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北大路欣也、俳優人生60年は「変化と驚きの連続」

 「昔の俳優は舞台の上だけ、スクリーンの上だけで輝く存在だったけど、いまみたいにいろんな仕事させてもらうようになって、ずいぶん変わったなと思いますね。小学生に『三匹のおっさんだ!』って声をかけられるなんて驚きでしたし(笑)。そういう親近感の持たれ方もあるんだなって。意外と皆さん敏感にキャッチしてくれるので、いろいろやってみるのも楽しいよね」。

「愛」と「和」の大切さを話した北大路欣也 (C)ORICON NewS inc.

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 そう語るのは、今月23日に73歳の誕生日を迎えた俳優の北大路欣也。小学生からも刺激を受け、好奇心旺盛に輝いている。1月期はフジテレビ系ドラマ『フラジャイル』(毎週水曜 後10:00)にコワモテ病理医・中熊薫(なかくま・かおる)役で出演中。すごんだ際の口調や風貌はまるで“その筋の人”だが、主人公・岸京一郎(長瀬智也)の無茶ぶりに振り回される新米病理医・宮崎智尋(武井咲)の窮地を救い、時に助言を与える中熊がなんだかちょっとキュンとくると、若い女性からも人気だ。困っている時に助けてくれる男性は、やっぱりかっこいい。

 『フラジャイル』は初回9.6%でスタートし、第2話=10.0%、第3話=10.0%、第4話=9.7%、第5話=9.5%と推移、第6話(9.2%)で初めて裏番組のドラマの視聴率を上回った(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)。

 「たいしたもんですよ。うれしいね。いままでの医療ドラマとは違う、新しいヒーロー&ヒロイン像が生まれたような気がするね」。

 同ドラマは、『アフタヌーン』(講談社)で連載中の漫画『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』(原作:草水敏、漫画:恵三朗)が原作。病理医の主人公が“正しい診断”によって人知れず患者を救っていく、新しい切り口の医療エンターテインメントだ。

 「医者」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、患者に接し、病院で診察や治療を行う医者の姿だろう。そのような医師はいわゆる「臨床医」と呼ばれている。本作の題材となっている「病理医」とは、顕微鏡で細胞の病変を見て、病気の診断を下す医者のこと。

 「僕もこの作品で初めて病理医の世界を知りました。視聴者の皆さんにとっても新鮮だったんじゃないかな。患者の知らないこところで、臨床医と病理医が見解の相違から喧々諤々(けんけんがくがく)とやりあうこともあるのか…と、興味が湧いてくる」。

 長瀬演じる岸は、100%の診断のためには手段を選ばず、「俺の言葉は絶対だ!」と言い放つ「強烈な変人だが、極めて優秀」な病理医。口が非常に悪いため、たびたびほかの医者たちと対立し、誤解されることもあるが、何より優先するべきは患者の命という信念を持っている。

 武井演じる宮崎もまた患者の命を救いたいという、ひたすらまっすぐな情熱と純粋さの持ち主で、岸から影響を受けてリスクを恐れぬ行動へと突き動かされ、知らず知らずのうちに、病理医として成長を遂げていく。

 そして、北大路演じる中熊は岸の元指導医であり、岸が相談をする唯一の人物。ドラマの中では、フィクションと現実をつなぐ役割も果たしている。病院内で重要な仕事をしているにもかかわらず、患者と直に接することがないため、日の目をみない病理医たち。ドラマの中でも描かれる病理医不足などの問題は、現実の問題でもある。

 「回を重ねるごとに、病理医の世界がどういうものか、わかってくる中で、中熊は病理医界の重鎮としてどういう状況にあるのかよくわかっていて、その将来のことを考えている人物でもある。これからの病理医界を担っていくのは岸のような30代、40代であり、ザッキー(宮崎)のような若い世代を育てていくことも大事。ほかの職業とも共通点がある気がするね。そういう本質的なテーマ、芯がしっかりしているドラマだと思います」。

 北大路は芸能生活60年という節目を迎えた2015年秋、旭日小綬章を受章。舞台、映画、テレビドラマ、時代劇に現代劇に、幅広く活躍してきた。近年は、ソフトバンクCMの「お父さん犬」の声でも人気だ。

 「まさに戦後70年を生きてきた。少年時代からもうずっと変化につぐ変化、驚きの連続でした。汽車も自動車もラジオもテレビも電話もどんどん変わっていったし、いまも変わり続けている。振り落とされそうなところを必死にしがみついて、多くの方に支えられてここまで来られた」と振り返り、感謝する。

 常に第一線で活躍してきた俳優人生。大切にしてきたのは「愛と和」だという。「芝居の現場を愛して、スタッフや共演者と協力しあって、その積み重ねでいまがある。作品に対する愛とチームワークを実感できる現場の熱や波動は視聴者や観客にも伝わると思うんだよね。愛と和がないとダメだね」。

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