昨年、12月27日。50歳の誕生日を記念して、東京・豊洲PITでライブ『藤井尚之 Welcome 50’s Party』を行なったミュージシャンの藤井尚之。鈴木雅之、夏木マリ、斉藤ノヴ、後藤次利、河口恭吾、元チェッカーズのギター・武内享、ベース・大土井裕二、そして実兄でリードボーカル・藤井フミヤが、尚之の誕生日を祝うべく集結した。往年のファンにはたまらないサプライズを含むこの日のライブがBSフジで29日、午後10時よりテレビ初放送されることになった。デビュー30周年、50歳の節目を越えて、いま、尚之の心中に去来する思いとは?
元チェッカーズのドラムス・徳永善也さんが2004年に亡くなってから、「この4人が集まって人前でパフォーマンスするのは初めてかもしれない」という。
「兄(フミヤ)やアブラーズ(元チェッカーズの楽器演奏陣からなるバンド、メンバーは故・徳永さん、武内、大土井、尚之)のメンバーとはそれぞれ一緒にライブをやってきているので、自分にとっては何の新鮮味もないんですが…」と、存外そっけない。「一昨年の『情熱大陸SPECIAL LIVE』の時は、鈴木雅之さんのステージに享さんと兄と僕が加わって、Martin(マーチン)さん(鈴木の愛称)の曲をやったことはありましたけど。4人でチェッカーズのシングル曲を演奏するのは確かになかったですね。観客の皆さんもすごく喜んでくれていたし。もっと、マニアウケする選曲でもよかったかな(笑)」
ライブでは4人で「ONE NIGHT GIGOLO」「I Love You, SAYONARA」「NANA」の3曲を披露。それも、どこか懐かしいサウンドを聴かせる。
「面白いことに、あの面子で昔の曲を演奏すると、当時の演奏レベルに戻っちゃうんですよ(笑)。自分たちの楽曲だから、余計なアレンジを加えたりする必要も感じないし、一番演奏していた当時に戻っちゃう。そこがバンドの不思議なところで、バンドにしか出せないものでもあるんですよね。それ以上なものも、それ以下のものやらない。そのままをやる。それがオリジナルの強みなのかもしれませんね」
尚之は、1983年に7人組ロックバンド、チェッカーズのサックスプレーヤーとして「ギザギザハートの子守唄」でデビュー。次々とヒット作をリリースし、音楽業界の枠を超えた一大ムーブメントを巻き起こした。1987年、チェッカーズの中から最初にソロ活動をはじめたのは、尚之だった。シングル・アルバム『NATURALLY』を発売。そして、約10年の活動を経て、1992年大みそかのNHK紅白歌合戦を最後にチェッカーズは惜しまれつつ解散。尚之が作曲した曲は29曲(内シングルは8曲)にも及んだ。
「田舎から上京するときは、世間に騒がれるとは思ってもいなかったので、アイドル扱いされたのも楽しかったですよ。売れないより売れたほうがいいし、やらされているというより、それを楽しんでいましたよね。チェッカーズの活動期は、バブルのど真ん中という時代背景もあって、いまじゃ考えられない待遇もありましたし(笑)。レコードから始まって、CDに移行して、いまはコンピュータが欠かせなくなって。その時々に、いい経験をさせてもらったな、と思います」。
解散後は、ソロ活動のほかに、フミヤとの兄弟ユニット「F-BLOOD」、後藤次利、斎藤ノヴとのインストユニット「Non Chords」、「アブラーズ」、自然音ユニット「Nature Sound Orchestra」、ドラム屋敷豪太、べース有賀啓雄、ピアノ&キーボード松本圭司、エンジニア飯尾芳史との5人でバンド「SLUG & SALT」など、さまざまな枠組の内外でサックスプレーヤー、ボーカリスト、そしてメロディーメーカーとして精力的に活動を続けている。
特にフミヤとは、作詞をフミヤ、作曲を尚之が担当し、さまざまなアーティストに楽曲提供するなど、兄弟コラボも多い。
「兄弟仲は悪くない、ですね(笑)。育った環境もあると思いますが、一緒にバンドでデビューして、二人ともミュージシャンをやっていますからね。僕が別の職業に就いて、田舎にいたらどうなっていたかわかりませんが(笑)。ただ、兄貴の影響は大きいですよ。先に色気づいて、音楽やファッションの知識や情報を家に持ち帰ってくる。まだ半ズボンをはいていた小学生の僕にとっては、『なんじゃこの音楽は!』という衝撃を兄から与えられましたから。小学生の頃からの夢だったんですよね、バンドを組んで音楽をやるのが。でも、周りの友だちはみんな暴走族になっちゃって(笑)。チェッカーズのベースだった人が抜けた代わりに兄貴が僕を誘ってくれて、うれしかったです。そこへベースの大土井さんが入ってきたので、僕はサックスに転向したんですが、それもいまとなっては縁だったなと思います」。
50歳になって早5ヶ月。「いざなってみると、残りの短い人生をエンジョイするしかないなって思いますよね」と笑った。50歳の記念ライブには、「これまでにお仕事をご一緒したことがある方々にお声がけさせてもらいました」と、鈴木雅之、夏木マリ、斉藤ノヴ、後藤次利、河口恭吾、トラベラーズ、ワンダラーズらがゲスト出演し、尚之とジョイントしてヒット曲を披露する。
ゲストのトップバッターを務めた鈴木は、ラッツ&スターの名曲「め組のひと」で会場を一つにし、河口は「テネシーワルツ」を情感たっぷりに歌い上げた。ピンヒールで登場した夏木は尚之のサックスの演奏からの「スワサントンブルース」でロック魂を魅せつけ、Non Chordsとしてユニットを組む斉藤、後藤とは尚之のソロデビュー曲「NATURALLY」を演奏し、ファンを魅了した。
尚之は「今回の誕生日ライブは、自分が好きだなと思う音楽が自然と集まった感じになりました。幸いなことに振り幅広くいろんな方々と一緒に音楽を続けることができたなぁと、感慨深いですね。こうして仕事を続けられていることが、本当にラッキーで、非常にありがたいことだと思います」とかみしめていた。
■『藤井尚之 Welcome 50’s Party』
http://www.bsfuji.tv/top/pub/fujiinaoyukibirthday.html
元チェッカーズのドラムス・徳永善也さんが2004年に亡くなってから、「この4人が集まって人前でパフォーマンスするのは初めてかもしれない」という。
「兄(フミヤ)やアブラーズ(元チェッカーズの楽器演奏陣からなるバンド、メンバーは故・徳永さん、武内、大土井、尚之)のメンバーとはそれぞれ一緒にライブをやってきているので、自分にとっては何の新鮮味もないんですが…」と、存外そっけない。「一昨年の『情熱大陸SPECIAL LIVE』の時は、鈴木雅之さんのステージに享さんと兄と僕が加わって、Martin(マーチン)さん(鈴木の愛称)の曲をやったことはありましたけど。4人でチェッカーズのシングル曲を演奏するのは確かになかったですね。観客の皆さんもすごく喜んでくれていたし。もっと、マニアウケする選曲でもよかったかな(笑)」
ライブでは4人で「ONE NIGHT GIGOLO」「I Love You, SAYONARA」「NANA」の3曲を披露。それも、どこか懐かしいサウンドを聴かせる。
「面白いことに、あの面子で昔の曲を演奏すると、当時の演奏レベルに戻っちゃうんですよ(笑)。自分たちの楽曲だから、余計なアレンジを加えたりする必要も感じないし、一番演奏していた当時に戻っちゃう。そこがバンドの不思議なところで、バンドにしか出せないものでもあるんですよね。それ以上なものも、それ以下のものやらない。そのままをやる。それがオリジナルの強みなのかもしれませんね」
尚之は、1983年に7人組ロックバンド、チェッカーズのサックスプレーヤーとして「ギザギザハートの子守唄」でデビュー。次々とヒット作をリリースし、音楽業界の枠を超えた一大ムーブメントを巻き起こした。1987年、チェッカーズの中から最初にソロ活動をはじめたのは、尚之だった。シングル・アルバム『NATURALLY』を発売。そして、約10年の活動を経て、1992年大みそかのNHK紅白歌合戦を最後にチェッカーズは惜しまれつつ解散。尚之が作曲した曲は29曲(内シングルは8曲)にも及んだ。
「田舎から上京するときは、世間に騒がれるとは思ってもいなかったので、アイドル扱いされたのも楽しかったですよ。売れないより売れたほうがいいし、やらされているというより、それを楽しんでいましたよね。チェッカーズの活動期は、バブルのど真ん中という時代背景もあって、いまじゃ考えられない待遇もありましたし(笑)。レコードから始まって、CDに移行して、いまはコンピュータが欠かせなくなって。その時々に、いい経験をさせてもらったな、と思います」。
解散後は、ソロ活動のほかに、フミヤとの兄弟ユニット「F-BLOOD」、後藤次利、斎藤ノヴとのインストユニット「Non Chords」、「アブラーズ」、自然音ユニット「Nature Sound Orchestra」、ドラム屋敷豪太、べース有賀啓雄、ピアノ&キーボード松本圭司、エンジニア飯尾芳史との5人でバンド「SLUG & SALT」など、さまざまな枠組の内外でサックスプレーヤー、ボーカリスト、そしてメロディーメーカーとして精力的に活動を続けている。
特にフミヤとは、作詞をフミヤ、作曲を尚之が担当し、さまざまなアーティストに楽曲提供するなど、兄弟コラボも多い。
「兄弟仲は悪くない、ですね(笑)。育った環境もあると思いますが、一緒にバンドでデビューして、二人ともミュージシャンをやっていますからね。僕が別の職業に就いて、田舎にいたらどうなっていたかわかりませんが(笑)。ただ、兄貴の影響は大きいですよ。先に色気づいて、音楽やファッションの知識や情報を家に持ち帰ってくる。まだ半ズボンをはいていた小学生の僕にとっては、『なんじゃこの音楽は!』という衝撃を兄から与えられましたから。小学生の頃からの夢だったんですよね、バンドを組んで音楽をやるのが。でも、周りの友だちはみんな暴走族になっちゃって(笑)。チェッカーズのベースだった人が抜けた代わりに兄貴が僕を誘ってくれて、うれしかったです。そこへベースの大土井さんが入ってきたので、僕はサックスに転向したんですが、それもいまとなっては縁だったなと思います」。
50歳になって早5ヶ月。「いざなってみると、残りの短い人生をエンジョイするしかないなって思いますよね」と笑った。50歳の記念ライブには、「これまでにお仕事をご一緒したことがある方々にお声がけさせてもらいました」と、鈴木雅之、夏木マリ、斉藤ノヴ、後藤次利、河口恭吾、トラベラーズ、ワンダラーズらがゲスト出演し、尚之とジョイントしてヒット曲を披露する。
ゲストのトップバッターを務めた鈴木は、ラッツ&スターの名曲「め組のひと」で会場を一つにし、河口は「テネシーワルツ」を情感たっぷりに歌い上げた。ピンヒールで登場した夏木は尚之のサックスの演奏からの「スワサントンブルース」でロック魂を魅せつけ、Non Chordsとしてユニットを組む斉藤、後藤とは尚之のソロデビュー曲「NATURALLY」を演奏し、ファンを魅了した。
尚之は「今回の誕生日ライブは、自分が好きだなと思う音楽が自然と集まった感じになりました。幸いなことに振り幅広くいろんな方々と一緒に音楽を続けることができたなぁと、感慨深いですね。こうして仕事を続けられていることが、本当にラッキーで、非常にありがたいことだと思います」とかみしめていた。
■『藤井尚之 Welcome 50’s Party』
http://www.bsfuji.tv/top/pub/fujiinaoyukibirthday.html
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2015/05/24