アイドルグループ・Hey! Say! JUMPのメンバーとして活動しながら、日本アカデミー賞新人俳優賞の受賞など俳優としての評価も高く、多くの話題作に出演する山田涼介。最新主演映画『暗殺教室〜卒業編〜』への向き合い方とともに、グループのなかでの存在、俳優としての自身を改めて振り返ってもらった。
◆“山田涼介”っぽくなる事件が発生
――前作から約1年ぶりの続編となりますが、ひさしぶりに主人公・渚を演じてみてどうでしたか?
【山田】 クランクインするまでに前作のDVDを何度か見返して、渚がどういう感じだったのか思い出しておきました。なので、撮影が始まってからはわりとスムーズに役に入れたと思います。
――DVDを観て気づいたことはありましたか?
【山田】 原作だと渚の髪がストレートなんですけど、前作ではけっこうクルクル巻いていたんです。あらためて映像を観て“これは違うな”と思ったので、今回の続編ではストレートにしました。そうしたら、まさかの“山田涼介”っぽくなるっていう事件が発生しました(笑)。
――前作を経て、殺せんせーとE組の生徒たちの絆がかなり深まっていますよね。渚はどんなふうに成長しましたか?
【山田】 前作のE組は、言い方は悪いですけど“底辺”の人間が集まっているクラスで、やる気もない感じだったんです。そのなかでも一番かよわい渚くんは、本当にボ〜ッとしていて、どっちかというと女の子っぽい男の子で。でも、卒業編ではわりと男らしい部分というか、成長した部分を演じようと意識していました。なのでアクションはもちろん、ところどころ凛々しい表情をはさんでいます。
――どんな“卒業”になるんでしょう?
【山田】 卒業式は誰もが通る道ですけど、『暗殺教室』の卒業のしかたって、誰も経験しないものだと思うんですよ。単純な“卒業”じゃない、タイトルに込められた深い意味が、観ていただいた方には伝わると思います。本当にハンカチは持って行ったほうがいいですよ!(笑)
◆同世代だけど尊敬している俳優・菅田将暉
――前作よりも人間ドラマの要素が強くなっているそうですが、演じる上での気持ちも変わりましたか?
【山田】 感情でお芝居しなければいけないシーンが増えたので、ワンカットワンカットにかける集中力はみんな大切にしていました。ラストシーンや、業(菅田将暉)との対決シーンなどはとくにそうですね。業との対決シーンは、カット数が多かったので、本当は2日に分けて撮るはずだったんです。でも、僕と将暉が熱を持ってやっているから、スタッフさんたちが1日で撮ろうと判断して。シーン的に夕方までしか撮るチャンスがなかったので、朝から夕方4時くらいまでで60カット近く撮りました。
――あのアクション、すごい迫力でした。
【山田】 撮影前、アクションのスタッフさんに「ガッチガチでいきましょうよ」って言ったんです。そうは言ってもそこまですごいことにはならないだろうと思っていたら、本当にガッチガチで(笑)。しかも、撮影当日はすっごい寒かったんですよ。みんなで白い息をはきながら、巨大扇風機にさんざん当てられて、砂ぼこりのなかでアクションをやって。目もほとんど開いていない状態で、手探りで一生懸命やっている僕たちを見て、スタッフさんが1日で撮ろうって言ってくれたんです。
――菅田さんとの再共演はどうでしたか?
【山田】 アクション以外はあまり1対1のやり取りがなかったんですけど、将暉は「また一緒に演技して、もっとガッツリぶつかってみたい」って言ってくれました。もちろん僕もそう思ってます。同世代だけど、尊敬している俳優さんなので。
――前作以来、プライベートな交流もあるんですよね?
【山田】 よくメールしています。年末のカウントダウンライブを大阪でやったときは、将暉の実家が大阪なので「実家に来いや」って声かけてくれて。「いや、無理だよ」って返しましたけど(笑)。昨日と一昨日もメールしていましたね。将暉は髪を切ったみたいで、謎の写メがきて。見たらかわいい前髪になっていました(笑)。
◆Hey! Say! JUMPのセンターとして堂々とできる充実感
――“卒業編”には、前作で殺せんせーの声を担当した二宮和也さんも出演していますね。
【山田】 ニノさんのクランクイン初日に現場に行ったんですけど、邪魔したらいけないと思って、挨拶だけして外で待機していたんです。だから撮影は見ていないんですけど……。実は僕、前作で殺せんせーの声をニノさんがやっていることを知ったのが公開初日だったんです。アフレコで声を聞いて「二宮くんみたい!」って思っていたので、知ったときは「本人かーい!」みたいな(笑)。でも今回、続編への出演が決まった後は、ニノさんからメールをいただきました。僕はありがたいことに前作でアカデミー賞新人俳優賞を受賞させていただいたんですけど、そのときもメールをくださったんです。「本当にすごいことだと思います」って。
――アカデミー賞新人俳優賞を受賞してどんな気持ちでしたか?
【山田】 初主演映画で、まさかこのような賞をいただけるとは思っていなくて……。マネージャーさんに呼び出されたとき、絶対怒られると思って行ったら、「受賞したよ」って言われてビックリしました。授賞式にはニノさんも岡田(准一)さんもいらっしゃっていて、僕もその大きな背中を追いかけて、いつか先輩のようになれたらいいなって思います。
――E組の生徒たちは、殺せんせーをめぐって“究極の選択”をしますが、ご自身は究極の選択をしたことってありますか?
【山田】 今の事務所に入ったことですかね。僕はこの仕事を天職だと思っているので。
――どんなところが天職だと思うんですか?
【山田】 実際に仕事しているときはわからないんですけど、ライブDVDとか観ていると「オレ、アイドルだな」って思うときがあるんですよ。家でボッサボサの髪で観ているんですけど(笑)。今、Hey! Say! JUMPのセンターとして活動させてもらっているなかで、なぜ自分がセンターなのかわからないときもあるんです。でも、メンバーが一番それを認めてくれているから、堂々とできる充実感というか。このメンバーだからこそできているんだなって思います。そうやって自分を見つめ直したとき、本当に自分にはこの仕事しかないなって。僕、この仕事がなくなったら何にもできないんで。パソコンとか触れないですから(笑)。
――最近は、メンバーの中島裕翔さんや知念侑李さんも映画主演デビューをされて、俳優業で活躍していますよね。
【山田】 すごくうれしいです! 自分のことのようにうれしい。メンバーは家族ですから。僕がこうやって映画とかドラマをやっているとき、他のメンバーはこういう気持ちだったんだなと思いました。裕翔は『暗殺教室』や『グラスホッパー』を観てくれていますし、一緒に演技のことを話したりもします。知念の『金メダル男』も、バラエティでご一緒させていただいている内村光良さんが監督で、今から公開が楽しみです。
(文:加藤 恵)
◆“山田涼介”っぽくなる事件が発生
――前作から約1年ぶりの続編となりますが、ひさしぶりに主人公・渚を演じてみてどうでしたか?
【山田】 クランクインするまでに前作のDVDを何度か見返して、渚がどういう感じだったのか思い出しておきました。なので、撮影が始まってからはわりとスムーズに役に入れたと思います。
――DVDを観て気づいたことはありましたか?
【山田】 原作だと渚の髪がストレートなんですけど、前作ではけっこうクルクル巻いていたんです。あらためて映像を観て“これは違うな”と思ったので、今回の続編ではストレートにしました。そうしたら、まさかの“山田涼介”っぽくなるっていう事件が発生しました(笑)。
――前作を経て、殺せんせーとE組の生徒たちの絆がかなり深まっていますよね。渚はどんなふうに成長しましたか?
【山田】 前作のE組は、言い方は悪いですけど“底辺”の人間が集まっているクラスで、やる気もない感じだったんです。そのなかでも一番かよわい渚くんは、本当にボ〜ッとしていて、どっちかというと女の子っぽい男の子で。でも、卒業編ではわりと男らしい部分というか、成長した部分を演じようと意識していました。なのでアクションはもちろん、ところどころ凛々しい表情をはさんでいます。
――どんな“卒業”になるんでしょう?
【山田】 卒業式は誰もが通る道ですけど、『暗殺教室』の卒業のしかたって、誰も経験しないものだと思うんですよ。単純な“卒業”じゃない、タイトルに込められた深い意味が、観ていただいた方には伝わると思います。本当にハンカチは持って行ったほうがいいですよ!(笑)
◆同世代だけど尊敬している俳優・菅田将暉
――前作よりも人間ドラマの要素が強くなっているそうですが、演じる上での気持ちも変わりましたか?
【山田】 感情でお芝居しなければいけないシーンが増えたので、ワンカットワンカットにかける集中力はみんな大切にしていました。ラストシーンや、業(菅田将暉)との対決シーンなどはとくにそうですね。業との対決シーンは、カット数が多かったので、本当は2日に分けて撮るはずだったんです。でも、僕と将暉が熱を持ってやっているから、スタッフさんたちが1日で撮ろうと判断して。シーン的に夕方までしか撮るチャンスがなかったので、朝から夕方4時くらいまでで60カット近く撮りました。
――あのアクション、すごい迫力でした。
【山田】 撮影前、アクションのスタッフさんに「ガッチガチでいきましょうよ」って言ったんです。そうは言ってもそこまですごいことにはならないだろうと思っていたら、本当にガッチガチで(笑)。しかも、撮影当日はすっごい寒かったんですよ。みんなで白い息をはきながら、巨大扇風機にさんざん当てられて、砂ぼこりのなかでアクションをやって。目もほとんど開いていない状態で、手探りで一生懸命やっている僕たちを見て、スタッフさんが1日で撮ろうって言ってくれたんです。
――菅田さんとの再共演はどうでしたか?
【山田】 アクション以外はあまり1対1のやり取りがなかったんですけど、将暉は「また一緒に演技して、もっとガッツリぶつかってみたい」って言ってくれました。もちろん僕もそう思ってます。同世代だけど、尊敬している俳優さんなので。
――前作以来、プライベートな交流もあるんですよね?
【山田】 よくメールしています。年末のカウントダウンライブを大阪でやったときは、将暉の実家が大阪なので「実家に来いや」って声かけてくれて。「いや、無理だよ」って返しましたけど(笑)。昨日と一昨日もメールしていましたね。将暉は髪を切ったみたいで、謎の写メがきて。見たらかわいい前髪になっていました(笑)。
◆Hey! Say! JUMPのセンターとして堂々とできる充実感
――“卒業編”には、前作で殺せんせーの声を担当した二宮和也さんも出演していますね。
【山田】 ニノさんのクランクイン初日に現場に行ったんですけど、邪魔したらいけないと思って、挨拶だけして外で待機していたんです。だから撮影は見ていないんですけど……。実は僕、前作で殺せんせーの声をニノさんがやっていることを知ったのが公開初日だったんです。アフレコで声を聞いて「二宮くんみたい!」って思っていたので、知ったときは「本人かーい!」みたいな(笑)。でも今回、続編への出演が決まった後は、ニノさんからメールをいただきました。僕はありがたいことに前作でアカデミー賞新人俳優賞を受賞させていただいたんですけど、そのときもメールをくださったんです。「本当にすごいことだと思います」って。
――アカデミー賞新人俳優賞を受賞してどんな気持ちでしたか?
【山田】 初主演映画で、まさかこのような賞をいただけるとは思っていなくて……。マネージャーさんに呼び出されたとき、絶対怒られると思って行ったら、「受賞したよ」って言われてビックリしました。授賞式にはニノさんも岡田(准一)さんもいらっしゃっていて、僕もその大きな背中を追いかけて、いつか先輩のようになれたらいいなって思います。
――E組の生徒たちは、殺せんせーをめぐって“究極の選択”をしますが、ご自身は究極の選択をしたことってありますか?
【山田】 今の事務所に入ったことですかね。僕はこの仕事を天職だと思っているので。
――どんなところが天職だと思うんですか?
【山田】 実際に仕事しているときはわからないんですけど、ライブDVDとか観ていると「オレ、アイドルだな」って思うときがあるんですよ。家でボッサボサの髪で観ているんですけど(笑)。今、Hey! Say! JUMPのセンターとして活動させてもらっているなかで、なぜ自分がセンターなのかわからないときもあるんです。でも、メンバーが一番それを認めてくれているから、堂々とできる充実感というか。このメンバーだからこそできているんだなって思います。そうやって自分を見つめ直したとき、本当に自分にはこの仕事しかないなって。僕、この仕事がなくなったら何にもできないんで。パソコンとか触れないですから(笑)。
――最近は、メンバーの中島裕翔さんや知念侑李さんも映画主演デビューをされて、俳優業で活躍していますよね。
【山田】 すごくうれしいです! 自分のことのようにうれしい。メンバーは家族ですから。僕がこうやって映画とかドラマをやっているとき、他のメンバーはこういう気持ちだったんだなと思いました。裕翔は『暗殺教室』や『グラスホッパー』を観てくれていますし、一緒に演技のことを話したりもします。知念の『金メダル男』も、バラエティでご一緒させていただいている内村光良さんが監督で、今から公開が楽しみです。
(文:加藤 恵)
コメントする・見る
2016/03/25