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【買われた男】地上波初の女性用風俗ドラマ、タブー視乗り越え社長に直談判「“性の抑圧”に苦しむ女性はたくさんいる」

主人公のセラピストを演じる瀬戸利樹(C) 「買われた男」製作委員会

主人公のセラピストを演じる瀬戸利樹(C) 「買われた男」製作委員会

利用者の半数以上がセックスレス、初回放送は「ダンナが寝てからこっそり観た」と反響

 第1話のテーマは、セックスレス。たまにケンカはしても夫婦仲は悪くなく、キスや手繋ぎといったイチャイチャはする。だけどセックスは3年間していない──というモヤモヤを抱えた女性のストーリーだ。

 「女性用風俗への取材では、利用者の半数以上がセックスレスだと聞きました。日本では、夫婦の7割がセックスレスだというデータもあります」

 初回放送後のXには、「ときめきだったり、女性として大切にされている感だったり…。一番好きな人が埋めてくれたら簡単なのに、そうじゃないことが多いから難しいよね」という切実なつぶやきもあった。いわば、多くの女性が感情移入できるテーマ。とはいえ“お茶の間”では視聴しづらかったのか、「気になってたドラマ。ダンナが寝てからこっそりスマホで観ました」という視聴者もいた。

 原作コミックの第1話では、乳がんの手術を控えた女性のエピソードが描かれている。

「『買われた男』という作品が何を描きたかったのかが、このエピソードに凝縮されていました。ドラマでも全10話のどこかで必ず扱いたいと思っています」

利用を勧めるのではなく…、「私だけじゃない」思い悩む女性の孤独感の払拭に

 女性用風俗への取材では、来店はしたもののサービスを受けずに帰ってしまう女性や、セラピストにつらく当たる女性といった、現場の実態を吸い上げてきた。

 「ドラマにはそうした“難しいお客さま”に悪戦苦闘するセラピスト側の視点も盛り込みました。ただ、なぜその女性が“難しいお客さま”になってしまうのか、そこには必ず背景があると思うんです。特に、性にまつわることは『こんなこと考えているの、私だけなのかな』と思い悩みがち。さまざまな事情を抱えた女性を描くことで、視聴者の方が『私だけじゃないんだ』と胸のつかえが下りたり、孤独感が払拭できたり、そんなドラマにしたいですね」

 多くの人にとって、まだまだ知られざる世界である女性用風俗。そのリアルが地上波でオープンに描かれることで、利用者も増えるかもしれない。ただし佐々木プロデューサーは「女性用風俗の利用を勧めるドラマではない」という。

 「ただ利用する・しないに関わらず、こうしたサービスがあることを情報として知っておくことには一定のメリットがあるのではないでしょうか。何かに思い悩んだとき、心が満たされないとき、誰かに寄り添ってもらいたいとき、駆け込むことのできる選択肢は1つでも多く知っておいたほうがいいと思います」

 自宅でもなく、職場でもなく、身近な友人宅でもなく、自分を解放できる場所。男性用風俗は長らくそうしたサードプレイスの1つとして機能してきた。しかし、抱えるストレスに性差がなくなった現代、女性が性に対して能動的になれるサービスが求められるのは必然かもしれない。

DRAMA ADDICT『買われた男』

テレビ大阪・BSテレ東ほか
毎週水曜 深0:00
出演:瀬戸利樹 久保田悠来 池田匡志 ほか
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原作漫画『買われた男〜女性限定快感セラピスト〜』

ソルマーレ編集部
漫画:三並央実 原作:芹沢由紀子
コミックシーモアにて配信中(外部サイト)

(C)三並央実/芹沢由紀子/ソルマーレ編集部(C)「買われた男」製作委員会

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