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第19回釜山国際映画祭『いま旬の最注目俳優は?映画祭で感じる つきぬける勢い―』

映画ファンを魅了する楽しさは変わらないものの、昨年までのド派手で華やかだった雰囲気から一変し、映画を楽しむ祭典としての落ち着いた色合いが強かった今年の第19回釜山国際映画祭。そんななかで強烈に輝いていた新鋭俳優、個性派俳優たちにフォーカス! 日本でもブレイク間違いなし!? これから“くる”俳優をCHECH☆ 豪華セレモニー、トークイベントフォト&ムービーも一挙掲載!!!!

映画祭で感じる 新世代&個性派俳優の輝き

 その華やかで開放的な雰囲気が映画ファンを魅了してやまないアジア最大級の映画祭、第19回釜山国際映画祭が10月2日〜11日まで韓国・釜山にて開催された。オープニングセレモニーをはじめ、豪華ゲストによって華やかかつ艶やかに彩られてきた同映画祭だが、今年はK-POPアイドルなどの韓国スターをフィーチャーするAPANブルーカーペット・イベントがなかったほか、ゲストの装いも含め全体的に派手さを抑えて落ち着いていた印象。そんななかで、国民的人気のベテラン俳優や、話題作への出演から人気急上昇中の新鋭俳優らが脚光を浴び、映画祭本来の原点に立ち返った“映画を楽しむ”祭典として、観客を大いに楽しませた。

 会場周辺を埋め尽くすほどの、会期中もっとも多くの観客が集まる開催初日のオープニングセレモニーにおけるレッドカーペット。今年の目玉は、チョン・ウソンやキム・ナムギルなど個性派のスターたちだった。そして、日本からもファンが押しかけていたユチョンがやはり人気。それぞれレッドカーペットに現れたときは、両サイドの客席から大歓声が沸き起こった。

 そんなセレモニーでは、今まさに旬の韓国俳優たちの人気ぶりを肌で感じることができた。とくに最近の話題作への出演からブレイク中の若手俳優たちへの声援はすさまじく、まだ日本ではあまり知られていない新世代スターの発見の場にもなる。

 そのなかで目立っていたのが、まずはドラマ『応答せよ 1994』で一躍ブレイクしたユ・ヨンソク。『私のオオカミ少年』『ファイ』など日本公開作にも出演しているが、韓国で公開されたばかりの最新作『提報者』もヒットスタートを切っている。さらに、ドラマ『屋根部屋のプリンス』で人気を集めたチェ・ウシク。大作『シークレット・ミッション(原題:隠密に偉大に)』に出演するほか、11月韓国公開の最新作『巨人(英題:Set Me Free)』も話題を集めている。『シークレット・ミッション』でメインキャストのひとりを演じているイ・ヒョヌも来場。日本でもドラマ『花ざかりの君たちへ』ですでに人気だが、かわいい系俳優への人気は韓国も熱い。

 『建築学概論』でデビューし、『観相師』『王の涙―イ・サンの決断―(原題:逆鱗)』など大作への出演が続くチョ・ジョンソクも、30歳を過ぎているが、幅広い役柄を演じる実力派であり、最近の最注目俳優。最新作『私の愛、私の花嫁』が公開されたばかりでヒット中。また、韓国歴代No.1の観客動員数を記録した『鳴梁』への出演からブレイク中のクォン・ユルも熱い人気ぶりをみせた。同作では、チェ・ミンシク演じるイ・スンシン将軍の息子役で、観るものを強烈に惹きつける存在感を放っている。

 そして、この映画祭期間中もっとも会場を沸かせたのは、人気グループ・EXOのディオ(ド・ギョンス)が登場した映画祭後半の『カート』トークイベント。中高生を中心にした熱烈なEXOファンが会場周辺を埋め尽くした。ギョンスは、ドラマ『大丈夫、愛だ』に続いての、アイドルとしてではなく俳優としての映画出演。EXOの勢いは衰えることを知らず、この先も俳優・ギョンスへのニーズは高まっていきそうだ。彼の俳優業への評価にはEXOファン以外からも注目が集まっている。ちなみに同イベントは、K-POPアイドルの参加がほぼなかった今回の映画祭のなかで、破格の盛り上がりになった。BIGBANGのT.O.Pや2PMのテギョン、EXOらが参加していた昨年の同映画祭のざわめきを思い起こさせた。

話題作への出演が続く 女優&脇役俳優の注目は?

 一方、女優では『海霧』『群盗』などに出演するハン・イェリが人気上昇中。誰もを惹きつけるフォトジェニックなビジュアルというわけではないが、独特の雰囲気を持つ個性派でとくに若い世代の女性から支持を得ている。また、女優として活躍しながら、監督としても活動するク・ヘソンは、ファッション誌の表紙も務める変わらぬ美しさで観客を魅了。出演もする長編監督作『Daughter』は韓国公開が決まったばかりだが、その幅広い創作活動から女優という枠に留まらぬ人気を得ている。

 そのほか、イケメンという括りではないかもしれないが、演技への評価や出演作の多さで勢いを感じるのは、若手では『Socialphobia』のピョン・ヨハンとイ・ジュスン。脇役では、キム・ギドク監督最新作『1 対 1』や『ファイ』のキム・ヨンミン、『鳴梁』『群盗』『最後まで行く』のチョ・ジヌン、『群盗』『タチャ−神の手−』のイ・ギョンヨン、『嘆きのピエタ』『Gifted』のキム・ボムジュンなど。作品を通して映画祭でしっかりとその姿を印象づけた。

 今回、出演作品が上映されることから来場が期待されたカン・ドンウォンとハ・ジョンウ(『群盗』)、ヒョンビン(『王の涙―イ・サンの決断―』)らトップスターが姿を見せなかったのは残念だが、新世代の若手俳優たちが観客を魅了した。また、チェ・ミンシクやキム・ユンソクらベテラン俳優や多くの監督たちが上映後のティーチインに出席。積極的に観客とのトークに参加し、映画祭を大いに盛り上げた。

日本からも続々渡韓 キャストへ熱い声援

 日本からも多くの作品が出品され、キャスト、監督が現地を訪れた。オープニングセレモニーには、開幕式の司会を務めた渡辺謙のほか、『真夜中の五分前』(12月27日公開)から三浦春馬と行定勲監督、『ザ・テノール 真実の物語』(公開中)から伊勢谷友介、『さよなら歌舞伎町』(2015年1月24日公開)から南果歩、廣木隆一監督、『私の男』から浅野忠信と二階堂ふみが登場し、現地の映画ファンの歓声を集めた。

 また、会期中のトークイベントには、セレモニーに出席したキャスト&スタッフのほか、2年連続の同映画祭出席となる前田敦子(『さよなら歌舞伎町』)や、北乃きいも伊勢谷とともに登壇(『ザ・テノール 真実の物語』)。『自由が丘で』(12月13日公開)では、加瀬亮がホン・サンス監督とともにトークに参加し、会場のファンから熱い歓声を浴びた。
(取材協力:Park Yeseul/文:編集部・武井保之)

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