この商品は「銀魂」作品世界ではあまり取り上げられないキャラを使い、物語を進行
している。しかも笑える。アニメ「銀魂」史上、ギャグのレベルが高いことも挙げてお
く。
まずは「ミイラ〜」。退ファンにはうれしいミントンのサービスカットをはさみ、局
長とさっちゃんのマシンガン的なボケ攻撃にきちんとツッコミを入れる様子は退のキャ
ラの掘り下げとともに、「ポスト新八」を予感させた。従来の退の「被害者キャラ」も
いきた名作だ。
「ジャンプ〜」は未来を予言できる少女・阿国と全蔵を組ませ、ただ笑える作品では
ない何か奥深さのようなものを感じさせる。それでいて、万事屋のコメディリリーフも
意味のあるものになっている。
「んまい棒」はいわば箸休め。ヅラの貴公子キャラが崩壊していく様子をドキュメン
タリータッチで追っていく。花野アナの体当たり取材もポイントが高い。
オススメはやはり「カブト狩り」だろう。神楽VS総悟が強調されているが、万事屋、
真選組双方の思惑が交錯し、名作になっている点を評価する。ここでも「万事屋&真選
組ものに駄作なし」を証明してくれた。総悟のカブトのコスプレは必見だ。
問題は銀さん大活躍でないこと。お馴染みとなった総悟と土方のやりとりがないこと
だが、それぞれのキャラが成長し、1本の作品として書けるレベルになったことに評価
すべきだろう。当然ながら、笑いすぎに注意だ。