『忍者ハットリくん』『怪物くん』『笑ゥせぇるすまん』などの原作者・藤子不二雄A氏をはじめ、プロの漫画家たちが、TBS系ドラマ『重版出来（じゅうはんしゅったい）！』（4月12日スタート、毎週火曜　後10：00）のためにオリジナル劇中漫画を描いていることが29日、わかった。

【写真】その他の写真を見る

　松田奈緒子氏の同名漫画（小学館『月刊！スピリッツ』連載中）を、女優の黒木華主演で連続ドラマ化する本作。コミック雑誌編集部を舞台に、新人編集者・黒沢心（黒木）を中心に、一癖も二癖もある編集部員や漫画家、営業担当、書店スタッフたちを巻き込み、一丸となって仕事に打ち込む人々を描く群像劇。

　ドラマの小道具として使われる架空の週刊誌や雑誌にも徹底してこだわり、劇中に登場する漫画も本物の漫画家に、それも、かなり名前の売れた漫画家たちに描いてもらうことがかなった。ドラマ原作者の松田氏が手がけたネームをもとに、漫画家陣がオリジナルの世界観を膨らませてリアルに漫画を制作。なんともぜい沢なオリジナル劇中漫画ができ上がった。

　藤子不二雄A氏のほかには、『モンキーターン』『とめはねっ！鈴里高校書道部』など、競艇・書道・柔道といった多岐にわたるジャンルの熱いドラマを描く、河合克敏氏。実写映画化された『星守る犬』や、両親を亡くした孫娘と父親代わりの祖父の物語『ぱじ』、『青い鳥〜わくらば〜』など、涙なしでは読めない心温まる作品を生み出す、村上たかし氏。

　映画化も話題となった『アフロ田中』シリーズなど、強烈なインパクトを残すギャグ漫画を描き続ける、のりつけ雅春氏。『最強！都立あおい坂高校野球部』『BE BLUES！〜青になれ〜』などの熱血スポーツ漫画を描き、講談社漫画賞や小学館漫画賞などの受賞歴多数な、田中モトユキ氏。

　『鉄腕バーディー』『機動警察パトレイバー』などアニメ化も多数ある中、30年以上も週刊連載を続けるゆうきまさみ氏は「楽しい経験でしたが、自分の原稿より緊張しましたね。このドラマの場合は主に漫画の現場が中心になっているんだと思いますが、多分原作者の松田奈緒子さんが知っている、いろんなタイプの漫画家さんが出てくるかと思いますので、その辺にリアリティがあるんじゃないかと思います。そこを楽しんでもらいたいと思いますね」とコメントを寄せた。

　さらに、初連載作『かわれて候。』がLINE漫画で800万 ビューを突破し、今回のドラマとリンクした作品が『月刊！スピリッツ』（小学館）に掲載されることが決定した新人作家・白川蟻（ぎ）ん氏も参加する。

　ドラマに漫画家役で出演するのは、小日向文世、滝藤賢一、要潤、永山絢斗ほか。劇中の漫画は放送後ホームページで公開される予定だ。

　主演の黒木は「このドラマのために、こんなぜい沢な方々に作品提供やオリジナル漫画を描いていただきありがたいです。私自身も楽しみにしています」と感謝していた。