アイドルの聖地といえば東京・秋葉原、地方アイドルが盛んな地域と言えば、福岡などが挙げられるが、ここ最近、愛知・名古屋のアイドルシーンが活発化しているようだ。名古屋といえば、これまでAKB48の姉妹グループ・SKE48やももいろクローバーZの後輩・チームしゃちほこらも拠点として活動を行ってきたが、現在、地域発の女性アイドルグループから男性グループまで百花繚乱となっているほか、ハロー!プロジェクトはこの8月より定期公演を開始。さかのぼってみればハードロックやヒップホップなど、音楽においては他の地域とは違う独自の流行発信基地となってきた名古屋だが、今度は新たな“アイドルの聖地”として注目を集めている。
■以前よりヒップホップなどの音楽が流行してきた名古屋
名古屋といえば、日本の五大都市圏の中でも東京、大阪に次ぐ規模を誇る都市圏で、中間地点に位置しているが、以前より「食」をはじめ独自の文化で存在感を放ってきた。なかでも音楽に関しては1990年代以降、今も熱烈なファンを持つヴィジュアル系の“名古屋系”と呼ばれるバンドや、2000年代に入ってからはSEAMO、nobodyknows+、HOME MADE 家族といった名古屋のクラブシーンから生まれたヒップホップ系アーティストが全国区でブレイクしたことにより、近年は音楽リスナーや業界関係者を中心に音楽の流行発信基地としても認知されている。
そしてここにきて、男女問わずアイドルグループの活躍が目立ってきている。女性グループでは、AKB48は最初の姉妹グループ進出の地として名古屋を選び、2008年にSKE48を結成したが、スターダストプロモーションも、地方を拠点に活動するももいろクローバーZの“妹分”第1弾として、2011年にチームしゃちほこを結成。地方アイドルでは、“名古屋の秋葉原”とも呼ばれる大須商店街から誕生したグループ、OS☆U(オーエスユー)は昨年、全国進出を果たしている。さらにモーニング娘。を擁するハロー!プロジェクトは、名古屋駅前のシネコン「ミッドランドスクエアシネマ2」で8月30日より定期公演をスタートさせた。
また、男性も全国の“武将隊”と呼ばれる地域PR部隊の火付け役となった名古屋おもてなし武将隊が引き続き人気を集めているほか、最近では今年5月発売のシングルが最高2位を記録したMAG!C PRINCE、8月発売のシングル「YAMATO☆Dancing」が初週21.1万枚を売り上げたBOYS AND MENなど、名古屋を中心とした東海エリアで熱烈な支持を受けるニューフェイスが続々と登場している。
■意外と“名古屋発”のエンタメコンテンツは少ない?
では、なぜ名古屋なのだろうか? 大きな要因となっているのが、名古屋特有の地域性だ。まずはメディアのバックアップ体制も整っていること。実は名古屋は先述のとおり、東京と大阪の中間に位置しているため、両都市圏からの交通の便がいいことに加えて、近年の発展で好景気に沸いているため、ローカル番組に当たり前のように全国区のタレントが出演している。逆に言えば、他の都市圏からエンタメを仕掛けやすい状況があるといえる。エンタメに感度が高い人が多いことに加えて、良くも悪くもさまざまな文化が流れ込んでいることで雑多になっている東京や大阪と比較すると、人は多いが多すぎることはなく、ほどよいマーケットサイズなのだ。
一方で、ローカル番組は東京や関西のメジャータレントが多数出演するなど豪華にはなっているものの、いまいち名古屋から新しいものを発信できていない感は否めない。近年の発展で工業分野などでは存在感を見せているが、文化となるとやはり他の都市圏と比較すると自己発信ができていないというジレンマ。大型都市圏の3番手に甘んじているというコンプレックスもあってか、たとえば中日ドラゴンズに熱狂的なファンが多かったりと、地元集団に一際強い愛を持って応援する傾向がある。逆に言えば、うまく地域性を取り込んだエンタメを作りアピールすることができればファンを獲得しやすいのだ。
さらに近年は自治体をあげてオタクコンテンツを活用した観光振興に力を入れており、毎年行われている「世界コスプレサミット」では、市長や愛知県知事も渾身のコスプレを披露している。アイドルだけでなく、さまざまなオタクコンテンツを受け入れる土壌が整ってきているのだ。そう考えると、アイドルはもちろん、名古屋全体がオタク自体の聖地となる日もそう遠くないかもしれない。シーンが盛り上がれば、それだけ出てくるグループの質も高くなっていく。さまざまなアイドルグループが切磋琢磨する中で、名古屋発アイドルの大ブレイクにも期待したいところだ。
■以前よりヒップホップなどの音楽が流行してきた名古屋
名古屋といえば、日本の五大都市圏の中でも東京、大阪に次ぐ規模を誇る都市圏で、中間地点に位置しているが、以前より「食」をはじめ独自の文化で存在感を放ってきた。なかでも音楽に関しては1990年代以降、今も熱烈なファンを持つヴィジュアル系の“名古屋系”と呼ばれるバンドや、2000年代に入ってからはSEAMO、nobodyknows+、HOME MADE 家族といった名古屋のクラブシーンから生まれたヒップホップ系アーティストが全国区でブレイクしたことにより、近年は音楽リスナーや業界関係者を中心に音楽の流行発信基地としても認知されている。
そしてここにきて、男女問わずアイドルグループの活躍が目立ってきている。女性グループでは、AKB48は最初の姉妹グループ進出の地として名古屋を選び、2008年にSKE48を結成したが、スターダストプロモーションも、地方を拠点に活動するももいろクローバーZの“妹分”第1弾として、2011年にチームしゃちほこを結成。地方アイドルでは、“名古屋の秋葉原”とも呼ばれる大須商店街から誕生したグループ、OS☆U(オーエスユー)は昨年、全国進出を果たしている。さらにモーニング娘。を擁するハロー!プロジェクトは、名古屋駅前のシネコン「ミッドランドスクエアシネマ2」で8月30日より定期公演をスタートさせた。
また、男性も全国の“武将隊”と呼ばれる地域PR部隊の火付け役となった名古屋おもてなし武将隊が引き続き人気を集めているほか、最近では今年5月発売のシングルが最高2位を記録したMAG!C PRINCE、8月発売のシングル「YAMATO☆Dancing」が初週21.1万枚を売り上げたBOYS AND MENなど、名古屋を中心とした東海エリアで熱烈な支持を受けるニューフェイスが続々と登場している。
■意外と“名古屋発”のエンタメコンテンツは少ない?
では、なぜ名古屋なのだろうか? 大きな要因となっているのが、名古屋特有の地域性だ。まずはメディアのバックアップ体制も整っていること。実は名古屋は先述のとおり、東京と大阪の中間に位置しているため、両都市圏からの交通の便がいいことに加えて、近年の発展で好景気に沸いているため、ローカル番組に当たり前のように全国区のタレントが出演している。逆に言えば、他の都市圏からエンタメを仕掛けやすい状況があるといえる。エンタメに感度が高い人が多いことに加えて、良くも悪くもさまざまな文化が流れ込んでいることで雑多になっている東京や大阪と比較すると、人は多いが多すぎることはなく、ほどよいマーケットサイズなのだ。
一方で、ローカル番組は東京や関西のメジャータレントが多数出演するなど豪華にはなっているものの、いまいち名古屋から新しいものを発信できていない感は否めない。近年の発展で工業分野などでは存在感を見せているが、文化となるとやはり他の都市圏と比較すると自己発信ができていないというジレンマ。大型都市圏の3番手に甘んじているというコンプレックスもあってか、たとえば中日ドラゴンズに熱狂的なファンが多かったりと、地元集団に一際強い愛を持って応援する傾向がある。逆に言えば、うまく地域性を取り込んだエンタメを作りアピールすることができればファンを獲得しやすいのだ。
さらに近年は自治体をあげてオタクコンテンツを活用した観光振興に力を入れており、毎年行われている「世界コスプレサミット」では、市長や愛知県知事も渾身のコスプレを披露している。アイドルだけでなく、さまざまなオタクコンテンツを受け入れる土壌が整ってきているのだ。そう考えると、アイドルはもちろん、名古屋全体がオタク自体の聖地となる日もそう遠くないかもしれない。シーンが盛り上がれば、それだけ出てくるグループの質も高くなっていく。さまざまなアイドルグループが切磋琢磨する中で、名古屋発アイドルの大ブレイクにも期待したいところだ。
コメントする・見る
2016/09/09