今からさかのぼること20年、テレビ番組の「次代のダウンタウンを創る」という企画から、当時11歳の漫才コンビ「りあるキッズ」が誕生した。華々しいデビューを飾った後、2003年には『M-1グランプリ』決勝で5位を獲得するなど、順調にキャリアを重ねていったように見えたが、2014年に解散。先月の一部報道では、ツッコミの長田融季に金銭トラブルがあったことや、解散以降はピン芸人として活動していたボケの安田善紀が新コンビを結成したことが伝えられた。ORICON STYLEではこのほど、安田と、新たな相方・つーさん!こと浜田ツトムにインタビューを行い、新コンビ結成のいきさつや今後の目標などに迫った。
■12歳差も同期の異色コンビ 漫才への強い思いが引き寄せた“縁”
安田が30歳、浜田が42歳と年齢は一回り離れている2人だが、互いに今年で芸歴20年を迎える同期。これまで接点はなかったそうだが、2ヶ月前のライブイベントで偶然知り合って意気投合したのだと浜田が明かす。「あるライブ会場で知り合ったら、お互いに『同期やん』『飲みに行きましょうか?』ということになったんですが、それから仲良くなりました。その週は、5日くらいずっと一緒に飲んでいましたね。僕も少し前に女の子と結成していたコンビを解散していたんですけど、漫才が好きでやりたいなと思っていて……。それで、安田くんに『ちょっと一緒にやらへん?』って声をかけました」。一方の安田も、漫才を続けたいという思いを胸に抱えながら、ピン芸人として活動をしていた時期だった。
「解散してからは、ずっとひとりでやっていて『R-1ぐらんぷり』に出てみたりもしました。自分の中では自信があったんですけど、形として結果が出なくて、焦っていた状況でした。もともと、漫才をやりたいというのはずっとあったんですけど、相方が見つからずに気づいたら2年くらいが経って、もう無理かなって思っていた矢先に誘ってくれたので、浜田さんには感謝していますね」。お互いの思いがシンクロして、漫才コンビ・閃光少女が誕生した。
コンビ名は、椎名林檎を中心に結成されたバンド・東京事変の楽曲から採用。浜田は、名前が決まるまでの様子をうれしそうに話す。「安田くんが『字画を調べたら、Microsoftと同じで、けっこう良かった』と言ってきて、どこと比べとんねんっていう話だったんですけど、それでええやんってなりました(笑)。逆におっさんで『何で、そんな名前やねん!』って言われる方がええなって思うし、名前は後からついてくるんじゃないかなっていうのもあるので…」。少女のような純粋な気持ちで漫才に向き合い、閃光のようにインパクトのあるかけあいを披露する…今の心境にぴったりのネーミングだった。
■相方・浜田は元サンドウィッチマン 2人で目指すは『M-1』決勝のステージ
「僕はそんなに世間に名前が知られていないので、元・りあるキッズなんて…利用する価値があります」と笑顔を浮かべる浜田だが、自身もかつては3人目の「サンドウィッチマン」として、伊達みきおと富澤たけしとともに活動していた過去を持つ。コンビ名の由来も、伊達、富澤という体格の良い2人に細身の浜田が挟まれている様子からつけられたものだが、今でも交流があるという。
「1年前に、じゅんいちダビッドソンの結婚式で(2人に)会ったんですけど、伊達が『女の子と組んだんだって?』って、なぜか僕の近況を知ってくれていましたね。それで、その後にサンドウィッチマンの単独ライブがあった時に、招待してくれて『相方さんも一緒に…』って言ってくれたので、2人で見に行って、楽屋あいさつにも行きました。でも、その時の相方は急にいなくなっちゃったんですけどね…」。浜田もまた、紆余曲折な芸人生活を経ての今がある。
目下の目標は、ズバリ『M-1グランプリ』決勝進出だ。安田が「決勝に行って、優勝するかどうかわからないですけど、正式にコンビとしての再スタートを切れたらいいですよね。しっかりと結果を出して、またコンビとしてやっていきますって言えるのが一番いいかなと思います」と意気込みを語れば、浜田も「自分もやっぱり、すごく漫才が小さいころからやりたくて、安田くんとやることで『やっと、漫才やれたな』っていう感じがあるので、もっともっとそれをたくさんの人に見てもらいたいですし、そのきっかけとして『M-1』の決勝っていうのはこれ以上ない舞台だと思っています」と力を込める。
浜田にとって『M-1』決勝の舞台は、長年胸に秘めてきた夢の実現にもつながる。というのも、歴代優勝者が審査員を担当するという昨年のシステムが採用された場合、元相方・富澤と同じ舞台に立てるからだ。「もちろん、ああいうところに私情なんて挟まないですけど、僕らが決勝に行ったら(富澤が)何を言うんかなっていうのはありますね(笑)。2007年にサンドが『M-1』を優勝してからの僕の目標が、絶対にアイツらと同じ舞台に立つ、一緒のステージに立つっていうことだったので、それも含めて決勝に行きたいです」。そう話すと、浜田の目の輝きがぐっと増した。
もちろん、安田にとっても『M-1』は思い入れの強いステージだ。「2003年の『M-1』のおかげで、りあるキッズとして何とかもう1回というチャンスをあの時いただけたと感謝しているので、今回も、また頑張らないといけないなと思います。最低ラインとして『M-1』の5位以上にはいかないと、過去の自分を超えたってことにはならないので、周りとの戦いにはなるんですけど、過去の自分との戦いっていうのも自分の中では大きいです」。未来の松本人志としてデビューした安田が、今回相方に迎えたのは“浜田”という偶然にも何かの因縁を感じてしまう。「本当に、たまたまそうなったんですよね。だから、僕もこれを機に松本に改名しようかと思うんですけどね。芸名を人志松本か、ハマ・マツモトにしようかなと思っています(笑)」。芸歴20年という節目に、これ以上のない相棒を見つけて、いざ再スタートを切る。
■りあるキッズ安田芸能生活20周年記念公演『漫才児〜今夜決定!? 君こそ未来の浜ちゃんだ!〜』
日程:8月27日
会場:神保町花月
出演者:りあるキッズ安田、つーさん!、せとたけお、モグライダー芝、POISON GIRL BAND吉田ほか
■12歳差も同期の異色コンビ 漫才への強い思いが引き寄せた“縁”
安田が30歳、浜田が42歳と年齢は一回り離れている2人だが、互いに今年で芸歴20年を迎える同期。これまで接点はなかったそうだが、2ヶ月前のライブイベントで偶然知り合って意気投合したのだと浜田が明かす。「あるライブ会場で知り合ったら、お互いに『同期やん』『飲みに行きましょうか?』ということになったんですが、それから仲良くなりました。その週は、5日くらいずっと一緒に飲んでいましたね。僕も少し前に女の子と結成していたコンビを解散していたんですけど、漫才が好きでやりたいなと思っていて……。それで、安田くんに『ちょっと一緒にやらへん?』って声をかけました」。一方の安田も、漫才を続けたいという思いを胸に抱えながら、ピン芸人として活動をしていた時期だった。
「解散してからは、ずっとひとりでやっていて『R-1ぐらんぷり』に出てみたりもしました。自分の中では自信があったんですけど、形として結果が出なくて、焦っていた状況でした。もともと、漫才をやりたいというのはずっとあったんですけど、相方が見つからずに気づいたら2年くらいが経って、もう無理かなって思っていた矢先に誘ってくれたので、浜田さんには感謝していますね」。お互いの思いがシンクロして、漫才コンビ・閃光少女が誕生した。
コンビ名は、椎名林檎を中心に結成されたバンド・東京事変の楽曲から採用。浜田は、名前が決まるまでの様子をうれしそうに話す。「安田くんが『字画を調べたら、Microsoftと同じで、けっこう良かった』と言ってきて、どこと比べとんねんっていう話だったんですけど、それでええやんってなりました(笑)。逆におっさんで『何で、そんな名前やねん!』って言われる方がええなって思うし、名前は後からついてくるんじゃないかなっていうのもあるので…」。少女のような純粋な気持ちで漫才に向き合い、閃光のようにインパクトのあるかけあいを披露する…今の心境にぴったりのネーミングだった。
■相方・浜田は元サンドウィッチマン 2人で目指すは『M-1』決勝のステージ
「僕はそんなに世間に名前が知られていないので、元・りあるキッズなんて…利用する価値があります」と笑顔を浮かべる浜田だが、自身もかつては3人目の「サンドウィッチマン」として、伊達みきおと富澤たけしとともに活動していた過去を持つ。コンビ名の由来も、伊達、富澤という体格の良い2人に細身の浜田が挟まれている様子からつけられたものだが、今でも交流があるという。
「1年前に、じゅんいちダビッドソンの結婚式で(2人に)会ったんですけど、伊達が『女の子と組んだんだって?』って、なぜか僕の近況を知ってくれていましたね。それで、その後にサンドウィッチマンの単独ライブがあった時に、招待してくれて『相方さんも一緒に…』って言ってくれたので、2人で見に行って、楽屋あいさつにも行きました。でも、その時の相方は急にいなくなっちゃったんですけどね…」。浜田もまた、紆余曲折な芸人生活を経ての今がある。
目下の目標は、ズバリ『M-1グランプリ』決勝進出だ。安田が「決勝に行って、優勝するかどうかわからないですけど、正式にコンビとしての再スタートを切れたらいいですよね。しっかりと結果を出して、またコンビとしてやっていきますって言えるのが一番いいかなと思います」と意気込みを語れば、浜田も「自分もやっぱり、すごく漫才が小さいころからやりたくて、安田くんとやることで『やっと、漫才やれたな』っていう感じがあるので、もっともっとそれをたくさんの人に見てもらいたいですし、そのきっかけとして『M-1』の決勝っていうのはこれ以上ない舞台だと思っています」と力を込める。
浜田にとって『M-1』決勝の舞台は、長年胸に秘めてきた夢の実現にもつながる。というのも、歴代優勝者が審査員を担当するという昨年のシステムが採用された場合、元相方・富澤と同じ舞台に立てるからだ。「もちろん、ああいうところに私情なんて挟まないですけど、僕らが決勝に行ったら(富澤が)何を言うんかなっていうのはありますね(笑)。2007年にサンドが『M-1』を優勝してからの僕の目標が、絶対にアイツらと同じ舞台に立つ、一緒のステージに立つっていうことだったので、それも含めて決勝に行きたいです」。そう話すと、浜田の目の輝きがぐっと増した。
もちろん、安田にとっても『M-1』は思い入れの強いステージだ。「2003年の『M-1』のおかげで、りあるキッズとして何とかもう1回というチャンスをあの時いただけたと感謝しているので、今回も、また頑張らないといけないなと思います。最低ラインとして『M-1』の5位以上にはいかないと、過去の自分を超えたってことにはならないので、周りとの戦いにはなるんですけど、過去の自分との戦いっていうのも自分の中では大きいです」。未来の松本人志としてデビューした安田が、今回相方に迎えたのは“浜田”という偶然にも何かの因縁を感じてしまう。「本当に、たまたまそうなったんですよね。だから、僕もこれを機に松本に改名しようかと思うんですけどね。芸名を人志松本か、ハマ・マツモトにしようかなと思っています(笑)」。芸歴20年という節目に、これ以上のない相棒を見つけて、いざ再スタートを切る。
■りあるキッズ安田芸能生活20周年記念公演『漫才児〜今夜決定!? 君こそ未来の浜ちゃんだ!〜』
日程:8月27日
会場:神保町花月
出演者:りあるキッズ安田、つーさん!、せとたけお、モグライダー芝、POISON GIRL BAND吉田ほか
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2016/08/19