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ORICON NEWS
2013年上半期映画特集『洋画&アニメの2大ヒットがシーンを牽引〜前年を約10%上回る興行成績』
4作品でトータル200億円前後のヒット!邦画実写は不調
前者は、東宝東和配給の2作品、『レ・ミゼラブル』(58億円)と『テッド』(43億円)が、合わせて100億円の興収を突破したのが、とくに目を引く。後者は、東映配給のアニメの2作品、『ワンピース フィルムZ』と『ドラゴンボールZ 神と神』が、それぞれ68億5000万円、30億円前後を記録したことが、大きな成果であった。数字上では、この4作品で、トータル200億円前後を計上する。
これに反して、実写、アニメを含む東宝の配給作品が、昨年実績を大きく下回っていることも注目である。1月から4月までの4ヶ月累計で、東宝の興収は156億63万円。これは、昨年の65.6%である。『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)』『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』は、前者が40億円、後者が33〜35億円と、シリーズ最高レベルの成績になっているから、実写作品の落ち込みが顕著だといえる。
ヒットのボリュームが小さくなったふたつの理由
アニメは、定番作品の安定感に『ワンピース』と『ドラゴンボール』の飛躍的な成績が加わり、圧巻の度合いを増した。単館系アニメの健闘もあり、アニメに関心を寄せる観客層の広がりが大きくなり、今や映画興行のムーブメントともいえる様相を呈している。
東宝以外も含めた実写作品では、この5ヶ月で20億円を超えた作品は、『プラチナデータ』(26億円)と『ストロベリーナイト』(21億円)の2本のみ。次に10億円台後半で続くのが、『東京家族』『今日、恋をはじめます』『藁の楯 わらのたて』『図書館戦争』。これは、かなり期待はずれだといわざるをえない。昨年で見ると、この期間に公開された作品では、『テルマエ・ロマエ』が50億円以上、『映画 怪物くん』が30億円以上を超えていた。
ヒットのボリュームが、格段に小さくなった。これには、大きな理由がふたつあると思う。テレビドラマやコミック原作の映画化ではないため、認知度の点で図抜けてはいないこと。作品の内容が、どちらかというとハードなサスペンスものが多く、ヒットしたとはいえ、観客層が少し限定的だったこと。このふたつである。
要するに、多くの観客層にアピールできるイベント映画が、なかったということだ。これは、たまたまそうだったのか、そうではなく、そうした作品の製作が滞ってきたのか。判断は難しいところだが、この夏の大作の動向を見ていくと、そのあたりの事情が少しなりとも、明らかになっていくことだろう。
以上、洋画、アニメ、邦画の実写に関する3つの傾向に関して、相当駆け足できてしまったが、どれも半年、あるいは1年単位で見ていくと、実体はまた変わっていくものと思われる。ただそれでも、映画興行は少しずつ変化を内部にはらんで、それが大きな塊となって、突き進んでいるのである。
(文:映画ジャーナリスト・大高宏雄)
※各作品の成績は最終興行収入の推定値(興行中の作品は見込みの最終推定値)
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『ワンピース フィルムZ』(C)尾田栄一郎/2012「ワンピース」製作委員会『レ・ミゼラブル』(C)Universal Pictures『テッド』(C)2012 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)』(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2013『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』(C)2013 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会『ドラゴンボールZ 神と神』(C)バードスタジオ/集英社 (C)「2013ドラゴンボールZ」製作委員会『アイアンマン3』(C)2013 MVLFFLLC. TM & (C)2013 Marvel. All Rights Reserved.『007 スカイフォール』 (C) 2012 Danjaq LLC United Artists Corporation Columbia Pictures Industries Inc. All rights reserved『ストロベリーナイト』(C)2013 フジテレビジョン S・D・P 東宝 共同テレビジョン FNS27社 光文社『プラチナデータ』(C)2013「プラチナデータ」製作委員会
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