映画『つやのよる』―監督は行定勲さん―の主題歌として書きおろされた、メロウでグルーヴィーなバラード。CKBの映画主題歌ってけっこうありますが、書きおろしとなると『約三十の嘘』の「あぶく」以来だそうで、しかも作詞は剣さんと行定監督との共作。シングル曲の歌詞をバンド外部の方と共作するのは「クリスマスなんて大嫌い!! なんちゃって」(松井五郎さんとの共作)以来、ぐらいになるんじゃないでしょうか。この、外部の方との共作詞である、ということが、普段の剣さんひとりによる作詞では出てこないような、いつもとはまたちょっと違ったカッコよさ、微妙にエロティックな感じがかもし出されていて、味わい深いです。耳に残るのっさんのエレキシタールの音色をはじめ、サウンド面も艶っぽさたっぷりですが、歌詞も含めじっくり味わいたい、おとなのための楽曲に仕上がっていると思います。
カップリングの「SOUL BROTHER」。これにもコミックスのCMなどのタイアップがついていますが、70年代の男の子向けアニメソングの、それもバラード系じゃない方のエンディング、みたいな雰囲気をもったナンバー。ただ、楽曲としては「ま、いいや」とのギャップがけっこうあるので、できれば間にもう1トラック、何かあればよかったかもしれません。
そして「eye catch - 夏・15秒 - 」。実はこれ、SEIYUのCMでさかんに流れていた“サゲドゥビドゥビ、ドゥビイェー”っていう、例の、アレです(「15秒」といいながら、20秒ちょっとあります)。
以上3トラックのあとには、剣さんとガーちゃんによる、次のアルバム収録予定曲をちょい聴かせながらのおしゃべり「Information」(6分ちょっと)。このコーナー、一部には「もうやめたら?」みたいな意見もあるらしいのですが、オレからすると、もしこのコーナーがなくなったら、CKBがパッケージとしてシングルを出す意味そのものがなくなってしまうような気さえするので(ちょっと大げさか)、これはぜひ続けていただきたいと思います(少なくとも、剣さんが飽きるまで)。
そしてもちろん、メイン2曲のカラオケも入っております。
なお、2012年11月に仙台で行われたライヴの際、剣さんのMCなどから得た情報によれば、5月に出る予定のオリジナル・アルバムには、これまで“自宅録音シリーズ”収録のデモ音源のみ(タイトルは「高速バス」)、あるいはたまーにライヴで演奏されていた、あの「バスが来る」がついに公式音源として収められることになりそうで(かつて楽曲として神崎まきさんに提供され、リリースされたことはあります。その時の作詞は、剣さんの親友でもある山田ひろしさんでした)、ものすごく楽しみです。
2013.3.30追記:
アルバム制作中の剣さんのブログによりますと、実際にスタジオで「バスが来る」をやってみたもののどうもしっくり来ず、「この曲はライヴでやってこそだね」となって、残念ながら未収録となったようです。ショボーン(ケロヨン調で)。
………ま、いいや。