ソロデビュー15周年を迎えたGACKTが、リミックスアルバム『GACKTRACKS-ULTRA DJ ReMIX-』を発売。今回、ORICON STYLEのインタビューに応じたGACKTが、独自のスタイルを貫くミュージシャンとしての信念と生き方、ロックへの想いについて語った。また、先ごろ話題となったパリでの差別騒動について改めて振り返ってもらった。
◆こういう性格なので周りからしたら、異物とかウィルス扱い
――今回リミックスを手がけた14人の中にはDJ KOOさんやマーク・パンサーさん、ROCKETMANことふかわりょうさんなど、知名度の高いメンバーもいますが。以前から交流があったんですか?
【GACKT】 それ、よく勘違いされるんだけど、ボク、誰とも交流ないんだ。唯一あるのはマークだけで、会えば「久しぶり、元気?」みたいな、そんなノリですごく親しいわけじゃない。だから、人間関係でできましたっていうアルバムじゃないからこそ、逆に引き受けてくれたことが嬉しかったし、出来上がりも良くて驚いた。自分のライブでも、いわゆるDJアレンジをすることはないから交流の持ちようがないし、もっと言えばそもそもボクはミュージシャンの友だちが少ない。
――音楽の話をしたくない?
【GACKT】 うん、楽しくない、音楽の話なんかしても。みんなそれぞれ持論を持っているわけで、それを正しいだの間違ってるだの、酒を飲みながらやりたくない。そうなると論破せざるを得ない、結果的にぶつかるだろ? 特に音楽理論みたいなことを言い始めると、ボクは子どもの頃からやっているから、「それは間違ってるよ」って相手の間違ってるところが浮き彫りになる。しかも論破したって仲良くなれるわけじゃない。正直、お互いに結果が出ている者同士だと、そんな話をする必要もない。むしろ売れてない人たちがそういう話をしがちだよ。「“音楽”ってのはな……」みたいな。で、そんな彼らに「そうですよね、GACKTさん!」とか言われると、「うーん、いいんじゃない、好きにやれば」としか言いようがない(笑)。そうなるとしゃべってる人たちの場を壊してしまう。あと、音楽業界は縦世界だけど、ボクはこういう性格でメチャクチャしていたから……周りからしたら、異物とかウィルス扱いっていうか……(笑)。
――いやいや、むしろ周りが恐縮しちゃうのでは?
【GACKT】 いやぁ、ボクを難しいと思ってる人、結構多いんじゃないの? ストイックだってみんな知ってるから。しかも今は丸くなったけど昔はすごいケンカっ早かったから、そんなリスクを冒してまで、仲良くなろうとしないよ(笑)。だから性格的にボクが仲良くなるのは、政治家や格闘家、あとはIT系とか会社を経営している人が昔から多い。だから、若い子たちに「仕事とは?」みたいなことを話してくれって頼まれることもよくある。ジャンルが全然違うのに(笑)。
◆ロックに生きてないと、“GACKT”なんてやっていけない(笑)
――GACKTさんはその言動なり主張が、ファン以外の人にも一目置かれていますよね。先日もブログでパリのカフェで体験した人種差別問題について言及されていて。世界中からコメントが寄せられていましたが、そういう“ご意見番”的な立ち位置にいることはどう思っています?
【GACKT】 ボクは、何が正しくて何が間違っているかって是非を世の中の風潮的にどう受け取られるかなんて気にしない。ボクはボクの基準で生きていて、50年後、100年後のひとたちが振り返ったとときに、こんなやつがいたんだって面白がってくれたら、それでいい。ボク自身は、自分の行動が間違っているとは思ってない。ただ、100%正しいことだとは言えないよ。
――間違っていない=信念はひとつだけど、正しい=価値観は多様だということ?
【GACKT】 そう。ボクには、自分は間違ってないっていう確固たる信念みたいなものがあるだけ。多様な世の中の価値観に合わせて生きなきゃいけないとは思わない。実際、自分勝手に生きてるし。で、正直、生きづらいと感じることもある。メディアもボクなら叩きやすいから叩くって連中もいまだにいるだろ? でも、いいやって。だってもし本当に間違ったことをやってたら、とっくにボクは消えていなくなってるだろ?(笑)。それにミュージシャンが自分の生き方を提示できなくて、何がミュージシャンだよ。そこを曲げたり隠して生きていくならミュージシャンなんかやめろよ、そんなのロックじゃねーよってさ。そこが多分、ボクの古いところなんだろうし、「ロックって何?」って聞かれたら、「ボクがロックだよ」って言えるとこじゃないか?
――なるほど、自身の信念を貫いてミュージシャンとしての生き方を提示してきた結果だと。
【GACKT】 ロックに生きてないと、GACKTなんてやっていけないから(笑)。ボクはこれからもっと世界を視野に入れていこうと思っていて、だから今は日本に住んでいない。だけど、こうして海外から日本を見ると、未だに“鎖国風土”が続いていてすごく遅れているのがよくわかる。そして、そのためにチャンスを何回も逃しているのもわかる。それなら、まずは自分が日本人として世界でやっていこうと思ったから、今、日本を離れている。ただ、決してこれは楽な道ではない。おとなしく日本にいれば叩かれないし、金もかからない。でもあえて楽じゃない道を選ぶ。それがボクの生き方。
(文:若松正子)
◆こういう性格なので周りからしたら、異物とかウィルス扱い
――今回リミックスを手がけた14人の中にはDJ KOOさんやマーク・パンサーさん、ROCKETMANことふかわりょうさんなど、知名度の高いメンバーもいますが。以前から交流があったんですか?
【GACKT】 それ、よく勘違いされるんだけど、ボク、誰とも交流ないんだ。唯一あるのはマークだけで、会えば「久しぶり、元気?」みたいな、そんなノリですごく親しいわけじゃない。だから、人間関係でできましたっていうアルバムじゃないからこそ、逆に引き受けてくれたことが嬉しかったし、出来上がりも良くて驚いた。自分のライブでも、いわゆるDJアレンジをすることはないから交流の持ちようがないし、もっと言えばそもそもボクはミュージシャンの友だちが少ない。
――音楽の話をしたくない?
【GACKT】 うん、楽しくない、音楽の話なんかしても。みんなそれぞれ持論を持っているわけで、それを正しいだの間違ってるだの、酒を飲みながらやりたくない。そうなると論破せざるを得ない、結果的にぶつかるだろ? 特に音楽理論みたいなことを言い始めると、ボクは子どもの頃からやっているから、「それは間違ってるよ」って相手の間違ってるところが浮き彫りになる。しかも論破したって仲良くなれるわけじゃない。正直、お互いに結果が出ている者同士だと、そんな話をする必要もない。むしろ売れてない人たちがそういう話をしがちだよ。「“音楽”ってのはな……」みたいな。で、そんな彼らに「そうですよね、GACKTさん!」とか言われると、「うーん、いいんじゃない、好きにやれば」としか言いようがない(笑)。そうなるとしゃべってる人たちの場を壊してしまう。あと、音楽業界は縦世界だけど、ボクはこういう性格でメチャクチャしていたから……周りからしたら、異物とかウィルス扱いっていうか……(笑)。
――いやいや、むしろ周りが恐縮しちゃうのでは?
【GACKT】 いやぁ、ボクを難しいと思ってる人、結構多いんじゃないの? ストイックだってみんな知ってるから。しかも今は丸くなったけど昔はすごいケンカっ早かったから、そんなリスクを冒してまで、仲良くなろうとしないよ(笑)。だから性格的にボクが仲良くなるのは、政治家や格闘家、あとはIT系とか会社を経営している人が昔から多い。だから、若い子たちに「仕事とは?」みたいなことを話してくれって頼まれることもよくある。ジャンルが全然違うのに(笑)。
◆ロックに生きてないと、“GACKT”なんてやっていけない(笑)
――GACKTさんはその言動なり主張が、ファン以外の人にも一目置かれていますよね。先日もブログでパリのカフェで体験した人種差別問題について言及されていて。世界中からコメントが寄せられていましたが、そういう“ご意見番”的な立ち位置にいることはどう思っています?
【GACKT】 ボクは、何が正しくて何が間違っているかって是非を世の中の風潮的にどう受け取られるかなんて気にしない。ボクはボクの基準で生きていて、50年後、100年後のひとたちが振り返ったとときに、こんなやつがいたんだって面白がってくれたら、それでいい。ボク自身は、自分の行動が間違っているとは思ってない。ただ、100%正しいことだとは言えないよ。
――間違っていない=信念はひとつだけど、正しい=価値観は多様だということ?
【GACKT】 そう。ボクには、自分は間違ってないっていう確固たる信念みたいなものがあるだけ。多様な世の中の価値観に合わせて生きなきゃいけないとは思わない。実際、自分勝手に生きてるし。で、正直、生きづらいと感じることもある。メディアもボクなら叩きやすいから叩くって連中もいまだにいるだろ? でも、いいやって。だってもし本当に間違ったことをやってたら、とっくにボクは消えていなくなってるだろ?(笑)。それにミュージシャンが自分の生き方を提示できなくて、何がミュージシャンだよ。そこを曲げたり隠して生きていくならミュージシャンなんかやめろよ、そんなのロックじゃねーよってさ。そこが多分、ボクの古いところなんだろうし、「ロックって何?」って聞かれたら、「ボクがロックだよ」って言えるとこじゃないか?
――なるほど、自身の信念を貫いてミュージシャンとしての生き方を提示してきた結果だと。
【GACKT】 ロックに生きてないと、GACKTなんてやっていけないから(笑)。ボクはこれからもっと世界を視野に入れていこうと思っていて、だから今は日本に住んでいない。だけど、こうして海外から日本を見ると、未だに“鎖国風土”が続いていてすごく遅れているのがよくわかる。そして、そのためにチャンスを何回も逃しているのもわかる。それなら、まずは自分が日本人として世界でやっていこうと思ったから、今、日本を離れている。ただ、決してこれは楽な道ではない。おとなしく日本にいれば叩かれないし、金もかからない。でもあえて楽じゃない道を選ぶ。それがボクの生き方。
(文:若松正子)
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2015/07/08