「さよなら絶望先生」でも、クオリティの高い楽曲を提供してくれた特撮。
今作でも変わらず、アニソン界のアニキこと、水木一郎とタッグを組んだこの曲でも、アニソンとは思えぬほどのクオリティの高さを誇っている。
出だしから身震いするほどカッコいいギター
と、ハッとする美しさをもって流れる旋律、水木一郎のもはや神話の域に達している歌唱力が合わさり、凡百のアニソンとは比べ物にならぬほどの重厚さを感じる事ができる。
サビから加わる、複数の少年少女達の歌声も、「空想ルンバ」や「林檎もぎれビーム!」における絶望少女達のように、えも言われぬ哀愁を帯びさせていると同時に、優しく響きわたる。
歌詞に関しては、「ヌイグルマー」と同じく悲しきヒーローもの。
「改造するなら、自爆装置はオプション 着けてくれ
君を守ってやれないなら、生きてる意味ない 俺なのだから」
不器用かつ、あまりに悲壮な男の想いと、自分を改造してくれと願う他力本願ともとれる男の言葉は、大槻ケンヂ氏がこれまで描き続けてきた、ダメ人間たちと同じ側面もあるようだ。
「君が悪党で、さらってくれたなら、かってに改造してもいいぜ」
「君」を満足させることができるのなら、かってに改造してもいいぜ、と自己破壊願望も見て取れる男は、どこまでも哀れで、少年のように無垢だ。
水木一郎と少年少女達の声が重なり合いながら歌われる、
「この手も、この目も、何より心を。」の部分で、聞き手の感情の高まりは、最高潮を迎えるだろう。
最後の最後、
「君の願いを叶える為に、君を、かってに改造してもいいぜ」
「君」の願いの為なら、「君」自身を改造することになるのもしかたがない、という諦めなのか、「君」を自分の手で改造したいと願う、歪んだ愛による欲なのかは、判断できないが、個人的には前者であると思いたい。
大成功に終わった今回のコラボ。
魅了された者としては、第二弾の実現を願う。