これはDVDの写真や宣伝文句から、ホラー好きの人の映画のように誤解を招いているのが失敗だと思いました。この映画、決してそう言ったコアなファン向けのホラー映画ではないです。
ホラー(無論、その要素も十分含まれてはいますが)の衣を借りてはいますが、内容は「異端者」の悲しみとか、異端ゆえに「愛」を知らずに育った主人公のバンパイア修道僧サイラスと、夫と幼い娘を亡くした女刑事リリーとの「心の触れあいと絆」そして、「越えられない愛」を描いた悲しいドラマです。ですから、男性より女性向けというか、そういったリリカルで情緒的なものに重点をおいているので本当に損をしていると思いました。
そして特筆すべきなのは、バンパイアもの結構好きで観ていますが、この作品の世界観には驚かせられました。恐怖と悲哀が混ざり合ったような不思議な世界観です。
バンパイアが修道僧だと言う点だけでも斬新の一言です。
バンパイア修道僧サイラスをダグレイ・スコット、人間の女刑事リリーをサフロン・バロウズ、2人とも日本ではあまり知られていませんが、イギリスでは巧い中堅役者としての地位を固めている芸達者です。