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なぜアダストリアはヨーカドーとタッグを組んだ?“アパレル協業”が与える双方にとっての“勝算”

“ファッション”が日本の抱える課題の一助に?

 食が中心の総合スーパーとアパレルブランドのコラボというまったく新しい形態。「“ついで買い”をすることで、地域コミュニティを大きく育てていくこと」を目標にしている双方にとって、地域全体の強度が増していく未来は、現在日本が抱える都市化問題解決の第一歩にもなりそうだ。

「現状、20代30代のマーケットは52週MD(マーチャンダイジング)という毎週新しいものを出していくという考え方で非常に回転が早いんです。ですが、GMSではターゲット年齢層が少し上なことと、専門店ではないため、2週間に一回新しいものを取り入れていく26週MDという方向性で進めております。イトーヨーカドーとしては2025年までにEBITDA(最終的な利益から、償却費と支払利息の純額、税金を足し戻した利益)550億円、またROICA(元手に対してどれだけ設けたかを示す指標、利益の割合)4%を実現することを目標に掲げています。しかしテナントだとその数値にはたどり着けない。また品揃えもコントロールできない。ですが協業だと利益性とお客様のニーズ、さらにワンストップで耐えられるということで大きく期待しています」(梅津氏)
 一方でアダストリアはどう見ているのか。

「アダストリアとしても新たな事業展開で毎日がプラスな情報ばかりです。業界が違うと言語、体制、感覚も違う。モールや駅ビル、ファッションビルなどでの展開しかなかった弊社がGMS展開で新たな知見を得られるだけでも価値があります。ぜひ『FOUND GOOD』を成功させたいです」(アダストリア担当者)

 なにより、今回の取り組みを喜んだのは現場の販売員だったという。

「着用販売によって、従業員の方から『私たちも着られる服が増えた』という意見を非常に多くいただいています。この経験を生かし、水族館や介護師、レストランのユニフォームなど、人手不足に悩む職場をファッションで解決するといった展開の拡大にも期待できると考えています」(小林氏)

 経済産業省は2022年3月に『ファッションの未来に関する報告書』を発表し、デザイン、製造、販売、使用、リセールについて多様な視点から望ましい未来を描いている。「ファッション」も解決における重要なファクターとなり得るが、果たしてそれはGMSにおいても可能となるのか。両者にとって“FOUND GOOD”となることを願うばかりだ。
(取材・文/衣輪晋一)

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