爽快アクションドラマ『奥様は、取扱い注意』プロデューサー、テーマは“欲望の解放”
普遍的なテーマを描く爽快アクションドラマ
普遍的なテーマに視聴者の関心が向いてきている
「水曜ドラマは、観る人が何を求めているのかがハッキリした枠。週の真ん中に放送され、あの時間にドラマを観るという習慣が、ほんの一時、現実から目を逸らすことに繋がる、女性が次の日も明るく生きていくために必要なもの。そんなハッキリとしたイメージの枠で、期待されているものに応えたい、今までに見たことがないものをやってみたい、という想いのバランスを取っていくことにやり甲斐を感じています」
枝見氏が“エンタメ”を意識して制作する同作には、社会問題を取り上げながら、勧善懲悪という物語のわかりやすさもある。振り返れば昨今、高視聴率を取る人気シリーズには、『ドクターX』(テレビ朝日系)のように視聴者の溜飲を下げてスッキリさせる勧善懲悪ドラマや、『コード・ブルー』(フジテレビ系)のような登場人物の成長物語の人間ドラマなど、わかりやすいエンタメ作品が多い。果たして、テレビに求められるものが、多様性から普遍性に立ち返っているのだろうか。
「テレビは多様化に向かい、手の届きそうな親近感のある人や、素人さんが出演する流れもありました。ですが、スポーツもそうですが、自分たちには到底できないことをしている人を観るのはおもしろい。それは、私が子どもの頃に観ていたテレビだった気がします。昨今、確かにそこに回帰したような流れも見えますが、これは同じ流れを繰り返すというより、螺旋階段のように進化していっているのではないでしょうか。また、視聴者の好みが多様化したと言われていますが、いろいろな価値観が出てきたところで、改めて普遍的なものにも関心が向いてきているという気もします」
テレビという環境のなかで新しいものを作り出す意義
「クリエイターを含め、いろいろなスターと最先端の知識が集まっている感じがします。新しいことをやろうとする気概が感じられて、ここ最近、枠の色づきがノッてきている。ただ、日テレの水曜ドラマも、恒常的にノッている枠。これを続けていくのは難しい挑戦でもあるので、自分がやるのは怖さもありますけど(笑)」と心境を明かしてくれた。
「テレビはある意味、とても不自由な環境にあります。枠が決まっていて、ずっと変わらない作り方をしている。ですが、今は低予算でも作れる技術が揃っている。そこで新しいものを作り出す意義を感じますし、この多様化した世の中で、皆のブーム=共通言語になるようなものを制作していきたいと考えています」
(文:衣輪晋一)
水曜ドラマ『奥様は、取り扱い注意』
出演:綾瀬はるか、広末涼子、本田翼/西島秀俊ほか
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