働くサバイバーです。吐き気がするほど虚栄心も強い。しかし、今回のバルボッサにはいままでより少し感情的な見せ場があり、とても気に入っています。
――サラザール役を引き受けた理由、魅力は何ですか?
【ハビエル】たくさんあります。まず『パイレーツ・オブ・カリビアン』の映画が好きだということ。これまでの作品も全て観ていました。独自の物語を所有する『007』シリーズと共通するものがあると思っています。撮影現場でジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)やM(ジュディ・デンチ)を目の前にして、一瞬、素に戻ってしまったことがあったように、今回の現場でも同じようなことがバルボッサやジャック・スパロウを見たときにもありました。スペイン出身の俳優からすれば、このような作品で役を演じる機会を得るのは容易ではありませんから、サラザール役も特別なギフトのように感じています。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
ハビエルは、スペイン、カナリア諸島ラスパルマス出身で、おじさまと呼ぶにはまだ若いのだが、『ノーカントリー』(2007年)で冷酷な殺人者を演じてアカデミー賞、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞の助演男優賞に輝き、『007 スカイフォール』(12年)での強烈な悪役ぶりも印象深い。本作では頭部の一部が欠け、伸びっぱなしの髪の毛はワカメのお化けみたいなビジュアルのサラザールを怪演している。
ジェフリーも、実在のピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットを演じた『シャイン』(1995年)でアカデミー賞およびゴールデングローブ賞の主演男優賞を受賞。出身国のオーストラリアの舞台からキャリアをスタートさせ、ハリウッドやブロードウェイに進出した。映画『恋におちたシェイクスピア』(98年)、『クイルズ』(2000年)、『英国王のスピーチ』(10年、製作総指揮も)でもアカデミー賞ノミネート。09年、舞台『瀕死の王』でトニー賞演劇部門主演男優賞も受賞している。12年には、映画芸術への貢献によりオーストラリアン・オブ・ザ・イヤーにも輝いた。
――ジャック・スパロウは好きですか?
【ジェフリー】僕らは彼が嫌いさ!(笑)
【ハビエル】やはりこの役をジョニー・デップが演じているところが気に入っています。彼こそが、ジャック・スパロウを愛すべき存在にしており、1作目から観客の印象に残るキャラクター像を構築したのは素晴らしいと思います。
――ハビエルは映画『夜になるまえに』(2000年)でジョニー・デップと共演していますが、今回、何か新たな発見はありましたか?
【ハビエル】ジョニーはとても寛大で素晴らしい共演者であり、優れた俳優です。あるライターが、彼がコメディーの分野のギネスブックに載り、人々からコメディー映画を象徴する俳優として知られていくだろうと話していました。私も同感ですし、共演しているといかに彼が才能にあふれ、有能であるだけでなく、度量の広い人物であるかに気づかされます。
――ジェフリーは『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊』(03年)から長い付き合いになりました。
【ジェフリー】ジョニーは1作目から、非常に優れた俳優であり、私に『バルボッサは猿と帽子が象徴的なように、僕はロックスターを役のアイデンティティーにしようと考えてるんだ』と言いました。そして『人生の半分を船上で過ごしているのだから、しっかり地に足を着けて歩けないというアイデアを取り入れたい』とも話していました。 船に乗った後に、地面に立つとまだ波の動きが感じられてフラフラしますからね。それだけでなく、『飲み水は汚いだろうから、大半の海賊はラム酒を飲んでるはずだ』とも口にしていました。
彼はこういったアイデアを寄せ集めて、完璧にオリジナルな役を作り上げていったのです。ジャック・スパロウが酔っ払っているのか、それとも実はすごく賢いのか、その両方なのかどうかも全く不明ですからね。彼は風変わりな人物であり、実存する真のヒーロー、そしてチャプリンのような道化者でもあるのです。これらすべてを持ち合わせ、ここぞという瞬間に勇気を見せ、『海賊だからしょうがない』とつぶやくところは、ささやかな賛辞と尊敬の念が込められているように思います。
――いつも意表を突く登場で驚かせてくれるバルボッサですが、今回は?
【ジェフリー】彼は裕福になりましたが、悪趣味で、お金の使い方についてはまるで無知。部屋にiPodを置く代わりに宮廷音楽家を乗船させ、ハンス・ジマー(『ライオン・キング』、『パール・ハーバー』、『レインマン』などの映画音楽を制作)のサウンドトラックのような音楽を聴いているのはどうかと、提案したのは私です。バルボッサは何か課題に出くわすまでは巨大な猫のように怠け者ですが、気まぐれで、欲望のままにかつて敵だった王の下でも働くサバイバーです。吐き気がするほど虚栄心も強い。しかし、今回のバルボッサにはいままでより少し感情的な見せ場があり、とても気に入っています。
――サラザール役を引き受けた理由、魅力は何ですか?
【ハビエル】たくさんあります。まず『パイレーツ・オブ・カリビアン』の映画が好きだということ。これまでの作品も全て観ていました。独自の物語を所有する『007』シリーズと共通するものがあると思っています。撮影現場でジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)やM(ジュディ・デンチ)を目の前にして、一瞬、素に戻ってしまったことがあったように、今回の現場でも同じようなことがバルボッサやジャック・スパロウを見たときにもありました。スペイン出身の俳優からすれば、このような作品で役を演じる機会を得るのは容易ではありませんから、サラザール役も特別なギフトのように感じています。
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2017/06/24