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オリジナル脚本が好評 ドラマ『お義父さんと呼ばせて』

 1月期ドラマで高い満足度の『お義父さんと呼ばせて』。関西テレビのプロデューサー・安藤和久氏によると今作は、何よりもまずオリジナル脚本であることにこだわり、エピソードなどはスタッフと脚本家みんなでアイデアを出し合っているという。

結婚適齢期の娘が連れてきた彼氏が、自分と同い年だったら…? 遠藤憲一と渡部篤郎のコミカルな掛け合いも見どころ

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■オリジナルにこだわる理由は「人と違ったものを作りたい」

 アラフィフ世代の芸達者俳優・遠藤憲一(54)と渡部篤郎(47)のダブル主演、オリジナル脚本のストーリーが人気の1月期ドラマが『お義父さんと呼ばせて』だ。「人と違ったものを作りたいんです。また、ドラマといえば若い人のものと思いがちだけれど、50代が主人公の作品があってもいいと思っていました」と、オリジナルにこだわる理由を、プロデューサーの安藤和久氏は言う。

 今回、遠藤と渡部のキャスティングが、企画を大きく前進させた。

「ずっと温めていたアイデアでした。結婚適齢期になった娘が、ある日彼氏を連れてくる。それが、自分と同い年だったらどんな気持ちになるだろう? と。この話を、脚本家の林宏司さんやプロデューサーたちに話したら「それ、面白いんじゃない?」ということになり、遠藤さんと渡部さんも「面白い」と、ほぼ二つ返事でOKが出ました」

 遠藤演じる保は、土下座を必殺技とする中小専門商社のモーレツ営業マン。会社でしょっちゅうパソコンをフリーズさせてしまい、そのケアに通っていた理系女子SEの美蘭(蓮佛美沙子)と恋に落ち、結婚を誓う仲に。一方、渡部演じる美蘭の父・紀一郎は、保と同じ51歳だが、一流商社で最年少取締役となったエグゼクティヴ。泥臭いビジネススタイルを嫌い、何事も理詰め。と、2人の役柄は対照的だ。

「50代独身男性の保と、幸福を絵に描いたような美蘭の家族が、どんな化学反応を起こすのか。そのため両極端な設定を心がけました。シリアスにもできる素材ですが、家族みんなで気楽に観てもらいたいので、暗いドラマにはしたくありませんでした」

 コメディは、ドタバタのコントからクスリと笑わせるペーソスまで、非常に振り幅の大きな演技を要求される。きちんと演じ分けられる力が必要なうえ、相手役との呼吸も大切だ。だからこそキャスティングは「演技の巧みさ」を条件に進めた。

「主演はもちろんですが、和久井映見さん(渡部の妻役)も素晴らしいです。横で2人のやり取りを聞いているときの顔、声のトーンなど、本当に考えて演じてくださる。美蘭の兄、妹役の中村倫也さん、新川優愛さんも、芝居がうまい。おじいちゃん役の品川徹さんも最高でしょう?」

 そして特筆すべきは、蓮佛美沙子の見事な「枯れ専」演技である。

「幸い、蓮佛さんも「オジサン好き」だそうです。難しい役ですが、演じていただいてよかった。遠藤さんの投げたボールを、うまく拾って返してくれています」

 また、作品はハッピーエンドであろうと想像がつくため、視聴者を飽きさせない工夫を随所に凝らす。

「世代間の認識のズレや同年代の男同士ならではの笑える小競り合いなど、いろいろなエピソードを盛り込んでいます。最後は、紀一郎がどうやって2人を許すのか? そこに至るプロセスを楽しんでほしいですね」

 このあたりに、オリジナル企画ならではの強みがある。

「原作モノのほうが、企画が通りやすいのは確か。オリジナルはそういったプロセスなどを説明するのが大変なんです。今回は、主役の2人がノッてくれたのが大きかったですね」

 さらに、オリジナルには0から作らねばならないしんどさもあるけれど、うまくいったときの喜びはひとしお。だからこそ素材探しには躍起になる。「昔は本屋さんに通ったりしましたが、今は身の回りから面白さを見つけ出して、ドラマに仕上げていくほうが楽しいです。いつも、ネタがないかともがき続けてはいますが」

 ヒット作『結婚できない男』も、自身が43歳まで独身だったこと、周囲にも「1人で焼肉に行くような(笑)」人間が多かったことがヒントとなったが、今回もスタッフ、脚本家がアイディアを出し合い、リアルなエピソードを作品に活かしているという。今後もユニークな企画でドラマファンを楽しませてほしい。
文/大久保太郎

■『お義父さんと呼ばせて』(KTV・CX系)毎週火曜22:00から 出演: 遠藤憲一、渡部篤郎、蓮佛美沙子、新川優愛、中村倫也、山崎育三郎中村アン、品川徹、和久井映見ほか

■あんどうかずひさ/1962年生まれ。86年、関西テレビ入社。人事部、総務部、バラエティ番組の制作等に携わり、97年、東京支社に異動しドラマ制作に関わる。以降、『GTO GREAT TEACHER ONIZUKA』(98年)、『アルジャーノンに花束を』(02年/第20回ATP賞2003優秀賞受賞作品)、『アットホーム・ダッド』(04年)、『結婚できない男』(06年)などのヒット作を手がける。


(コンフィデンス 16年2月15日号掲載)

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